2013年06月13日

●「総勢13万人の中国サイバー部隊」(EJ第3567号)

 6月10日発売の週刊『エコノミスト』6/18は、次のタイ
トルで、中国・韓国問題を特集しています。
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              「中国・韓国の悲鳴」
   週刊 『エコノミスト』6/18/毎日新聞社
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 この特集のなかの中国編では、次の5つのテーマを取り上げて
います。
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         1. 「ニセ輸出」疑惑
         2.「影の金融」の拡大
         3.「腐敗撲滅」の余波
         4.  過剰な生産能力
         5. 格差問題のマグマ
            ──『エコノミスト』6/18より
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 EJでは、ここまで65回にわたって中国についていろいろと
書いてきましたが、濃淡の差はあれ、5つのテーマにはすべて触
れてきています。
 このシリーズは来週に終了する予定ですが、それまでは、この
5つ以外のテーマについて書きます。
 先の米中首脳会談でオバマ大統領は、「尖閣諸島の主権に関し
て米国は特定の立場はとらない」という「一枚目の舌」(昨日の
EJ参照)を主張したものの、事前に相当強いジャブを中国に仕
掛けていたのです。それは首脳会談の前に米政府関係者による次
の発言です。この発言は、中国が尖閣諸島周辺の領海が自国領で
あることを示した文書を国連に提出したことに関してです。
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 中国が尖閣諸島に上陸し、測量をした実績がないにもかかわら
 ず、こうした主張をするのは未成熟国家であることを自ら露呈
 している。               ──米政府関係者
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 中国としては痛いところを衝かれたのです。これには中国は相
当反発したようです。そのため、中国が本気で測量のために尖閣
諸島に強行上陸しかねないとして、日米でその対応を協議するこ
とになっているといわれます。公船の数は圧倒的に中国の方が多
く、日本が対応しきれなくなる恐れがあるからです。
 この情報が事実であれば、オバマ政権もそれなりにがんばって
いるということはいえます。それにしても、最近しきりに中国が
いっている次の発言は、そっくり中国にお返ししたいものです。
挑発しているのは日本ではなく、中国ではないですか。しかし、
この声明は日本に対するものではなく、他国へのPRなのです。
事情をよく知らない他国から見ると、「話し合い」に応じない日
本の方がわるいと思うからです。
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 中国は国家の主権は断固として守る。日本に挑発行為をやめて
 話し合いで解決するよう求める。       ──中国政府
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 今回の米中首脳会談の最大の目的は、中国による「サイバーテ
ロ」に関する警告です。これは、米コンピュータ・セキュリティ
会社マンディアント社のレポートに基づく警告です。
 実はこのマンディアント社は凄い会社なのです。同社は、20
04年、米空軍でサイバー犯罪捜査官を務めたケビン・マンディ
ア氏(42)が設立し、コンピューターへの不正アクセスを調べ
る自動システムの開発で知名度を上げたのです。
 しかし同社の名前は、中国人民解放軍のサイバー攻撃関与を指
摘するまで、業界以外ではほとんど知られていなかったのです。
マンディアント社は、2013年2月18日、中国のハッカー組
織「APT1」は、人民解放軍の「61398部隊」が主導して
いる可能性が高いとする報告書を発表したのです。
 中国国防省は直ちに報告書が「専門性に欠けている」としてそ
の内容を否定しましたが、報告書は過去にないほど詳細にわたっ
ていたことから、マンディアント社は大きな称賛を得ることにな
ったのです。これに対して中国は「中国も被害者である」ととぼ
け、首脳会談でも同じ主張を繰り返したのです。
 この人民解放軍「61398部隊」とは、どういう組織なので
しょうか。
 マンディアント社はその場所まで特定しています。この部隊は
上海の市街地から車で30分ほどのところにある12階建てのビ
ルを活動拠点にしていると特定しています。
 これには、中国は大ショックを受けたといわれています。当然
米国のメディアがその地区に殺到したのですが、カメラを向ける
だけで、警備員が追いかけてくるほど、ビリビリしています。
このビデオは報道でも流されています。おそらく今頃部隊は撤収
し、ビルはもぬけの殻になっているはずです。
 政府の情報セキュリティ政策会議の有識者構成員である慶応義
塾大学土屋大洋教授によると、この「61398部隊」は数千人
規模の部隊であり、世界中の約1000台のコンピュータを使っ
て活動していたのです。この部隊の上部組織は「ネット軍」と呼
ばれる参謀部第三部であり、その総勢は13万人といわれている
のです。驚くベき数です。
 外国人がかかわる外交・軍事国際通信の監視を行い、中国のイ
ンテリジェンス機構で最大の規模を誇っています。その四局は、
日本を担当しているのです。その能力は米国を凌ぐとまでいわれ
ています。そして、その総指揮をとっているのが他ならぬ習近平
国家主席なのです。
 米国は歳出強制削減法などで、軍事費を削っているときではな
いのです。そういう意味で中国は恐るべき帝国なのです。しかし
中国の経済には黄色ランプが点滅しています。その経済の立て直
しは容易なことではなく、本当に破綻すると、中国が最も恐れる
人民が反乱する可能性は高いのです。 ── [新中国論/65]

≪画像および関連情報≫
 ●ハッカー集団の背後には中国軍がいる/マンディアント社
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  2013年2月19日(ブルームバーグ)世界中で2006
  年以後少なくとも141社をハッカー攻撃した集団の背後に
  は中国軍がいた可能性がある。米セキュリティー会社マンデ
  ィアントが19日、こうしたリポートを発表した。リポート
  によれば、主に米企業を標的とするハッカー攻撃は「政府が
  支援している可能性の高い」集団によって実行され、中国人
  民解放軍と同じような「使命、能力、リソース」を備えてい
  る。同社はこの集団を追跡し、上海にある4つの大型コンピ
  ューターネットワークにつながっていることを突き止めたと
  主張。そのうち2つのネットワークは上海の浦東新区向けで
  この地区には61398部隊と呼ばれる軍の秘密部隊がある
  という。バージニア州アレクサンドリアに本社を置くマンデ
  ィアントは「こうした脅威が中国から発せられていることを
  認識すべきときだ」と指摘。「われわれの調査と観察は、中
  国共産党が人民解放軍に世界中の機関に対してサイバー上で
  組織的なスパイ活動を行いデータを盗み出す任務を課してい
  ることを示唆している」と説明している。
  http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIGP7U6TTDS601.html
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「61396部隊」上海の拠点ビル.jpg
「61396部隊」上海の拠点ビル
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 新中国論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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