2013年07月24日

●「自公に生殺与奪の権を与えた国民」(EJ第3595号)

 予想されたことですが、今回の参院選は自公の圧勝という結果
に終っています。こういう結果に導いたのは、他ならぬ日本国民
なのです。
 確定投票率が52.61 %であるということは、やはり若者が
ほとんど投票に行っていないのです。私が投票に行ったとき、若
者は一人もおらず、がらんとしていたのです。この投票率は19
95年の44.52 %、1992年の50.72 %に次ぐ、3番
目に低い投票率です。これでは民意は反映されないのです。
 今の日本では、選挙に行かなくても会話に困ることはないし、
マトモじゃないと思われる恐れもないので、平気で選挙を棄権す
る若者が多いのです。政治なんか話題にもならないのです。その
くせ、AKB総選挙には目の色を変える──情けない限りです。
 欧米先進国では、選挙が近くなると、若者の間では政治の話題
が多く出るので知っていないと会話に加われないし、政治に対し
てきちんとした意見を持っていないと恥をかきます。
 今回の選挙の結果、自民党の参院勢力は115人、これに公明
党の20人を加えると、135人になり、「安定多数」の129
人を超えています。ところで、この「安定多数」とは何を意味す
るか、ご存知でしょうか。
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 「安定多数」とは、全ての常任委員会で委員の半数を確保し
 かつ各委員会で委員長を独占するのに必要な議席数である。
―――――――――――――――――――――――――――――
 もし、与党の数字が162人(衆院320人)になると、「圧
倒的多数」となり、与党は何でもできてしまうのです。秘密会の
開催、国会議員の除名、憲法改正の発議などです。162人とい
えば、現在の与党にみんなの党(18人)と日本維新の会(9)
が加わると、162人になってしまうのです。現在の衆議院は与
党が325人で、「圧倒的多数」を軽く超えています。
 今回の選挙結果について、法大教授の五十嵐仁氏は次のように
述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 選挙結果を見て、暴走のためのブレーキが解除されただけでな
 く、強力なアクセルまでついてしまった印象です。恐ろしいの
 はこの列車がどこに行くのかハッキリしないことですよ。選挙
 戦では巧みに争点を隠して、衆参安定多数という白紙委任状を
 得てしまった。選挙後は隠していたものを表に出して、実行し
 てくるでしょう。改憲だけでなく、消費増税も原発再稼動もや
 る。TPPは米国の言いなりになり、社会保障は聖域なきカッ
 トになると思います。        ──五十嵐仁法大教授
       ──2013年7月22日付、「日刊ゲンダイ」
―――――――――――――――――――――――――――――
 今回の選挙での自民党の圧勝には、次の3つのことが原因とし
てあると思います。
―――――――――――――――――――――――――――――
  1.アベノミクスで円安・株価高の流れになったこと
  2.民主党の政治の失敗の影響が尾を引いていること
  3.元民主党系の野党にも強い批判が加えられている
―――――――――――――――――――――――――――――
 自民党勝利の最大の要因は、アベノミクスによって円安になり
株価が上昇したことに尽きます。もちろんアベノミクスの真の成
果はまだ見通せませんが、経済好転の空気を感じさせることには
成功しています。
 さらに、自民党が勝利したバックボーンには、民主党の稚拙な
政権運営に対する国民の怒りがあるのです。消費増税は自民党が
もともと主張していたことであるのに、むしろ民主党の方が積極
的だったので、マニフェストで約束したことをやらないで、約束
していないことをやるという怒りが爆発したのです。
 矛盾しているのは、そういう姿勢を批判し、離党してスジを通
した生活の党、みどりの風などの政党に対しても、国民の怒りが
向けられたことです。その結果として、生活の党、みどりの風は
議席がとれず「0」に終っています。
 これまでの国民の自民党評価は、民主党と比較しての相対評価
であったのです。これが衆院選と参院選で自民党に有利に働いた
といえます。しかし、これからは自民党に対する絶対評価に変わ
るので当然評価は厳しくなります。
 今回のテーマの中心に取り上げている小沢一郎氏率いる生活の
党は衆院選に続いて惨敗していますが、開票終了直前の開票セン
ターでのインタビューで小沢氏は次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 記者:岩手選挙区で生活の党の候補が敗れていますが、今のお
    気持をお聞かせください。
 小沢:岩手選挙区の結果につきましては、正直申しまして、大
    変驚いております。平野氏は昨年末までに民主党内閣の
    国務大臣を務めていました。しかし、総選挙で政権が崩
    壊し、自民党政権になったので、平野氏は民主党を離党
    し、自民党に加わろうとして断られ、無所属で今回の選
    挙を戦ったのです。このような政治家としての生き方を
    している人に岩手県でかくも大きな支持が集まるという
    ことは、私の政治信条からも人間としての生き様として
    考えても今もって信じられません。
 記者:小沢代表は、参院選後は野党が結集して3年後の衆参同
    一選で、政権交代を成し遂げるとおっしゃっていますが
    そのお気持に変わりはありませんか。
 小沢:変わりません。
―――――――――――――――――――――――――――――
 小沢氏の怒りは、多くの岩手県議が平野達男氏は自民党の二階
俊博議員の引きで参院選後に自民党入りをするという情報に踊ら
され、政権与党に繋がっていたいという保身から、落ち目の小沢
氏を見限り、平野陣営に参画したことへのものと思われます。実
に情けない限り。      ── [自民党でいいのか/17]

