記者会見を行い、尖閣諸島について次のように発言しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
尖閣諸島は日本が中国の領土を不当に盗み取って占拠した。
目下の状況は日本側が一方的につくりだしたものだ。日本側
はこれ以上事態がエスカレートして制御不能になることを防
ぐべきだ。 ──2013年3月10日付、朝日新聞朝刊
―――――――――――――――――――――――――――――
ヤンチェチー外相の漢字表記は最後の文字「チー」の漢字が非
常に難しく、ワープロにその漢字がないので、ネットでは「ち」
とひらがな表記しています。「楊潔ち」というようにです。
ヤンチェチー外相は、父ブッシュ元米大統領の通訳を務め、大
統領に高く評価されたのです。その後、駐米大使を務めた米国通
で米国には強いパイプがあり、大変なインテリなのです。そうい
うわけで当初私は好印象を抱いていたのですが、同外相が国連演
説で、「尖閣問題を盗み取った」という汚い表現を使うのを聞い
て幻滅したのです。中国人はどうしてこうなのか、と。
しかし、中国の要人の発言はその裏事情を考慮して聞く必要が
あるのです。実はヤンチェチー外相は山口公明党代表が訪中した
とき、積極的に山口氏に会い、現在の日中の危険な事態をエスカ
レートさせてはならないと説いて、その関係改善に意欲的であっ
たというのです。それが例のレーダー照射問題でオジャンになっ
てしまったのです。
そのヤンチェチー外相が今回、国連演説と同じ「盗み取った」
という表現を使ったのは、その記者会見がテレビで生中継されて
いたからです。つまり、日本に対して発言しているというよりは
中国国民が聞いていることを意識しての発言と思われます。しか
し、その一方で、今後の習近平体制でも尖閣については妥協しな
いぞというメッセージを日本に送っています。
なお、ヤンチェチー外相は次期外相を王毅氏に譲り、国務院国
務委員(外交担当)に就任する予定です。本稿執筆時点の10日
ではまだ発表されていません。
中国では、「中国歴史五千年」とか「白髪三千丈」というよう
な誇大妄想的表現がよく使われます。「中国歴史五千年」では根
拠のない伝説の王である黄帝を生み出し、それをでっちあげるた
めに、巨大な陵墓までコンクリートで作った国なのです。歴史問
題での嘘は平気で行う国柄です。
中国研究家の宮崎正弘氏は、中国人の歴史の嘘に関して次のよ
うに述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
誇大妄想と嘘が作った国家に生きる中国人が死んでも認めたが
らない真実とは、「1」中国歴史は嘘の固まりであり、「2」
その嘘が次の嘘を作り出し、「3」自らが嘘に酔って、何が嘘
で、どれが嘘の嘘かの判定ができない、ということである。
──宮崎正弘著
「習近平が仕掛ける尖閣戦争」/並木書房
―――――――――――――――――――――――――――――
2012年のAPECは、9月8日〜9日にロシアのウラジオ
ストックのルースキー島で行われ、野田首相と胡錦濤国家主席が
尖閣諸島の国有化について立ち話の会談を行ったことは記憶に新
しいことです。
そのさい、胡錦濤主席は「国有化は認められない」と反発した
ものの、翌日の10日に野田首相が尖閣諸島の国有化を決めたの
で、中国が猛然と反発し、尖閣を巡って日中が角突き合う現在の
状態になっています。
ところがウラジオストックはもともと中国の領土なのです。清
朝末期にロシアは極東シベリアの侵略をはじめ、フランス、ロシ
ア、英国によって「北京条約」という不平等条約を押し付けられ
清の領土だった沿岸部がことごとくロシア領に編入されてしまっ
たのです。これこそ文字通り強奪そのものです。1860年のこ
とです。それから35年後に日清戦争が起きています。
第2次世界大戦が終わって1946年に、ときの中華民国政府
は、スターリンと領土交渉をし、そのとき占領していた大連と一
緒にウラジオストックを50年後に返還することを約束する密約
を中国と結んだのですが、1951年に大連は戻されたものの、
ウラジオストックは返還されなかったのです。明らかなるソ連の
約束違反です。当時中国でウラジオストックは「海参威(ハイサ
