2013年12月09日

●「2012年の衆院選に疑惑がある」(EJ第3689号)

 特定秘密保護法案の採決をめぐる自民党の乱暴な議会運営──
数を頼んでの強行採決には怒りを覚えた人が多いと思います。わ
れわれは国民から衆参で多数を与えられている。だから、野党が
何をいおうと、数で押し切ってしまえばよい。国政選挙は3年後
であり、それまでには国民は怒りを忘れてくれる──自民党はこ
う考えて数で押し切ったのです。
 自民党は参院選の公約に、日本版NSCの設置は謳っています
が、特定秘密保護法案の文字は一切ないのです。公約と一緒に発
表した総合政策集に「情報保全・公開に関する法整備」とあるだ
けです。つまり、公約に掲げていないのです。
 ところが、自民党は参院選でも勝利し、衆参で多数を持つこと
になったのです。ねじれは解消したのです。しかも、新聞社の世
論調査での安倍内閣支持率は高いままです。こういう状況を見て
特定秘密保護法案を通すには、この機会しかないと判断したもの
と思われます。
 12月5日夜のテレビ朝日の報道ステーションで気になる情報
を聞いたのです。国会の特定秘密保護法案を審議する委員会で、
森雅子担当相が答弁に詰まるシーンが何回もあったのです。その
とき大臣の後ろにいて、メモを渡していた官僚は警察官僚だとい
うのです。警察はこの法律に深くかかわっているのです。
 昔の特別高等警察(特高)を狙っているのでしょうか。日本維
新の会の石原共同代表が党首討論で安倍首相に迫った次の言葉が
気にかかります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 この法案を踏まえて、イスラエルの、私は非常に評価していま
 すけど、小さくとも極めて優秀なモサドのような国家組織をつ
 くるべきじゃないかと思います。     ──石原共同代表
―――――――――――――――――――――――――――――
 モサドというのは、イスラエルの諜報特務庁のことです。対外
諜報活動と特務工作をやっているスパイ組織です。彼らは反イス
ラエル勢力を次々と暗殺している組織であることは公然の秘密に
なっています。石原共同代表は安倍首相に日本にもそういう組織
を作れと迫ったのです。
 安倍首相が石原氏と同じように考えているとは思いませんが、
彼の唱えるスローガン──「日本を取り戻す」は、戦前の暗い、
冷たい日本に戻そうとしているようにしか思えないのです。
 ところで、自民党はどうして衆参であれほどの多数を得たので
しょうか。
 民主党政権のあまりにもひどい政権運営に失望した国民が、自
民党に票を戻したというのが多くの人の考え方です。確かにそれ
は間違いなくあります。しかし、それだけでは説明できないこと
がたくさんあるのです。
 現在ネットでは、2012年12月の衆議院選挙には、不正が
あったのではないかという記事や調査レポートなどがたくさん出
ています。
 不正選挙は発展途上国などによくある現象ですが、少なくとも
日本のような先進国には無縁と考えている人は多いと思います。
しかし、一連の小沢謀殺事件に関してここまで見てきたように、
法務検察も裁判所も最高裁も信用はできないのです。何でもあり
の現代なのです。
 2010年9月14日の民主党代表選は、地方票において明ら
かに不正が行われていることを指摘しましたが、まさか国政選挙
には不正はないと多くの人は思っていると思います。
 しかし、ここに誰にもわかる不正があります。2010年12
月16日の衆議院選挙は、東京都に関しては、東京都知事選挙と
同日選挙だったのです。このときの都知事選と衆院選の東京都の
投票者数数を調べると、不可解な事実があるのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ◎東京都知事選挙投票者総数 ・・・ 644万7744票
 ◎衆院選/東京都投票者総数 ・・・ 525万6655票
  6447744―5256655= 119万1089票
―――――――――――――――――――――――――――――
 同日選ですから、投票所まで足を運べば、都知事選と衆議院選
の両方に投票するはずです。片方だけ投票して一方だけ棄権する
というケースは一人もないとはいいませんが、上のデータはよる
と、衆院選の方を棄権した人が約120万人いることを示してい
るのです。本来であれば、両者の数字はほとんど同じでなければ
ならないのです。異常としかいいようがありません。
 もうひとつ気になるのは、猪瀬氏の得票数が約433万票と投
票総数の67%に達していることです。これは過去最多の圧倒的
な得票率ですが、猪瀬知事というのは、そんなに人気があったの
でしょうか。この数字は、それまで最高だった1971年の美濃
部亮吉氏の361万票をはるかに超えているのです。
 選挙の専門家の分析はこうです。自民党、公明党、日本維新の
会が猪瀬氏を支援しているので、同日に実施された衆議院選挙の
東京比例区の得票率をすべてプラスすると、それだけで55%に
になります。
―――――――――――――――――――――――――――――
      自民党    ・・・ 24.87 %
      公明党    ・・・ 10.14 %
      日本維新の会 ・・・ 19.86 %
      ―――――――――――――――――
                 54.87 %
―――――――――――――――――――――――――――――
 民主党の東京比例区の得票率は15.42 %ですが、そのなか
の連合票の一部(12%)が猪瀬氏に流れて、67%の得票率に
なったというわけです。
 いかにも、もっともらしい説明ですが、これは後づけの理屈な
のです。猪瀬氏の当選には、何か大きな仕掛けがありそうです。
明日検討します。    ─── [自民党でいいのか/111]

