2013年07月31日

●「小沢の秘書逮捕は国策捜査である」(EJ第3600号)

 小沢一郎という政治家を政治的に「謀殺」しようと企んでいる
仕掛け人の一角を占めるのは「政治家」です。ここまで述べてき
たように、最大の敵である自民党所属の政治家だけでなく、かつ
ての側近までが謀殺の片棒を担ぎ、小沢氏の政治活動にブレーキ
をかけようとしているさまについて述べてきました。
 ここからは、「仕掛け人候補その2」についての話に入ること
にします。だんだん話は核心に入ってきます。
―――――――――――――――――――――――――――――
   仕掛け人候補その1        「政治家」
   仕掛け人候補その2         「官僚」←
   仕掛け人候補その3         「財界」
   仕掛け人候補その4     「巨大メディア」
   仕掛け人候補その5  「ジャパンハンドラー」
               ──平野貞夫著/ビジネス社刊
     『真説/小沢一郎謀殺事件/日本の危機は救えるか』
―――――――――――――――――――――――――――――
 「仕掛け人候補その2」は官僚です。官僚は、何事であれ、自
ら率先して行動を仕掛けるということはしないのです。しかし、
政権政党の上層部の政治家、具体的には官邸の意向を忖度して、
それに向けて最大限サポートするために行動を起こすことは十分
あり得ることです。
 いわゆる検察による小沢氏への強制捜査の最初は、2009年
3月3日の「西松事件」による大久保隆規秘書の逮捕です。何の
前触れもなしにいきなり逮捕したのです。
 これについて小沢氏は、ある書籍の対談で次のように話してい
るのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 小沢:あのとき僕は民主党の代表でしたが、政権交代の可能性
 のある総選挙の半年前に、その野党第一党の代表を検察が根拠
 もなしに捜査に手を付けるというのは、官邸が「ウン」と言わ
 なきやできないことです。絶対できない、これは。必ずお伺い
 を立てているはずです。だからこれはその時の官邸が「やれ」
 って言ったってことです。それがあの官房副長官の言葉にも表
 れていましたよね(笑)。
 宮崎:漆間巌官房副長官ですよね。元警察庁長官だった。
 小沢:象徴的でした、あの言葉は(註・漆間巌官房副長官は、
 2009年3月5日に行われた記者団との懇談会の席で、西松
 事件に関して「自民党に及ぶことはない」と発言した。
 青木:ということは、小沢さん御自身はこの事件はやはり、政
 権交代を警戒する動きだと思われたのですね。官僚なのか検察
 なのか自民党なのかは別としても。
 小沢:基本的には官僚でしょうね。検察も官僚ですから。検察
 イコール官僚です。ただ、自民党も、内閣もいっしょにそこに
 同調したっていうことじやないですか?内閣が直接「やれ」っ
 て言ったわけじゃないでしょうけど、検察が「やりたい」って
 言ったとき、「あ、そう、どうぞ」って言った、そういう意味
 で同調したんでしょうね。   ──宮崎学・辻恵・青木理著
   『政権崩壊/民主党政権とはなんだったのか』/角川書店
―――――――――――――――――――――――――――――
 小沢氏は重要なことをいっています。あのとき、小沢氏の公設
第一秘書の大久保隆規氏を証拠もなしにいきなり逮捕したウラに
は、麻生官邸の容認があったといっているのです。これに関連し
て平野貞夫氏は、次のように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 自公政権の末期、政権交代を前に麻生首相が「小沢一郎は社会
 主義者である。こんな人物が支配する民主党に政権を委ねてい
 いのか」という発言をした。時の政権のトップからこんな強烈
 なメッセージが発せられたら、官僚としては「これはまずい」
 「なんとかトップの意を体して阻止しなくてはならない」と思
 い、小沢排除にあらゆる知恵をしぼり荷担しようとする。それ
 にもっともビビッドに反応したのが検察であったというのであ
 る。             ──平野貞夫著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
 実は、大久保秘書逮捕2日前の3月1日にこんなことがあった
のです。その日、千葉市で開かれた堂本暁子知事の推す候補の知
事選事務所開きがあり、平野貞夫氏と時の法務大臣・森英介氏が
同席したのです。そのとき、森法相は挨拶で次のように話したと
いいます。
―――――――――――――――――――――――――――――
 平成になって日本の政治をメチャクチャに崩したのは小沢一郎
 だ。小沢は悪人だが、もっと悪いのは、ここにいる平野だ。
              ────平野貞夫著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
 森法相は平野氏と親しいので、冗談めかしていったのでしょう
が、平野氏は何となく違和感があったというのです。それから2
日後に大久保秘書は逮捕されたのです。
 後日平野氏はある友人から、森法相との会食の席で、「あれは
俺が指示したのだよ」という話が出たことを聞かされるのです。
つまり、これは法相による指揮権発動が出たことを意味している
のであり、きわめて重大なことです。
 平野氏は、このことをスカパー専門チャンネル「朝日ニュース
ター」で話したことから、国策捜査という話が拡がり、森法相は
自身のホームページで釈明しています。しかし、メディアはこの
件を完全に抹殺したのです。これが国策捜査であることは、あの
漆間官房副長官の「自民党には波及しない」という発言でも明ら
かなことです。
 その張本人ともいうべき、麻生氏は副総理兼財務相として復帰
し、大きな顔をしています。このような事態を考えるとき、日本
はとてもじゃないが民主主義国ではなく、独裁国家のやり口と何
も変わらないのです。愚かなことに国民は、そういう自民党政権
を圧勝させたのです。    ── [自民党でいいのか/22]