≪画像および関連情報≫
 ●「小沢王国」沈む・・・岩手・分裂選挙
  ―――――――――――――――――――――――――――
  岩手選挙区(改選数1)では、民主党から無所属に転じた前
  復興相の平野達男氏が自民新人の田中真一氏らを破り3選を
  果たした。小沢一郎・生活の党代表が権勢をふるったかつて
  の「小沢王国」は今回、平野氏、生活新人の関根敏伸氏、民
  主新人の吉田晴美氏の3陣営に分裂。関根氏は王国の威信を
  懸けて戦ったが分裂選挙で埋没した。小沢氏が自民を離党し
  た1993年以降、岩手選挙区で同氏の推す候補が敗れたこ
  とはなかった。関根氏は盛岡市内の事務所で「党の政策と理
  念を全力で訴えたが力不足だった。この結果を厳粛に受け止
  めたい」と落選の弁を述べた。「小沢氏の力が落ちたと思う
  か」との記者の質問に「そうは思いません」とだけ述べ、足
  早に事務所を後にした。一方、平野氏は盛岡市の事務所で支
  持者の拍手に包まれ「組織がないと言われたが、超党派の県
  議団と同級生によってどこにも負けない組織ができた。今回
  生まれた絆を大切にし、復興最優先で国政に取り組みたい」
  と語った。【金寿英、根本太一】  http://bit.ly/14u5YOa
  ―――――――――――――――――――――――――――

参院選を振り返って/小沢生活の党代表.jpg
参院選を振り返って/小沢生活の党代表
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 自民党でいいのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
○選管を憲法99条違反内乱罪容疑で刑事告発する○

ちるみぃさんところに書き込まれた室蘭の開票場ビデオ記録関連コメントを転載します。
http://blog.goo.ne.jp/kill_me_deadly/e/661392a9521b1e9600431363ea01c0f0


室蘭市・ムサシと癒着 (すーさん)
2013-07-23 18:23:49
http://smcb.jp/_ps01?post_id=5269150&oid=473027
(録画時間 約54分)
北海道室蘭市選挙管理委員会と株式会社ムサシの癒着。
選挙区の得票は自然数。比例代表の得票は小数点以下。
ムサシ機械票選別の工程をビデオ撮影させない、室蘭市選挙管理委員会。
ムサシ関連社員が選管の腕章を付けて、開票作業をする。
不正選挙が行われているのではないか?


室蘭署へ室蘭選管を公選法違反容疑で刑事告発してください (通りがけ)
2013-07-24 07:22:04
>ムサシ関連社員が選管の腕章を付けて、開票作業をする。

これは選管が公選法違反を犯した容疑があります。ムサシ関連社員は公務員ではないので機械内部以外の場所にある票に触ってはならない。選管の腕章をつけさせて開票手作業に従事させたら、選管腕章をつけさせたこと自体に選管の公選法違反公務員公務不実執行という刑事犯罪容疑があります。

>ムサシ機械票選別の工程をビデオ撮影させない、

これは機械の誤作動を確認しないまま票集計書類公文書を作成する、選管の無効公文書作成公務不実執行刑事過失犯罪の容疑を国政選挙公開の憲法規定に違反して選管が故意に隠蔽した憲法99条違反内乱罪の容疑があります。

ビデオを証拠に選管を上記の現行犯容疑で告発して記者会見してビデオを上映します。

そのビデオを見たすーさんが私人であればそれだけでよいです。

そのビデオを見た人の中に公人(公務員、裁判官検察官弁護士、国会議員、国務大臣および総理大臣)がいれば、公人には室蘭選管を告発する刑法義務があり、これを怠ると刑法によって処罰されます。

刑事訴訟法
(刑訴法239条1項)誰でも、犯罪があると思うときは、告発をすることができる。

(同条2項)公務員は職務上、犯罪を認知したときは告発義務を負う。
Posted by 東行系 at 2013年07月24日 08:42
国民多数の判断は、民主主義社会においては尊重しなければならない。低投票率であろうが、棄権するのも国民一人一人の自由であり、選挙結果に文句をいう事は、誰にも出来ない。低投票率は、若者が棄権したからではなく、熟年層の大多数の支持政党がなくなったからだ。戦後の敗戦利得者と東京裁判史観に洗脳されている熟年層の左翼的価値観に合致していた民主党が崩壊したからである。実際、平野のような熟年層が日本国家を、ここまで腐敗堕落させたのである。逆に、20〜40代の青年層には、大いに期待できる。ネットの正しい情報を収集し、正しい情報を発信しているのは、戦後の洗脳がとけた青年層なのだ。また、国家主義者は、責任は上へ、命令は下へ、という健全な組織の論理を持っている。だから、安倍内閣に生殺与奪の権を与えたと感ずるのは、左翼の平野らの政治感覚なのであって、国家主義者からすれば、責任が民主党政権のように有耶無耶にされない、素晴らしい政治史の幕が上がったと感じているのだ。野中、加藤、古賀、河村、小沢といった熟年層の左翼どもは、青年層の正義と真理によって裁かれ、有罪判決を下されるのだ。
Posted by 国家主義者 at 2013年07月24日 14:24
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