きない状況にあります。当の韓国は歴史認識の面で中国と連携し
ようとしています。そして、米中韓で組んで「日本外し」すら企
んでいるのです。
オバマ政権、とくに2期目のオバマ政権は、日本にとってあま
り頼りになる存在ではなくなっているように見えます。ハドソン
研究所主席研究員、日高義樹氏はオバマ政権の本質について次の
ように述べています。
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オバマ政権は、基本的には親中国政権である。反日とまではい
かないものの、中国共産党の革命的でリベラルな政策や姿勢を
支持してきた。オバマ大統領の支持グループである『ニューヨ
ーク・タイムズ』などのジャーナリストたち、学者たちは、ビ
ジネス一筋の日本をあまり快くは思っていない。しかも歴史的
に日本が侵略国家であったという認識を持っているため、侵略
された中国や朝鮮に同情的である。 ──日高義樹著
「アメリカの新・中国戦略を知らない日本人」/PHP
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安倍首相の「侵略の定義は国際的にまだ定まっていない」とい
う発言や、橋下徹日本維新の会共同代表の慰安婦発言で、米国務
省が一貫してお仲間の「ニューヨーク・タイムズ」紙を巻き込ん
で韓国を支持し、日本を非難しているのは、現在のオバマ政権が
中韓寄りの政権であることを示しています。
今年2月の訪米で安倍首相は、「日米同盟の信頼と絆が戻って
きた」と胸を張りましたが、実際は逆であったといえます。野田
前首相のときよりも、朴槿恵韓国大統領のときよりも安倍首相の
扱いは冷たいものだったのです。首相に同行した外務省関係者は
次のように述べています。
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首脳会談でオバマ大統領に笑顔が出たのは安倍総理の祖父・岸
信介元首相とオバマ大統領が尊敬するアイゼンハワー大統領と
のゴルフ談義のときだけ。総理は大統領に来日を要請したが、
それにも色よい返事はなかった。さすがの総理も会談後、同行
筋に『こちらは遠くから来たっていうのに、笑顔もなかった。
冷たいなァ』と気落ちした様子で愚痴をいったそうです。
──「週刊ポスト」5/31より
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しかし、そうだからといって、悲観することはないのです。そ
れは2012年の大統領選におけるオバマ大統領の勝ち方を見れ
ば明らかです。
2012年の大統領選で結果を左右すると見られた州は、コロ
ラド、フロリダ、アイオワ、ネバダ、ニューハンプシャー、ノー
スカロライナ、オハイオ、バージニア、ウィスコンシンの9州で
す。これらの州はその年によって民主と共和両党の得票が入れ替
わる州であり、「スイングステーツ」といわれているのです。
オバマ大統領は、ノースカロライナ州を除く8つの州で勝つに
は勝ったのですが、多くの州で50%をやっと超える票しか取れ
なかったのです。その結果、オバマ大統領は、2008年に比べ
て500万票も得票数を減らしているのです。大雑把にいうと、
米国民の50%、投票率を勘案すると、わずか25%の国民に支
持されるだけの大統領になってしまったのです。
米国の大統領は2期目は自分のやりたい政策を遠慮なくやるも
のです。多くの米国民が心配していたのは、もし、オバマ大統領
が勝つと、社会主義的な経済政策や財政政策を推し進めるのでは
ないかと心配していたのです。2期目のオバマ大統領について、
全米商工会議所のトム・ドナヒュー会長はかなり強い調子で、次
のように述べているのです。
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オバマが50%政権であることは、我々が議会の数でオバマ大
統領を押し潰せることを意味している。50%の政権に勝手な
ことをさせるわけにはいかない。オバマ大統領は、結局何もで
きない。 ──日高義樹著の前掲書より
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尖閣諸島の買い取りに関して支持を求める、米「ウォールスト
リート・ジャーナル」紙への東京都の意見広告は、日本国内では
いろいろ批判があったのですが、米国の海軍筋には、強いインパ
クトを与えたといわれています。
日高義樹氏は「オバマ大統領は石原前知事に破れた」と題して
自著で次のように述べています。
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石原前都知事がアメリカの新聞に「尖閣列島を守ろう」という
大きな広告を出した時、彼はこう述べた。「尖閣列島が中国に
占領されれば、船舶の自由航行が阻害される」。この広告を読
んだアメリカ海軍の首脳が私に電話をかけてきてこう言った。
「石原知事の行動は、戦略的に見て素晴らしいものだ。新聞広
告も強い説得力があった」。アメリカ海軍の首脳は総じて言え
ば石原前都知事に同情的である。表立っては言わないものの、
心の中で拍手している。アメリカ海軍の首脳たちは、中国が国
際ルールを無視して南シナ海や東シナ海で帝国主義的な行動を
強めていることを苦々しく思い、何らかの形でチェックする必
要があると考えてきたのである。──日高義樹著の前掲書より
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尖閣諸島周辺海域は、日本だけでなく米国にとっても重要な海
域なのです。石原氏はそのことを意見広告で米国人に訴えたので
すが、かなり高い関心を持って見てくれたようです。
日本人は尖閣諸島でもし不測の事態が起きたとき、本当に米国
は助けてくれるのか心配していますが、日高義樹氏によると、も
しそういう事態が起きれば、オバマ政権の姿勢のいかんにかかわ
らず、米防衛省には尖閣諸島を守る緊急計画が既に用意されてお
り、発動できるようになっているのです。尖閣をめぐる海戦では
日本と中国では相当の戦力差があります。─ [新中国論/54]
≪画像および関連情報≫
●やはり安倍はオバマに嫌われている
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やっぱり安倍首相は、オバマ大統領に嫌われているのか。7
日に行われた「米韓首脳会談」を見た政界関係者が衝撃を受
けている。安倍首相が2月に訪米した時と比べて、明らかに
朴槿恵大統領を厚遇したからだ。外交官だった天木直人氏が
言う。「オバマ大統領が朴大統領を厚遇したのは間違いあり
ません。昼食を挟んでたっぷりと2時間以上も会談し、会談
と昼食の合間には通訳を抜いて2人だけでホワイトハウスの
庭園を散策している。しかも、朴大統領に上下両院でスピー
チまでさせています。アメリカ議会での演説は、日本の首相
は誰も実現していない、非常に名誉なことです」。オバマ大
統領が朴大統領を特別扱いしたのは、個人の好き嫌いよりも
もちろん外交上の狙いがあってのことだろう。しかし、安倍
首相への対応とあまりにも差がある。「オバマ大統領の安倍
首相に対する対応は、ビジネスライクそのものでした。そも
そも、安倍さんは1月に訪米したかったのに2月に先送りさ
れ、昭恵夫人を同行したかったのに、ミシェル夫人の都合が
悪いと断られた。共同記者会見も開かれなかった。驚いたの
は、記者懇談のあと、安倍さんと握手もせずに退席しようと
したことです。日本人記者から「握手を!」とせっつかれて
慌てて握手していた。さすがに安倍さんもガッカリしたよう
です」(政界関係者)
http://ninjyaoh.blog.fc2.com/blog-entry-3733.html
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日高 義樹氏