2013年07月17日

●「消費税がついて回っている政治家」(EJ第3590号)

 小沢一郎という政治家は、どういうわけか消費増税がついてま
わっているようです。消費税はこれまで4回にわたって創設ない
し、税率の引き上げが行われていますが、その3回に小沢氏がか
かわっているからです。
 1986年(昭和61年)7月のことです。時の中曽根首相は
1980年に次いで2度目の衆参同日選を行い、自民党は、衆院
選で追加公認を含めて304議席を獲得して圧勝したのです。こ
れが有名な「死んだふり解散」です。
 この内閣で竹下登氏は幹事長に就任し、小沢一郎氏は無役で幹
事長を補佐することになったのです。そのとき、中曽根首相は、
とんでもないことをやったのです。それは、いったんやらないと
約束した大型間接税を1987年の第108回通常国会に「売上
税法案」として提出したのです。
 少していねいに述べることにします。中曽根首相の売上税に関
する国会での答弁は、次の通りです。非常にトリッキーないい方
をしています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 縦横十字に投網をかけるような大型間接税はいたしません。
    ──1986年6月14日、中曽根首相国会答弁より
―――――――――――――――――――――――――――――
 この「縦横十字に投網をかけるような大型間接税」とは、まさ
に今の消費税です。日本の現在の消費税には軽減税率はなく、国
民が何かを購入すれば一律に税金がかかります。「縦横十字に投
網をかける」とはそのことをいっているのです。
 中曽根首相は間接税をやらないとはいっていないのです。「縦
横十字に投網をかけるような」大型間接税はやらないといっただ
けです。しかし、これは詭弁です。国民は「間接税はやらない」
と解釈したのです。
 当時中曽根首相の頭にあったのは「蔵出し税」であるといわれ
ます。ガソリン税は蔵出し税です。蔵出し税の語源は酒税です。
酒蔵から外へ持ち出した時点で課税されることから「蔵出し税」
と呼ばれています。どちらにせよ、国民が税金を負担することに
代わりはないのですが、蔵出し税は徴税元が少ないので、徴税コ
ストが安くて済むのです。
 しかし、国民と野党は猛反対し、国会は連日騒然となり、国会
運営に支障をきたすまでになったのです。結局、原健三郎衆院議
長の調停によって、売上税法案は事実上廃案になったのです。こ
の原衆院議長の調停案づくりに議運委員長の経験を生かして活躍
したのが小沢一郎氏なのです。小沢氏はこのように売上税(消費
税)導入騒動を1回経験しているのです。
 小沢氏は、ここで国民に売上税はやらないといったのに議席が
多く取れたら、手のひらを返して増税法案を通すことが、どれほ
ど国民を怒らせることになるかをイヤというほど体験しているの
です。そういう意味で国民を裏切り、菅・野田元首相をはじめと
する消費増税を成立させた民主党議員は、今後政治家を続ける限
り、選挙には苦しむことになるでしょう。ネット選挙が解禁され
たので、国会議員の過去の政治行動はクリックするだけで今より
も簡単に調べられるようになるからです。
 1987年11月に中曽根首相が退陣し、竹下内閣が発足しま
す。このとき、小沢氏は官房副長官として、消費税の導入に取り
組むことになります。小沢氏にとって消費税には2回目のかかわ
りになります。
 しかし、内閣ができる4ヵ月前のことですが、竹下登氏は、田
中派を分裂させ、経世会を結成しており、小沢氏もそれに参加し
ています。これは大変評判が悪く、経世会はバッシングを浴びた
のです。それに加えて、リクルート事件が表面化し、自民党だけ
でなく、野党まで巻き込むかたちで、国民に政治不信を植え付け
る結果になったのです。そのため、竹下内閣は小沢氏の努力で、
消費税創設(3%)だけを成果として幕を閉じています。しかし
この消費税の基本的性格は、皮肉なことに、「縦横十字に投網を
かけるような大型間接税」になっていたのです。
 小沢氏は消費税導入には反対していないのです。反小沢の中心
人物である菅元首相は、小沢氏が『日本改造計画』で消費税導入
に賛成しているのに消費増税に反対するのは首尾一貫しないとご
く最近も発言していますが、菅元首相は『日本改造計画』を読ん
でいるとは思えないのです。『日本改造計画』で小沢氏は、消費
税を導入するが、直接税である所得税と法人税を半分程度にする
述べているからです。後の部分をカットして、「小沢は消費増税
派」と決めつけているのです。これも詭弁です。
 次の消費増税(3%を5%に引き上げ)は、橋本内閣時の19
97年ですが、そのとき小沢氏は自民党を飛び出して、新進党に
参画しているので、かかわっていないのです。折しもこの頃は新
党の設立・解党が相次いでいます。1996年には民主党が結成
され、1997年12月に新進党が解党され、1998年1月に
は自由党が結成され、小沢氏が代表に就任しています。
 次に小沢氏が消費増税にかかわることになるのは、政権交代を
成し遂げた2010年からです。この年の参院選で、菅政権は党
内議論のないまま、消費増税を掲げて参院選を行い、惨敗し、参
院での「ねじれ」を生んでいます。
 これは、まさに中曽根内閣時の「売上税」と同じ展開であり、
民主党内の小沢グループとしては猛然と反対します。それがどの
ような結果を招くのか、小沢氏にはよくわかっていたからです。
その後、党内の流れを変えるために小沢氏は、参院選後の代表選
にも出馬しますが、陸山会事件による秘書逮捕や、検察審査会で
の強制起訴などの重圧によって思うように政治活動ができず、代
表選に破れています。
 消費増税の責任を一身にかぶっているのは民主党ですが、それ
に協力した自民党と公明党には追い風が吹いています。国民の対
応も一貫していません。大きな流れができると、すぐそれに乗っ
てしまうところがあります。まさに国民が政治的に「自立」して
いないのです。       ── [自民党でいいのか/12]