≪画像および関連情報≫
 ●漆間官房副長官と検事総長/2009年3月10日
  ―――――――――――――――――――――――――――
  西松建設不正献金事件の捜査に関する内閣官房副長官発言の
  主が、元警察庁長官、漆間巌だと公表されたことで、事務次
  官会議を仕切る官僚トップにしては目立たなかった漆間の存
  在が一躍、脚光を浴びている。公表されなくとも、常識的に
  考えて、政治家の官房副長官である松本純、鴻池祥肇ではな
  く、元警察庁長官の漆間がオフレコ会見に気を許して余計な
  ことを言ったに違いないと、目星はつく。「自民党に捜査が
  及ぶことは絶対ない」と松本や鴻池が語っても、記者はいち
  いち記事にしないだろう。警察庁長官と検事総長の関係を考
  えれば、不正献金事件捜査に関するその発言の重大さは、よ
  くわかる。(一部略)組織のトップである警察庁長官と検事
  総長の関係はどうなのかというと、「国家公安委員会は検事
  総長と常に緊密な連絡を保つ」とされている。国家公安委員
  会の実務は警察庁が担っており、実質的には警察庁長官と検
  事総長は「緊密な連絡」を取り合うことになっているのであ
  る。そのころ噂されたのは、小沢一郎への対抗心をむき出し
  にしていた麻生首相が、小沢や民主党関係のネガティブな情
  報を捜査ルートから得るための秘密兵器として漆間を近くに
  置いたのではないかというものだった。そういう背景がある
  だけに、西松建設不正献金事件に関して漆間が「自民党に捜
  査が及ぶことはない」との趣旨の発言をしたという今回の報
  道は、種々の憶測や疑惑を呼んで当然だった。いまのところ
  漆間はそれについて「記憶がない」としているが、酒席で話
  したわけでもなく、20人ほどの記者との懇談会での数日前
  の発言を覚えていないというのは、誰が考えても不自然であ
  ろう。             http://amba.to/1bxCwui
  ―――――――――――――――――――――――――――

漆間元官房副長官.jpg
漆間元官房副長官
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 自民党でいいのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
法務大臣、検察、官房の指揮権発動による小沢の秘書逮捕は、真実だ。麻生首相が、小沢を社会主義者と批判した事も理解出来る。小沢は、社会主義者というよりも、中韓のスパイだ。毎月1回は、中韓いずれかにお忍びで訪問している。小沢が、社会主義者だろうが、別に問題は無いが、中韓のスパイとなると話は別だ。こういう国賊は、昭和初期であれば、政府ではなく、民間の国士が処分した。これにより、政官界のモラルは、高く維持されたのだ。平成晩期の今、同様の国士が現れる事を、国民は無意識のうちに渇望している。また、民主党政権時代の仙谷官房長官を見てもわかるように、中韓のためにマスコミまで操作した。自民党の比では無いほどの反国家的な東アジア共同体構想などを推進し、中韓の属国へと邁進した事を忘れてはならない。海保の国士が反旗をひるがえして、尖閣ビデオを公開した行為は正しいし、わたしのような活動家に対する公安警察による尾行と迫害も、ひどいものであった。自民党が復権して、わたしたちに対する民主党政権による国策捜査も無くなった。政治と言論は、闘争であり、あらゆる次元の闘いがあるのは、必然なのだ。
Posted by 国家主義者 at 2013年07月31日 11:51
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