2013年10月23日

●「誰が米澤審査補助員を選定したか」(EJ第3657号)

 陸山会事件で小沢事務所の3人の秘書を取り調べた検察官は、
つねにこういっていたそうです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 たとえ小沢が不起訴になったとしても、検察審査会で必ず起
 訴してやる。            ──取り調べ検察官
―――――――――――――――――――――――――――――
 本来検察審査会は、検察の不起訴処分が市民感覚からみて疑問
があるときは、それに「待った」をかけ、その不起訴処分が妥当
なものであるかどうかを審査し、検察をチェックするのが制度の
本来の狙いになっています。
 そうであるならば、取り調べ検察官のいっていることは矛盾し
ていますが、実際に検察官がそういっているところを見ると、こ
の制度が検察をチェックするどころか、検察の起訴処分を補完す
るものであることがわかります。
 つまり、検察が証拠不十分で起訴できない場合でも、検察審査
会を利用して強制起訴をすることが可能になったからです。小沢
審査会はまさにそのケースに該当します。しかも、いつどのよう
な審査員によって、どのように審査されて議決が出されたか、す
べてブラックボックスで非公開ですから、どのような工作でもで
きることになります。
 といっても、検察が検察審査会の議決に影響を与えるためには
次の2つのことが必要になります。
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    1.担当検察官が不起訴理由の説明ができる
    2.審査補助員に検察意中の弁護士を選べる
―――――――――――――――――――――――――――――
 「1」に関しては、検察審査会法で定められているので、検察
官は不起訴処分の理由について審査員に対して説明ができますし
被疑者にとって不利な捜査報告書を提出することもできます。小
沢審査会では、田代検事作成の捏造捜査報告書などが提出されて
います。それでいて、被疑者はお呼びではないのです。被疑者の
言い分はまったく聞かず、検察官の説明と検察の捜査資料(被疑
者に有利な証拠は提出しない)だけで、市民感覚とやらで議決が
出されるのです。素人が相手ですから、検察としては起訴に導く
のは、赤ん坊の手をひねるほど簡単です。
 「2」に関しては、既に述べたように、最高裁と検察と弁護士
会は司法試験合格者の「ムラ」ですから、どうにでもなることで
す。弁護士といっても最初から弁護士の人と判事からの転身者、
検察官を退任してから弁護士になる「ヤメ検」がいます。ヤメ検
弁護士がすべて検察の味方とは限りませんが、小沢審査会では、
実際に「ヤメ検」弁護士が審査補助員に選定されています。
 第1回の小沢審査会では、3回目の審査から審査補助員が選任
されています。米沢敏雄弁護士です。1回目に関しては、審査補
助員は必須でないにもかかわらずです。しかし、この米澤弁護士
の選任には疑惑があるのです。
 東京弁護士会に山下幸夫弁護士という人がいます。この山下弁
護士は次のように話しています。八木啓代氏の主宰する「八木啓
代のひとりごと」から引用します。
―――――――――――――――――――――――――――――
  私は日弁連の中で(検察審査会に関する)ワーキンググルー
 プをやっていますので、指定弁護士や審査補助員になる人を研
 修する立場にいました。実際に研修をしています。そして、東
 京弁護士会の中で、指定弁護士や審査補助員になる弁護士とし
 ての登録もしています。で、弁護士会の内部では、(制度改正
 後に)一番最初に(検察審査会に申し立てが)来た場合は、名
 簿の一番上に山下先生を置いています、と言ってたわけです。
  ところが、小沢事件で、まさに東京弁護士会にその順番が来
 たときに、私ではなく、米澤さんという別の弁護士が審査補助
 員になったわけです。「一番最初は山下先生」と言われていた
 にもかかわらず、なぜか知らない間に、米澤さんという人が審
 査補助員になり、その人のもとで(一回目の)起訴相当議決が
 出たことを知って、非常にびっくりしたのです。私はおそらく
 米澤さんが自分で手を挙げたんだろうと思っています。自分で
 手を挙げる人を弁護士会が認めてしまったんだろうと。いろい
 ろ弁護士会の中で調べたり聞いたりしても、なぜ、この人が選
 ばれたのかということがわからない。 http://bit.ly/17JgZtq
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 建前であっても検察の処分をチェックする検察審査会のアドバ
イザーである補助審査員として、元検察官である「ヤメ検」弁護
士を選ぶこと自体おかしいのです。
 米澤敏雄氏は、1961年に検事に任官し、5年後に裁判官に
転身。岐阜地裁や静岡地裁の所長を務め、東芝ココムの規制違反
事件やリクルート裁判も扱ったベテランです。1990年の平和
相互銀行不正融資事件の判決文では、特別背任罪に問われた元監
査役に対し「邪道な行為」と厳しい言葉で断じています。
 その後米澤氏は、裁判官を退官後、大東文化大法科大学院教授
を経て、2010年4月に都内の「麻生総合法律事務所」に勤務
しています。「麻生」という名前を見て、もしやということで調
べたのですが、この事務所は麻生太郎元首相のグループとは関係
はないようです。
 しかし、米澤弁護士が小沢審査会の1回目の審査補助員に選定
されたことは、それなりのウラがあるはずです。なぜなら、東京
弁護士会内の取り決めを破って選定されているからです。この点
について東京弁護士会は選定理由を説明すべきです。八木啓代氏
は東京弁護士会に「質問状」を送付しています。
 小沢審査会では、担当検察官が不起訴理由の説明として、証拠
が不十分で起訴できなかったが、十分疑わしいことを強調し、そ
れを検事上がりの審査補助員の弁護士がフォローすれば、審査員
の議決に大きな影響を与えることができるからです。こんなこと
が許されるでしょうか。 ──── [自民党でいいのか/79]

