刻です。なぜなら、海外に移籍する高官のなかには、汚職や犯罪
などに手を染めている人たちだけでなく、そういうことをしてい
ない高官も多くいるからです。
なお、ここで「高官」とは、中央政府や地方政府で要職に就い
ている共産党の幹部のことです。ここで重要なのは、中国経済の
先行きに不安があるというよりも、中国という国そのものの近未
来が心配だから逃げるという点にあります。
中国人の心配は、近いうちにフランス革命に匹敵するような大
革命が起こって中国共産党が倒されることです。なぜ、フランス
革命なのかというと、原因は次の本にあります。
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アレクシ・ド・トクヴェル著/小山勉訳
『旧体制と大革命』/筑摩書房刊
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なぜ、この本が中国でよく読まれているのかというと、中央規
律委員会の王岐山副首相が、中央委員全員にトクヴェルの本を読
めと推奨したからです。この事実は、「人民日報」の海外版に記
事として掲載されてわかったのです。この事情について、石平氏
は次のように述べています。
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そう。『旧制度と大革命』という本です。フランス革命前夜、
フランスの社会状況はどうなっているかをいろいろ書いている
んです。実は「人民日報」の海外版が、この本に対する論評を
出しています。この論評は何を書いているかというと、どうし
てこの本は王岐山同志が推薦して、しかも中国で大きな反響を
呼んだかというと、わが国のいま置かれている社会的現状が、
フランス革命の前の、フランスの状況とそっくりそのままじゃ
ないかという話(笑)。中国人は、場合によっては、フランス
革命のような大革命が起きるんじゃないかと思っている部分が
あるんです。とくに特権階級にはその意識というか、恐怖感が
強い。 ──石平/宮崎正弘著
「2013年後期の『中国』を予測する」/ワック刊
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アレクシ・ド・トクヴェルは、フランスの政治思想家で、裁判
官、後に国会議員から内閣外務大臣まで務め、3つの国権──司
法・行政・立法の全てに携わった政治家です。
民衆が貧乏で苦しんでいるのに、特権階級だけが贅沢してうま
い汁を吸い、民衆の苦しみを無視する。そういう民衆の苦しみが
限界に達したとき、民衆の不満が爆発して革命が起きる──フラ
ンス革命はこういう経緯で起きているのです。トクヴェルはその
ことを本で克明に書いています。
現在の中国では、共産党員は特権階級です。まして中央委員や
地方政府の幹部は、当時のフランスでいうと貴族と同じで、状況
がよく似ています。もし、革命が起きると、そういう特権階級は
家族ともども皆殺しにされると考えているわけです。そうならな
いように、万一の場合を考えて、海外に逃げる準備をしていると
いうわけです。これが移民ブームにつながっているのです。
中国の高級幹部がトクヴェルの本を読んで、今の中国はフラン
ス革命の起きる前の状況とそっくりだと感じているとすれば、そ
れは特権階級がそれだけよい思いをしていることの何よりもの証
拠なのです。ジニ係数0.61 がそれを物語っています。ジニ係
数が本当にこのレベルになると、いつ社会騒乱が起きても不思議
ではないからです。
しかし、そういう危機感を背景にして、習近平政権は「反腐敗
キャンペーン」に取り組んでいます。習国家主席は「虎もハエも
叩く」と、たとえ高級幹部でも許さないというメッセージを発信
しています。しかし、実際にやっていることは、いささかピント
が外れており、逆効果になっていることも多いのです。
贅沢を禁止しようと、共産党幹部の高級ホテルでの宴会を禁止
したところ、酒造メーカーの株が暴落し、レストラン、ホテルで
は今や閑古鳥が鳴いており、かえって経済を冷やしてしまってい
るのです。これは大きなマイナスといえます。
さらに中国政府が最近になって始めたことがあります。これに
ついて、宮崎正弘氏は次のように述べています。