ンウェイ)」と呼ばれ、日本では「浦塩」と呼んでいたのです。
そうすると、胡錦濤国家主席はかつて自国領であったウラジオ
ストックで開催されたAPECに出かけ、領土をめぐる発言をロ
シアに対してしていないということになります。これについて、
宮崎正弘氏は次のようにいいます。
―――――――――――――――――――――――――――――
(中国国内の)「愛国無罪」の無法者たちよ。反日、反米と
言って尖閣を奪えと言うのなら、なぜ、「ウラジオストック
を奪還せよ」とは言わないのか。
──宮崎正弘著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
実はウラジオストックについては、2001年に時の江沢民国
家主席は、「中ロ善隣友好条約」を結び、それに伴い密約で旧領
土でロシアに編入された土地の主権を放棄しているのです。もち
ろんこのことは国民に知らせていないのです。
ウラジオストックと尖閣諸島では、その価値は比べものになり
ません。もし、中国国民がこの真実を知ったら、大変なことにな
ります。尖閣諸島は、そのあて馬に使われている感じがします。
批判の目をロシアから日本に向けさせるためです。
しかし、その一方で中国は、最近の歴史教科書に「極東の中国
領150万平方キロが、不平等条約によって帝政ロシアに奪われ
た」との記述を登場させています。軍事力でロシアに勝てる日が
きたら、ロシアに領土の返還を要求するつもりなのでしょうか。
── [新中国論/02]
≪画像および関連情報≫
●ウラジオストックは「中国固有の領土」か
―――――――――――――――――――――――――――
9月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合を開
催したロシア極東のウラジオストクは、2年前の2010年
市の創設150周年を盛大に祝った。ウラジオストクはもと
もと中国領で1860年の北京条約によりロシア領に移管。
帝政ロシアはこの天然の良港に、「極東を制圧せよ」を意味
するウラジオストクという名前を付けた。だが、中国の新し
い歴史教科書には「極東の中国領150万平方キロが不平等
条約によって帝政ロシアに奪われた」との記述が登場した。
中国はある日突然、ウラジオストクを「中国固有の領土」と
して返還を要求しかねない。中露間で歴史的なパワーシフト
が進む中、ロシアにとって、尖閣問題は他人事ではない。未
解決はグルジアと日本のみ。プーチン大統領は2004年ご
ろから周辺諸国との国境画定を重視し、次々に成果を挙げて
きた。ロシアは14カ国と陸上国境を接し、ソ連崩壊後国境
画定問題が積み残されたが、プーチン政権はこれまでに、中
国、カザフスタン、アゼルバイジャン、ウクライナなどと国
境を画定。バルト諸国ともほぼ合意した。ノルウェーとも懸
案の海上国境を画定させたし、北朝鮮との17キロの国境線
も画定した。
http://blog.libertytimes.com.tw/kang1021/2012/11/21/131270
―――――――――――――――――――――――――――
APECでのプーチンと胡錦濤両首脳
>橋下大阪市長「裁判で637億円の支払命令の判決」(simatyan2のブログ)
http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/903.html
コメント16.
ユダ金前原の筋書きが読めた。
橋下のこの政治生命のピンチに、なぜか面会謝絶の入院中石原慎太郎から橋下徹へ「メール」が届く。内容は遺言であり、都知事放棄国政復帰暴走老人へ維新の会共同代表の座を用意して引き立ててくれた橋下徹への感謝を述べて、自分の衆議院議員の椅子を自らの意思で病気辞任し、共同代表橋下徹を比例代表名簿第一位に記載してこれまでの恩返しに衆議院議員の職を禅譲したい。というものだ。
面会謝絶の病人からのメールもしくはタイプというのがこの浅はかな策謀のミソだね。
永田ガセメール事件の二匹目のドジョウを狙う血に飢えたジャッカル前原の、人の命や人生の尊厳を自分の権力維持目的のおもちゃにする酷薄きわまる厚顔無恥が、愚かというもなかなか哀れなり。