思います。以下、まとめておきます。
胡錦濤を中心とする共産主義青年団(以下、共青団)は、経済
成長を優先路線とするグループですが、大きな格差を生み出した
という批判があります。習近平新体制では、首相の李克強と副首
相の汪洋でこの路線を支えることになります。
これに対して左翼原理主義派(以下、新左派)は、格差の拡大
を問題視し、富の再分配を通じて弱者救済を訴えています。そし
て、貧しかったが、平等だった毛沢東の時代に回帰すべきである
と訴えているのです。薄熙来はこのグループを率い、さらに最貧
層の幅広い支持を取り付けていたのです。しかし、薄熙来の失脚
により、このグループの力は相当弱まると思われます。
上海派は江沢民の率いるグループですが、一口にいうなら、既
特権益擁護派です。習近平体制にはこのグループが多くの役職を
押えています。以上をまとめると次のようになります。
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1.共産主義青年団 ・・ 改革開放路線
2. 上海派 ・・ 既特権益擁護路線
3.左翼原理主義派 ・・ 平等弱者救済路線
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現在の中国は共産党一党独裁ですが、総書記の独裁ではなくな
りつつあります。中国情勢に詳しい宮崎正弘氏によると、その独
裁度は時代によって次のように変化しています。
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毛沢東時代 ・・・・・ 90%
ケ小平時代 ・・・・・ 70%
江沢民時代 ・・・・・ 50%
胡錦濤時代 ・・・・・ 30%
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胡錦濤時代になると、独裁性が大きく落ち、政治局常務委員9
人の合意で物事決めていたのです。とくにチベット問題、ウイグ
ル問題、内蒙古問題、外交問題、北朝鮮問題などはこの9人で投
票して決めています。なお、習近平体制では、この9人が7人に
減らされています。新メンバーは次の7人です。
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1.習近平 ・・・ 総書記/国家主席ほか
2.李克強 ・・・ 首相
3.張徳江 ・・・ 全国人民代表大会常務委員長
4.兪正声 ・・・ 中国人民政治協商会議全国委員会主席
5.劉雲山 ・・・ 中国共産党中央書記処常務書記ほか
6.王岐山 ・・・ 中国共産党中央規律検査委員会書記
7.張高麗 ・・・ 副首相
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中央政治局には常務委員会と委員会があり、25人で構成され
ているのです。今まではその25人から9人が選ばれて常務委員
を務めてきたのです。
もともとは7人だったものが、胡錦濤体制のときから2人増え
て9人になったのです。それが習近平体制で再び7人体制に戻さ
れたのです。「文化担当」と「政法担当」を外したからです。そ
の理由は何でしょうか。
狙いは「政法担当」外しです。「政法」とは政治と法律、公安
と司法を仕切る「政法委員会」というのがあるのです。この委員
会は、中国警察・警察力の総元締めであり、150万の武装警察
を掌握する重要なポストなのです。そのため、権力が大きくなり
過ぎて、場合によっては総書記の権限も凌ぐほどです。
実は「政法委員会」のポストについては、あの薄熙来事件が影
を落としているのです。これまではこのポストに周永康という常
務委員が務めていたのですが、大変な権力を持ち、一時は胡錦濤
の力をも凌ぐほどの力があったのです。それに周永康は、江沢民
元国家主席の姪婿に当たり、筋金入りの江沢民派として知られて
いたのです。
周永康は、かねてから自国の法律を無視する薄氏主導で行われ
た暴力団一掃キャンペーンを賞賛したり、薄氏が解任後、政治局
常務委員として唯一、同氏を支持する発言をし、温家宝首相と対
立しています。
また、王立軍元公安局長が米総領事館に駆け込んださい、四川
省の武装警察を動員し、総領事館を包囲する指示を下し、あわや
外交問題に発展しかねない状況を生んだとして厳しく批判されて
もいたのです。そういうわけで、「政法委員会」の解体も視野に
入れて、このポストを常務委員から外したのです。
ここでわかってきたことがあります。薄熙来が弱者の味方を標
榜しながらもやっていたことは、重慶市を孤立させ、重慶イコー
ル薄熙来王国にしようとしていたのに、胡錦濤総書記が手が出せ
なかったのは、周永康が凄い権力を持って立ちはだかっていたか
らです。
考えてみると、中国の政治体制は非常に問題があります。現在
中国では汚職や腐敗が横行し、それが国を危機に陥れる事態にな
っています。仮に政治局常務委員が汚職をして賄賂を受け取って
もそれを裁くのも政治局常務委員会であり、しかもここだけは投
票でものごとを決めているからです。ここだけ奇妙に民主化され
ているのです。薄熙来の処分のときも、常務委員会で、「賛成8
反対1」で決まっているのです。
とくに「政法委員会」の場合、ここのトップでは将来総書記も
首相も望めないので、自分の握っているポストの帝王になろうと
してしまうのです。そこで周永康のような人物が強い権力を持っ
てしまうのです。
この周永康の失脚は、「政法委員会」の解体につながったばか
りではなく、上海派の勢力を削ぐ結果になっています。何のこと
はない。中国の中央政治局というのは、事実上の2大派閥、共青
団と上海派の権力抗争そのものであり、政治システムとして大き
な問題を抱えているのです。 ── [新中国論/07]
≪画像および関連情報≫
●【評論】重慶事件にみる江沢民派の苦境/大紀元/文・程静
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2012年2月25日、米国政府関係者はメディアを通じて
中国重慶市の王立軍副市長により、薄煕来・重慶市委書記と
周永康・政治局常務委員が次期中共トップと目される習近平
・国家副主席をつぶす謀略などの情報が提供されたことを暴
露した。中共上層部に近い北京の情報筋によると、派内の核
心的人物の一人である周永康に疑惑が及んだことで、江沢民
派は大いに慌てたという。実は、重慶事件は当初、薄煕来の
後ろ盾とされる江沢民派が自らを守るために、トカゲのしっ
ぽ切りのように薄煕来を切り捨てようという動きがあった。
しかし今では、しっぽどころでは済まされず、腕を切り捨て
る覚悟をしなければならないだろう。従来の中共上層部の内
紛では、これまでは「駒」の犠牲によって「ボス」が保たれ
ていた。例えば最近の薄煕来と汪洋(中共広東省トップ)の
権力闘争の中で、元の重慶公安局局長・文強が見捨てられて
処刑された。しかし、今回の事件では、王立軍は意外にも破
れかぶれになって米国領事館に駆け込み、中共上層部内のス
キャンダルを国際社会に暴露した。情報筋によると、王はす
でに自身の米領事館での全過程のビデオを北京に提供したと
いう。
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/02/html/d32538.html
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周永康前中国政治局常務委員
だから
日米地位協定破棄し前原創価公明党テロ組織消却して福一石棺桶化しよう!
日本人常民「独立と平和の革命」