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何を始めたかというと、私立探偵の盗聴や尾行を禁止するとい
うことを始めた。中国に私立探偵があったということも初めて
知ったのですが、この人たちは何を探っているかというと、幹
部の電話機に盗聴器を仕掛けて、それから幹部を尾行して、愛
人との密会現場の写真を撮る。これをいままでの正義感の強い
探偵たちならば、その写真をネットに公表して腐敗幹部を失脚
させたのですが、いまの悪質な私立探偵は何をやっているかと
いうと、これを強請りの材料にして金を稼ぐ。それで2500
人の私立探偵を逮捕したんです。個人データの売買は禁止され
ているという名目でですね。その経緯が中国語の新聞に出てい
ました。経済政策、金融政策も相矛盾したことを同時にやって
いるように、またこの反腐敗キャンペーンも同時に、相矛盾し
たことが、末端における政策変更で起きている。
──石平/宮崎正弘著の前掲書より
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こういう状況において、ある軍幹部の不正に対してどういう処
断を下すかが注目されています。昨年1月の胡錦濤体制下で起き
た不祥事です。軍用地や兵站を担当する谷俊山中将が軍用地を転
売した疑いで中央規律委員会に拘束されたのです。転売した資産
の評価額は約20億元(約260億円)ともいわれています。
結局胡錦濤主席は自ら最終処断を下せず、習近平主席に委ねた
のです。本来であれば死刑になってもおかしくない犯罪ですが、
陸軍で死刑になった軍人は皆無なのです。習主席がそういう経緯
のなかで、谷中将を死刑にできるかどうかに注目が集まっている
のです。 ─── [新中国論/50]
≪画像および関連情報≫
●習近平は谷俊山中将を死刑にできるか
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習近平は、軍内部に見られる「官位の売買、結託、汚職・腐
敗」を批判し、「このままで本当に戦争ができるのか」と下
問したという。特に軍幹部の腐敗には目に余るものがある。
昨年1月には軍の次期指導者と目されながら、軍用地を勝手
に転売して私腹を肥やした後勤部副部長の谷俊山中将が解任
された。習近平派の劉源大将の意向だとされる。規律の乱れ
は士気の低下に繋がる。そもそも私利私欲しかない烏合の衆
というのが中国の軍隊の伝統的な姿だということもできる。
軍の腐敗にしても、やはり伝統的な軍人文化だ。
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2017.html
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トクヴェルの本/谷俊山前人民解放軍中将
「憲法違反内乱罪選管不正選出憲法違反外患誘致罪贋総理安倍を憲法70条懲戒罷免せよ!」
昨年12.16投票場の鉛筆は選管の投票妨害という憲法違反犯行だった!
鉛筆文字は開票仕分け機ムサシで改竄された!
選管に鉛筆犯罪を止めさせてすべての投票場に油性ボールペンを用意させよう!
開票仕分け計数機の導入は総務省の随意契約談合汚職である!
各地選管で開票にムサシを使用すれば選管の汚職を告発する!
投開票は同じ場所で市民の立ち会い監視全経過ビデオ記録のもと各会場毎にすべて公務員の手作業で行え!
各開票所の集計結果を中央選管にファックス送信して中央で集計し開票率100%で初めて当選確定発表!
臆測流布風評被害当確速報報道を全テレビ局に対して絶対禁止!
抜け駆け当確速報報道があれば中央選管公務員守秘義務違反リーク犯行の証明である!
直ちに集計停止破棄し全開票場で最初から全票公開手作業で徹夜再計数とする!
投票時間の恣意的な短縮又は場外に投票者の列があるのに定刻で投票場を閉鎖すれば憲法違反の投票妨害である!・・・
詳しくは「12.16不正選挙」リチャード・コシミズ著定価1764円(税込み)
郵便番号住所電話番号等新聞広告通りhttp://richardkoshimizu.at.webry.info/201305/article_109.html