2013年05月10日

●「習近平新政権における3つの特徴」(EJ第3543号)

 中国にはさまざまな難題があります。習近平新政権はそれを解
決できるでしょうか。ところで、新政権はどのような政権なので
しょうか。沈才彬氏は特徴として次の3つを上げています。
―――――――――――――――――――――――――――――
       1.豊富な実務経験者ぞろいである
       2.順当な人事でサプライズがない
       3.メンバーはいつも低姿勢である
―――――――――――――――――――――――――――――
 第1の特徴は「豊富な実務経験者ぞろいである」ことです。
 7人の常務委員のうち、劉雲山を除く6人全員が、地方政府の
トップを経験しています。劉雲山の場合は、内蒙古自治区の副書
記を経験しています。
 地方政府のトップといっても、日本の地方自治体の首長とは少
し意味合いが異なるのです。中国の地方政府──省や直轄市、自
治区の面積や人口は、日本よりもスケールが大きく、中規模の国
家レベルです。今回のチャイナ・セブンは、そのレベルの国を統
治した経験を積んだメンバーであるというのです。
 第2の特徴は「順当な人事でサプライズがない」ことです。
 中国の政権は10年で交代ですが、5年ずつ前期と後期に分か
れるのです。習近平と李克強は前政権から常務委員であり、国家
主席と首相になることは周知の事実だったのです。
 チャイナ・セブンの残りの5人は政治局委員から昇格していま
すが、胡錦濤率いる団派と江沢民率いる上海閥との妥協の産物と
もいうべき人事になっています。それに年功序列も考慮されてい
るように見えます。
 7人中団派は李克強首相だけです。それに対して上海閥は、張
徳江、兪正声、張高麗の3人、どちらにも属さないのが、習近平
劉雲山、王岐山の3人です。なお、習近平総書記は習近平派を率
いることになると思います。
 中国共産党の内規には、「7上8下」というものがあり、政治
局委員選出の場合、67歳までは職務を継続できますが、68歳
以上になると、現役引退になるのです。
 そうなると、上海閥の張徳江(66)、兪正声(67)、張高
麗(66)は、習近平政権の前期(2018年)には全員が68
歳以上になってしまうのです。現在のチャイナ・セブンで、20
18年の時点で68歳以下の常務委員は、習近平と李克強の2人
だけになります。
 これにより、習近平政権後期のチャイナ・セブンは、残りの政
治局委員18人のなかから選ばれる可能性が高くなります。その
18人を派閥別に見ると、次のようになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
        団派   ・・・・・ 7人
        上海閥  ・・・・・ 3人
        習近平派 ・・・・・ 1人
        その他  ・・・・・ 7人
―――――――――――――――――――――――――――――
 この団派7人中に習政権の役職に就いている人が2人います。
国家副主席の李源潮(62)と副首相の汪洋(57)です。汪洋
については、常務委員入りが確実視されていたのですが、権力抗
争の結果、常務委員にはなれなかったのです。しかし、5年後の
常務委員入りは間違いないと思われます。
 今回全人代で唯一のサプライズであったのは、常務委員でない
李源潮が国家副主席になったことです。関係筋の情報によると、
影響力の強い江沢民・元国家主席が党政治局常務委員の劉雲山を
国家副主席に起用しようとしたのですが、習近平によって拒否さ
れたといわれます。国家副主席のポストは、象徴的な地位に過ぎ
ず、実際の権力は限定的ではあるものの、李源潮には外交面での
役割が期待されているのです。
 第3の特徴は「メンバーはいつも低姿勢である」ことです。
 これについて沈才彬氏は次のように述べています。これも年齢
に関係があります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 日本の民間企業の例で考えてみると、わかりやすいかもしれな
 い。日本の大手企業で新社長が選ばれるとき、社長よりも年上
 の世代もしくは同世代の幹部たちは、多くが子会社や関連会社
 などに移っていく。こうして新社長がリーダーシップを発揮し
 やすくするのだが、習近平新体制ではそうなっておらず、トッ
 プである習近平よりも上の世代の人間が5人もいる。習近平が
 控えめに見えるのはこのためでもある。
   ──沈才彬著/「大研究!中国共産党」/角川SSC新書
―――――――――――――――――――――――――――――
 10年に及ぶ胡錦濤体制下で、中国の名目GDPは人民元建て
で約4倍、ドル建てで約5倍に成長しています。そして2010
年に中国は、ドル建ての名目GDPで日本を抜いて米国に次ぐ世
界2位の経済大国になったのです。しかし、そういう高度成長の
影の部分である格差の深刻な拡大に今の中国は直面しています。
 これに対して習近平政権は、昨年11月の党大会で次の2つの
倍増計画を打ち出しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
      1.2020年までにGDPを倍増
      2.2020年までに国民所得倍増
―――――――――――――――――――――――――――――
 もし、これが達成できると、10年後には中国の名目GDPは
約20兆ドル以上に達し、中国は米国を上回り、世界一の経済大
国になれると計算しているものと思われます。しかし、このダブ
ル倍増計画──本当に達成可能でしょうか。
 現在の中国の経済の状況は深刻そのものです。この2週間ほど
の間に、中国の不動産バブル崩壊、金融破綻などのニュースがあ
ちこちから出てきています。なかには「中国経済はこの7月に破
綻する」というものまであります。この問題については、来週取
り上げて検証する予定です。    ─── [新中国論/41]

