国が当時開発していた中・短距離の弾道ミサイルやロケットを野
放しにして、中国が軍事力の近代化を図るのをここまで許してき
たのです。
それどころか、クリントン政権は平和利用という名目の下で、
核開発を許し、中国がどうしてもできなかった弾道ミサイルの弾
頭部分を地球を回る軌道に乗せる技術を売り渡してしまったので
す。この政権は、北朝鮮に対しても再三にわたって騙され、同国
の核開発がここまで進むのを放置しています。
オバマ政権になると、その傾向が一段とひどくなっています。
単なる親中国ではなく、中国傾斜、中国依存の姿勢です。事実上
中国に金融面で助けてもらっているので、中国が何をしようと何
もいえないのです。したがって、中国が南シナ海でやっているこ
とを無視し、尖閣諸島への再三にわたる領海侵犯にも、同盟国た
る日本に曖昧な態度を取り続けています。
何よりも不思議なのは、あれほど中国の経済統計がいい加減で
あるといわれているにもかかわらず、その出してくる統計データ
を米国のIMFをはじめとする経済諸機関が鵜呑みにしているこ
とです。この点について、日高義樹氏は、それは中国の政治プロ
パガンダであるとして、次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
通貨について正しい情報が中国から出てこないのは、中国の外
貨の中央管理制度のせいであるが、その結果、中国のあらゆる
政治プロパガンダが野放しで世界中に横行している。中国は通
貨についての情報をブラックボックスの中で操作する一方では
経済力に対する恣意的宣言を続けている。その結果、アメリカ
政府機関ですら中国が世界最大のGDPを持つようになると発
表するようになっている。中国が膨大な資金を投じて世界中に
流している誇大宣伝は、世界に大きな影響を与えている。世界
中の人々が、アメリカの時代が終わり、中国の時代がやってく
ると思い込んでしまうほどである。もともと中国のマスコミは
全て政府の宣伝機関である。尖閣列島問題、中古の空母の配備
新しい潜水艦の性能や数などについて、中国政府は公式に発表
していない。宣伝機関である中国マスコミの発表だけが独走し
ている。 ──日高義樹著
「アメリカの新・中国戦略を知らない日本人」より/PHP
―――――――――――――――――――――――――――――
中国は社会主義国家ですから、政治的宣伝がきわめて巧妙なの
です。米国には大勢の中国ロビイストがいて、それに影響される
米メディアは多いのです。「ニューヨーク・タイムズ」などはそ
の典型であるといえます。
ロビイスト(Lobbyist)とは、特定の政府の政策に影響を及ぼ
すことを目的として、ある特定の主張をもってロビー活動を行う
私的人物、あるいは集団のことです。
こういう中国ロビイストは世界中にいます。先般中国は「沖縄
はもともと中国領である」という論文を発表しましたが、沖縄に
も中国のロビイストは大勢いて、住民に紛れて反政府活動に力を
貸しています。それが一定の成果を上げてきたから、そういうプ
ロパガンダを行ったのです。
自民党の沖縄県連は「普天間基地の県外移設」を掲げて参院選
を戦うことを決定しています。自民党本部とは正反対であり、ね
じれです。そういう矛盾を積み上げて、非現実的ではあるものの
沖縄で独立運動を起こさせ、中国はそれをバックアップするとい
うつもりなのでしょう。
中国にとって一番の気がかりは沖縄の米軍基地です。この米軍
基地に反対する住民をサポートして、米軍基地を県外に移設させ
る運動を後押ししようとしているのではないか。沖縄問題を考え
るとき、内部から崩そうとするそういう中国の動きもあることも
念頭に置くべきであると考えます。
6月3日の日本経済新聞は、中国に関して次の記事を大きく報
道しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
中国統計、強まる不信/実態とかい離の声
──2013年6月3日付、日本経済新聞
―――――――――――――――――――――――――――――
指摘されているのは、深センの輸出額です。いずれも前年同月
比で、1月は82.6 %増と突出しています。2月と3月も70
%台の伸びを示し、4月は30.9 %と半分以下になったものの
全国の伸び率平均14.7 %を大きく上回っています。
しかし、海運業界関係者の話によると、欧米向けのコンテナ船
が出入りする深センの塩田港の荷動きは今年に入ってから横ばい
であり、83%増、70%増という伸びとは明らかに矛盾してい
るのです。おそらく意図的に輸出額の水増しが行われているもの
と推測されるのです。税関当局や金融機関の協力者がいるともい
われています。
なぜ、このようなことが行われるのでしょうか。
それは、景気回復が遅れるなかで、成長率を上げたい地方政府
の思惑があり、深センだけでなく、他の地方政府全般に見られる
現象であるといえます。
それに加えて、貿易決済を装っての外貨流入も考えられます。
中国では、実需を伴わない外貨取引には制限がありますが、貿易
決済なら、輸出入の手続き書類さえあれば、中国本土の銀行口座
に外貨を簡単に振り込めるのです。
現在人民元は先高観が強いのです。そのため国内銀行口座に振
り込まれた外貨を人民元に換金すると、利ざやを稼ぐことができ
ます。つまり、金儲けとしても行われているわけです。
こういう不正なかたちでの外貨流入は実体経済に間違いなく悪
影響を与えています。さすがに中国政府もその対策に乗り出して
います。国家外貨管理局は、貿易決済を装った資金取引の監視を
強化し、深センでは前年に比べて輸出額や外貨から人民元への換
金量が多い業者を摘発しています。 ── [新中国論/59]
≪画像および関連情報≫
●米在住中韓ロビイストが安倍政権転覆工作!?
―――――――――――――――――――――――――――
中国と韓国が在米ロビイストなどを駆使して、安倍晋三政権
の転覆工作に着手したという衝撃情報が飛び込んできた。歴
史問題などを理由にしているが、実際は、アベノミクスで自
国経済が打撃を受けて、追い込まれたことが背景にあるよう
だ。「日本たたき」「安倍政権潰し」の卑劣な動きに、何と
日本国内の反日勢力も協力しているという。日本が致命的に
弱い情報戦と広報戦(=世論工作)。ジャーナリストの加賀
孝英氏が、知られざる実態に迫った。「あの気難しいロシア
のプーチン大統領に、『実は日本が大好きだ。日本に行きた
い』といわせ、トルコでは原発輸出を大きく前進させた。外
遊の狙いは『資源外交』と『対中包囲網の形成』だったが、
大成功だ」。安倍首相のロシア・中東歴訪を受け、官邸関係
者はこう語った。GW明けから、永田町は参院選モードに突
入した。景気指標や世論調査の好調を背景に、政府与党の一
部には「楽観ムード」も漂っているが、実は今、米国内で大
変なことが起こっている。以下、米政府や韓国政府の関係者
から、私(=加賀)が得た情報だ。「訪米中の韓国の朴槿恵
大統領とオバマ米大統領は7日(日本時間8日未明)、初め
ての首脳会談を行った。朝鮮半島危機を念頭に米韓協力体制
の進展が話し合われたが、韓国側が水面下で迫っているのは
従来の米韓日体制から米中韓体制への見直し。つまり『中国
重視』と『日本外し』だ」。「韓国系ロビイストを大量動員
して米政府に工作している。
http://bororon.doorblog.jp/archives/26682357.html
―――――――――――――――――――――――――――
日高 義樹氏の本