≪画像および関連情報≫
 ●日弁連会長と仙谷官房長官の関係/2010年9月7日
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  民主党代表選は、「菅VS小沢」という構図以上に、「仙谷
  VS小沢」の決戦だと言われている。仙谷由人官房長官は反
  小沢グループの首魁であり、「民主党から小沢派を一掃する
  ことを目標にしている」(民主党中堅代議士)のだという。
  その仙谷氏と法曹界のある大物との個人的な関係が、小沢氏
  をいっそうナーバスにさせている。仙谷氏が弁護士出身であ
  ることは知られているが、日本弁護士連合会(日弁連)のトッ
  プ宇都宮健児会長が、仙谷氏に個人献金をしていることが判
  明したのだ。仙谷氏は民主党議員としては政治資金が豊富で
  5つの政治団体を抱え、年間約1億1300万円の収入(0
  7年度)を得ている。こうした政治団体の収入の中に、宇都
  宮氏からの個人献金が含まれているのである。その献金額は
  06年度〜08年度まで毎年2万円ずつ、計6万円と少額。
  しかし献金は、日弁連会長と官房長官が、単に弁護士同士と
  いう以上の個人的な関係を築いていることを示しており、小
  沢氏サイドは神経質にならざるを得ない。「小沢氏は検察審
  査会の動向を非常に気にしていますが、検審に補助員として
  弁護士を派遣するのは日弁連。つまり、仙谷氏がその気にな
  れば、小沢氏に厳しい立場の弁護士を検審に送り込むという
  「介入」も可能だということになりかねない。次に「起訴議
  決」が出れば小沢氏は強制起訴され、政治生命を失いますか
  ら深刻です」(別の民主党議員)。しかも、宇都宮氏が献金
  をしているのは仙谷氏だけではない。08年度には枝野幸男
  幹事長に1万円、07年度・08年度には小宮山洋子財務委
  員長に計4万円の献金も行っている。枝野、小宮山両氏は、
  仙谷氏同様、民主党内では反小沢の急先鋒として知られてい
  る。「敵方」の中心人物たちと日弁連会長が親しいとあって
  は、小沢氏もおちおち枕を高くして眠れないだろう。仙谷氏
  は小沢氏の代表選への出馬に対し、「出られるものなら出て
  みろ」と言い放ってきた。強気の背景には、この強力な法曹
  界とのパイプがあったのか。互いの怨念が積もった両氏の対
  決は、文字通り"血戦"ということになりそうだ。
                   http://bit.ly/w1gd1y
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米澤敏雄弁護士.jpg
米澤 敏雄弁護士
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 自民党でいいのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 平野様
 
 志岐武彦です。私の考えを述べさせていただきます。

 東京第五検審1回目議決では11人全員が「起訴相当」と判断しました。
 2回目審査のように捏造報告者が出されたということは確認できていません。
 検察は60人体制で、3か月近くかけ捜査をしました。大手新聞の記者まで捜査に加わっています。私は捜査に加わった記者を知っています。捜査費用は30億円くらいかかったと言われています。その結果が不起訴です。
 
審査補助員の誘導だけで、11人全員が「検察の捜査はおかしかった、小沢を起訴せよ」ということになるのでしょうか。

 議決書が議決当日に作られ、その日のうちに発表されたというのも解せません。
 審査員任期の4月末に、議決、並びに発表を合わせたように見えます。
 審査員が入れ替わった5月には議決できませんから。
 
東京第一検審で審査した小沢事件は、誘導があったと思われますが、「不起訴不当」です。

 最高裁が小沢をどうしても起訴しようと考えたとき、“誘導”などという不確実な方法をとるのでしょうか。
 
 東京第五検審の起訴議決は明らかに作られた議決だと思います。
Posted by 志岐武彦 at 2013年10月23日 09:48
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