≪画像および関連情報≫
 ●中国版「国民所得倍増計画」/CRIオンライン
  ――――――――――――――――――――――――――─
  中国共産党は第18回全国代表大会で「小康社会(いくらか
  ゆとりのある社会)」の実現について、「2020年までに
  国民平均所得を2010年の倍にする」という目標を掲げま
  した。中国メディアはこれを「中国版国民所得倍増計画」と
  称し、高い注目を寄せています。中国共産党が党大会の報告
  で、国民所得の具体的な数字目標を掲げたのは、今回が初め
  てです。これまでの党大会における「小康社会」の実現につ
  いてを見ると、第16回党大会は、「GDP(国内総生産)
  を2000年より倍増させる」とした一方、国民所得は「家
  庭の財産が満遍なく増加し、人々がより豊かな暮らしができ
  るようにする」としていました。続いて、第17回党大会で
  は、「1人あたりGDPを倍増させ」、国民所得については
  「合理的で秩序ある所得配分システムの初歩的形成、中所得
  層が大多数を占めるようにし、絶対的貧困をほぼ撲滅する」
  という抽象的な内容しかありませんでした。
   http://japanese.cri.cn/918/2012/11/14/141s200975.htm
  ―――――――――――――――――――――――――――

李源潮副主席/汪洋副首相.jpg
李源潮副主席/汪洋副首相
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 新中国論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「日本国憲法」
http://blogs.yahoo.co.jp/costarica0012
>「エコビレッジ・コスタリカ共和村
平和の風。転載自由、情報拡散、歓迎 」
コスタリカ大統領から平和の便りすべて表示
憲法改正??■コスタリカ元(現)大統領で、1987年ノーベル平和賞受賞 オスカル・アリアス・サンチェス博士から、 高知県民・日本国民へのメッセージ(コスタリカの民主主義フォーラム 2002年7月6日)

拡散!■すごい、秘話。日本国憲法のスピリッツが「イマジン」を生み出した。"@higa0818: ジョンレノンは、ヨーコから渡された英訳の日本国憲法を何度も読んだ。そして数ヶ月後に『イマジン』ができた。そのことは知らずに忌野清志郎は「イマジンは日本の憲法みたいだ・・・」と言った。"

ジョン・レノン / イマジン (日本語訳付き)http://www.youtube.com/watch?v=TCBNF4_Zf9w&feature=share

小6が暗唱:日本国憲法前文! THE CONSTITUTION OF JAPAN
http://www.youtube.com/watch?v=ePPDNN_QxME&feature=share


「公職選挙の鉄則は無記名投票であり記名投票に当たるネット選挙はそもそも憲法違反である」

よって理由無く主権者国民に記名投票を強制するネット選挙自体が国家の統治システムを破壊する総務省首謀の内乱罪テロ選挙であることが確定した。

国民は全員決して総務省憲法破壊テロネット選挙に参加してはならない。もし参加すれば内乱罪共謀共同正犯である。

>「ネット選挙緊急導入の隠された目的は、ネットの口封じ。」
http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-4687.html#more
Posted by 東行系 at 2013年05月10日 06:46
「テレビは個人私有の娯楽遊興機械である」

>>http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-4649.html#comment1587
テレビは公務員が公務を遂行するために必要な情報を一切流さず、例えば運転業務中に携帯電話の画面を一目でも見たら即安全運転義務違反で検挙されるように公務員が業務中に一瞬でもテレビ画面を視聴すれば業務怠慢で懲戒対象となる、公務員の公務にとって完全に有害無益な業務(公務)妨害発生機械でしか無い。

すべての官公庁施設において公金である設備備品費を費ってテレビを購入してはならず公金である光熱費や経費を使ってNHKへ受信料を支払ってはならずテレビ視聴のための電気代を支払ってはならない。公金を使用してテレビを設置し公金を費消してNHKへ受信料を払っているテレビを公務員が公務時間内に視聴している官公庁施設はすべて公金不正使用の業務上横領罪である。

市町村住民国民はすべての官公庁からテレビを一台残らず撤去するよう住民監査請求しテレビ設置から現在までにかかった公金(購入費アンテナ配線工事費NHK受信料総額電気代総額)の不正流用全額をただちに税金へ返納するよう各官公庁施設設置責任者に対して賠償請求できる。

公務員がテレビを娯楽のために見たければ公務時間外に官公庁施設の職場ででは無く自宅で個人的に契約した自費購入のテレビを見れば良いのである。

すべての公務員は公金不正流用汚職行為を今すぐ止めてすべての官公庁施設から直ちにテレビを廃棄撤廃せよ。
Posted by 東行系 at 2013年05月10日 10:09
Bienvenue mon ami ... Je pensais que tu テゥtais tranquille pour un certain temps ..
http://www.africanancestry.com/uggboots.html
Posted by cheap uggs outlet at 2013年11月24日 02:30
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