2003年04月08日

●テレビを構造的に分解してとらえる(EJ第1081号)

 かつてテレビは一家に1台あって、家族全員で見るものだった
と思います。その普及率は約100%で、一世帯当り平均2台以
上も保有されるようになっています。最近では、PCにテレビが
付く「テレパソ」なる製品が普及しており、私などはほとんどの
TV番組をPCで視聴しています。EJもテレビを視聴しながら
書いております。
 ところで「テレビ」という言葉には、2通りの使い方がありま
す。「テレビを見る」という場合のテレビは「テレビ放送」を指
しており、「テレビを買う」という場合のそれは、家電製品とし
てのテレビを意味しています。
 今後のテレビを理解するためにひとつの提案があります。それ
はテレビという家電製品を次のように、分解してとらえるという
ことです。
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    テレビ=TVチューナ+テレビ受像機+アンテナ
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 普通のテレビは、地上波テレビの放送が受信できるVHF・T
Vチューナと受像機、それにVHFが受信できるVHFアンテナ
から成り立っていると考えるのです。
 こういうとらえ方をすると、ビデオについては次のようになり
ます。ビテオはテレビでもあるのです。
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    ビデオ=TVチューナ+録画・再生機能+アンテナ
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 ビデオにはTVチューナが内蔵されており、そのTV映像を録
画・再生しているのです。録画のモニター、再生については、テ
レビの受像機を使っています。ですから、家庭のテレビの台数を
数えるときは、ビデオも計算に入れる必要があります。
 テレビが見られるPC「テレパソ」は、PCにカード化された
VHF・TVチューナがセットされたものです。PCの機能には
TVチューナの映像をディスプレイに表示する機能とハードディ
スクに録画する機能があり、そういう意味で「テレパソ」はPC
にビテオ機能をプラスしたものと考えることができます。
 このように考えると、衛星放送を受信するためのアダプター、
すなわち、セットトップボックス(STB)は、TVチューナで
あることがわかると思います。つまり、現行テレビでBSデジタ
ル放送を受信するためのアダプターとは、BSデジタル放送を受
信するためのTVチューナなのです。
 地上波デジタル放送を現行テレビで見るには、地上波デジタル
放送用TVチューナとUHFアンテナを購入すればいいのですが
それだけでは、地上波デジタル放送の「高画質・高音質」を享受
できないというのは、なぜでしょうか。
 それは、TVチューナこそ地上波デジタル放送用TVチューナ
になったが、テレビ受像機が現行のままであるからです。なぜ、
現行の受像機では駄目なのでしょうか。
 それに答えるには、現在の標準テレビとデジタルテレビの売り
物のひとつである高精細度テレビ(HDTV)との違いについて
知る必要があります。その前提として、現行テレビの方式につい
て簡単に述べておきます。
 現在世界におけるアナログ・カラー・テレビの方式には、次の
3つがあるのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  1.NTSC ・・・ 日本、米国
  2.PAL ・・・・ 西ヨーロッパ(仏を除く)
  3.SECAM ・・ 仏、旧ソ連、東ヨーロッパ
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 日本が採用している規格であるNTSCは、米国の3大ネット
ワークのひとつ、CBSが開発した「フィールド順次方式」を米
国テレビジョンシステム委員会(NTSC)が米国のテレビ標準
規格として認定されたものです。
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   NTSC=National Television System Committee
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 NTSCの優れている点は、白黒テレビと両立する方式である
ということです。つまり、NTSC方式では、カラー放送を従来
の白黒テレビで受像しても白黒の画面が得られ、逆に白黒放送を
カラーテレビで受像しても白黒画面が得られるということで、放
送方式や受像機を根本的に変える必要はないのです。NTSC方
式をPAL方式/SECAM方式と比較しておきます。
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          NTSC  PAL  SECAM
   走査線数(本) 525  625    625
   毎秒像数(枚)  30   25     25
   飛越し走査   2:1  2:1    2:1
   縦横比     3:4  3:4    3:4
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 テレビ画面の精細度を示す走査線は525本――1フィールド
期間ごとに半分の262.5本の走査線を使って粗い映像が再現
され、2フィールドで1つの画面(フレーム)が完成する方式で
1秒間に30フレームが送られる仕組みになっているのです。
 デジタルテレビでは、まず、送信側で画像を碁盤の目のように
細かく分解します。そのひとつひとつを「画素」といいます。そ
して、それぞれの画素の光の強弱をカメラによって電流または電
圧の強弱(映像信号)に変換し、左から右、上から下の方向に順
次送信していくのです。
 受信側では、この電波を受信して、映像信号を再び光の強弱に
変換し、送信側と同じ順序によって電子ビームでブラウン管の蛍
光面に映像を再生していくのです。このように画像を一定の順序
で分解し、再び元通りに組み立てることを「走査」といっている
のです。再生された画像は水平方向の線で構成されているので、
これを「走査線」というのです。 −− [デジタルTV/02]

posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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