≪画像および関連情報≫
 ●中川秀直事務所「志士の目」/2011年1月
  ―――――――――――――――――――――――――――
  増税オールスターズ進駐後の菅民主党政権はどうなってしま
  うのか?民主党の若いみなさまには、記憶に薄いかもしれま
  せんので、1986年衆参同日選挙後の売上税騒動はなぜ起
  きたのかをみてみましょう。中曽根首相は86年6月の衆参
  同日選挙で大勝したが、中曽根首相はこの選挙で「国民が反
  対し、党員も反対するような大型間接税は導入しない」と公
  約していた(86年6月14日)。さらに国会審議の中で、
  「縦横十字に投網をかけるような大型間接税はしない」と中
  曽根首相は答弁しており、政府税調に対して「国会で言った
  ことは守ってほしい」と大型間接税を行わない旨を確認して
  複数の選択肢をもってくるよう注文しています。しかし、中
  曽根首相にもってきた4つの選択肢は「ヨーロッパタイプの
  付加価値税がよろしい」というものでした。1979年、大
  平首相はこれを鵜呑みにして選挙で敗れました。そのことに
  教訓を得ている中曽根首相は出てきた案をみて、「私は、君
  らには殺されないよ」と「日本的な消費税」を作れと命じま
  した。この「日本的な消費税」も、同日選挙のときの公約に
  違反するとの強い批判を受けることになります。この批判を
  かわすために、大型間接税の課税範囲を限定すれば必ずしも
  大型ではないとしましたが、配慮したつもりの自民党の伝統
  的支持者である中小事業者、零細小売業者の反発は、課税範
  囲の対象外にしても弱まらず、税制の「公平」の原則を重視
  する自民党の新たな支持者であるサラリーマン層らの離反を
  招きました。なぜ、このようなことがおきたのか?
  http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10768010052.html
  ―――――――――――――――――――――――――――

売上税騒動時の中曽根元首相.jpg
売上税騒動時の中曽根元首相
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 自民党でいいのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここのブログは、小沢の悪と論理矛盾を肯定しているが、自覚していますか? 例えば、菅元首相による小沢の消費税推進のスタンスから、消費税反対のスタンスへの変節批判は、正論だ。小沢が、不公平な間接税の消費税を推進しておきながら、公正な直接税の所得税と法人税を減額したのは、まさに、富裕な自己の減税を推進して、困窮する大衆に増税する悪と功利の姿である。この悪と変節だらけの小沢を批判した菅元首相の糾弾は正しい。また、小沢の言う共生とは、小沢に従う者たちの共生と友愛であって、国家全体のためにある理念ではない。小沢の悪と論理矛盾に、いい加減に気づいて欲しいものだ。国民大衆は、小沢の詭弁と変節と悪と論理矛盾に既に気づいており、気づいていないのは、W平野だけだろう。
Posted by 国家主義者 at 2013年07月17日 10:08
「親おもう心にまさる親ごころ」
文殊菩薩「ケネディ暗殺動画流出、真後ろから撃っただけである、内部犯行である、・・・」
http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-5628.html#more
へのコメントをまとめて示す。

JFKが尊敬した政治家は上杉鷹山。
つまり日本武士道こそが地球の指導者が必ず具えなければならない資質で在り躾である。


≪上杉鷹山(民の父母)≫
上杉鷹山について知りたければ田浦チサ子氏の著書を読むべし。

「こころのふるさと
   高鍋・木城・串間紀行---宮崎県」

2008年2月17日発行
   発行者  田浦 和孟
   福岡県北九州市戸畑区土取町5−12
   TEL 093−881−5303
印刷製本 瞬報社写真印刷株式会社
定価 本体2,200円+税

日本人でありたくば今すぐテレビを捨てて書物を多く読め。良書を多く読むことで日本人に必要な教養が身につく。
日本人を日本人たらしむるものは正しい躾と高い教養である。

小泉や安倍や福田や麻生や鳩山や菅や野田の小学生にも劣る教養の無さは、彼らが躾けと教養に満ちたほんとうの日本人ではないことを明らかに示している。学歴だけでなく躾を詐称しているのだ。学歴詐称は明白な公選法違反であるねw