≪画像および関連情報≫
 ●自民党が圧勝し、民主党が惨敗した理由/北川正恭氏
  ―――――――――――――――――――――――――――
  「マニフェスト」という言葉を日本語にしたとき、「政権公
  約」というふうに訳しました。これは、「マニフェストは、
  『政権選択』をするときに参考にする材料や基本資料だ」と
  いうことを意味しています。政権選択なので、「マニフェス
  トを用いるのは総選挙に限る」ということです。理論的には
  参議院は関係ありません。ところが、今回の総選挙では「マ
  ニフェスト不要論」も言われていました。なぜかと言うと、
  民主党が衆院選で勝ったとしても参議院に足を引っ張られて
  意のままの政権運営ができなかった、というのを見ていたか
  らです。次の参議院選挙があるから、民主党も自民党も控え
  たのですね。それでは総選挙の意味は何なのか──というこ
  とになります。マニフェストが不要だと言われるようになっ
  たのは、衆議院・参議院のあり方、制度を変えないといけな
  いという問題があったからです。わざわざ投票しても何の意
  味もない、ということになれば大問題ですよね。なので、衆
  参のあり方を根本的に見直せ、という「決められる国会」に
  変えないといけない。今回の選挙は、こういうことを問題提
  起しています。だから、「政権選択」というのは大変重要で
  自民党も「政権公約」としているわけです。衆参のねじれの
  問題は、衆議院の再可決の3分の2条項でどんどん決めてい
  くというふうにしないと、同じ権能を持った院があったら、
  決まりません。多数決はポピュリズムなので、衆議院で与党
  に勝たせたら、参議院では野党に勝たせるのです。
                   http://bit.ly/IMXvN2
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433万票獲得した猪瀬直樹氏.jpg
433万票獲得した猪瀬 直樹氏
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 自民党でいいのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初コメントします。

今回の文中に、
>ねじれは解消したのです。
とあり、Electronic Journal さんまで、(なかば無意識からか)これを自明の善とされてゐるのは驚きです。「ねぢれ」は民意による結果であり、その「解消」自体が善であるとはいへまえん。逆に、ファッシズム化・独裁化現象を誘致するともいへます。
Posted by ワタン at 2013年12月09日 12:43
これは飛ばし情報です。もっと言うと、デマです。>投票数の差 あちら(他のご投稿)でも指摘ありましたが読む方が勘違いしないように、書き込みました。
世論調査も、十勝新聞のものでは政権支持率24%ですからね。どっちが正しいのか・・・。また、前からの公明党の世論調査支持率と比例投票率が全く噛み合いません。これは少なくとも選挙と調査のどっちかが嘘であることを表していると思います。
Posted by 通りすがりの書きなぐりで失礼。 at 2013年12月15日 18:30
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