躾の詐称は橋下徹、前原誠司、石原慎太郎についても全く同様である。以下同種の政治家官僚奇形司法マスゴミは枚挙にいとまが無いというか全員似非日本人躾けであるので略。


≪伝国之辞≫
上杉鷹山公35歳で隠居し養父上杉重定の実子治広に家督を譲った折「人君の心得三箇条」を伝授した。これを世に「伝国之辞」と称す。

一、国家は先祖より子孫へ伝候国家にして、我私すべき物は無之候。

一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物には無之候。

一、国家人民のために立たる君にて、君のために立たる国家人民には無之候

   右三条御遺念有間敷候事
    天明五巳年二月七日        治憲(花押)
     治広殿 机前


≪上杉鷹山17歳春日明神に血判誓文を献ず≫

一、文武の修練は定めにしたがい怠りなく励むこと

二、民の父母となるを第一のつとめとすること

三、次の言葉を日夜忘れぬこと
    贅沢なければ危険なし
    施して浪費するなかれ

四、言行の不一致、賞罰の不正、不実と無礼を犯さぬようつとめること

 これを今後堅く守ることを約束する。もし怠るときは、ただちに神罰を下し、家運を永代にわたり消失されんことを。

 受け継ぎて国の司(つかさ)の身となれば
    忘るまじき民の父母(ちちはは) 


≪上杉鷹山公の言葉(田浦チサ子氏の著書より転記)≫

19歳初めて滅亡寸前の米沢藩の荒廃を訪れた晩秋
「我が民の悲惨を見るにつけ、絶望に襲われていた。そのとき、手を暖めている炭火が今にも消えそうになった。しかし、大事に辛抱強く息を吹きかけていると、よみがえらすことが出来た。同じように、わが治める土地と民を、よみがえらせることが出来る希望を抱くことができた。不可能ではないと思われる」

16年間藩政の立て直しに尽くしていたときの郡奉行役人への下知
「教師である役人は、常に地蔵の慈悲と不動の正義を忘れてはならない」
「赤ん坊は、自分の知識を持ち合わせていない。しかるに、親はこの要求を察知して世話をする。それは、真心があるからである。真心は慈愛を生む。役人は、民に対して父母のようにあらねばならない。教える者は考えを確実にしておかねばならない。そうでなければ、相手を混乱させるもとになる」

23歳の「七家騒動」保守不満派処断に先立って
「新体制に反対かどうか。自分の政治は、天意にかなっていないか」「他に優れた人物がいれば、藩主を代わってもよい」

年齢不詳時(すなわち常日頃)
「自己を修める者にして、初めて学を修める正念が出る。家を整える者にして、初めて国を統治できる」

隠居後(50歳頃か)孫娘(治広の娘)参姫に送った手紙要旨(田浦チサ子氏要約)
「人は三つの恩義を受けて育つ。親と師と君である。それぞれの恩義は極まりないが、とりわけ他にまさるは親の恩である。
 よく整った家は、妻の夫に対する関係が、きちんとしなくては成り立たない。
 倹約の習慣を忘れてはならない。
 女の仕事に励み、同時に和歌や歌書に接して、心を磨くがよい。文化や教養は、それだけを目標にしてはならない。すべての学問の目的は、徳を修めることに通じている。そのため、善を勧め悪を避けるように教えてくれる学問を撰ぶ方がよい。
 汝の夫は、父として民を導き、汝は母として民を慈しむがよい」

七十歳を前に藩主からお祝いの仕切料(生活費)増額申し出を謝辞して
「孔子は、七十にして心の欲する所に従いて則を蝓えずといわれた。しかし、わたしのような凡人はとてもそうはいかない。仕切料の増額を受ければ心が緩み、わがままが出るのが凡人の常です。仕切料が足りないぐらいで欲望も起こらず、よい戒めになっているのです」

 老いぬれば心のままを戒むと
    古き教えをわれ守らなん
Posted by 東行系 at 2013年07月17日 13:15
>■自民・石破幹事長「9条改憲し軍法会議設置する。もし戦争で従軍・徴兵拒否した場合、死刑か無期300年」

「公僕公務員の憲法違反発言は内乱罪である。石破を逮捕投獄死刑にせよ。」

日本国憲法前文「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」

日本国憲法第10章 最高法規---

第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

以上の如く、石破は主権者国民の繁栄と福祉のためにお仕えする下僕の独りとして日本国憲法によって選出された衆議院議員であり、国務大臣である。自分を国会議員にしてくれた日本国憲法を一言一句たりとも改変できない公僕公務員の分際であるのに憲法96条や憲法9条をかいへんするだの最高法規97条を改変するだの発言すること自体最高法規第99条に違反している、国民主権立憲法治国家国体に対する反逆者内乱罪テロリストである。内乱罪は死刑である。いま不逮捕特権は誰も使えないしなw安倍も同罪だが無知なるが故に死刑はちとかわいそうだから禁固300年くらいにまけてやろうw嫌なら今すぐに亡命せよw韓国がちょうどこいつらを待っているさw
Posted by 東行系 at 2013年07月17日 17:32
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