2003年04月07日

●間違えずにデジタルテレビが買えますか(EJ第1080号)

 最近「テレビが分からなくなった」という人が増えています。
今年の12月から、日本の一部の地域で、地上波デジタル放送が
開始されることと無関係ではないと思われます。何しろ「地上波
デジタル放送」が開始されると、今のテレビは使えなくなるとい
うことで、テレビについて関心が集まっているのです。
 この間、次のような質問を受けました。皆さんはこの質問に答
えられるでしょうか。
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 地上波デジタル放送が始まったとき見られるテレビを買いたい
 のですが、要するに、ハイビジョン・テレビを買えばいいので
しょうか。
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 この答えが「ノー」であることは、わかると思います。しかし
そう思っている人はとても多いのです。それでは、次の質問に対
してはどうでしょうか。
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 今のテレビにアダプターをつければ、地上波デジタル放送を受
 信できるから、わざわざ高価な地上波デジタル放送対応のテレ
 ビを買うことはない。
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 この答えは、今のテレビと同じような画像や音を今後も楽しめ
ればいいという考え方に立つ場合には正解です。このアダプター
のことをテレビの上に置く箱という意味で、「セットトップボッ
クス(STB)」と呼んでいるのですが、このSTBと現在のテ
レビを接続すれば、デジタル放送を受信できるのです。
 しかし、「高画質・高音質」が売り物のデジタル放送について
は、「現行テレビ+STB」ではそのメリットが享受できないの
です。このことをしっかりと理解しておく必要があります。
 それにテレビのアンテナについても買い換える必要が出てくる
のです。現在の地上波放送はVHF帯を使用していますが、デジ
タル放送では、原則としてUHF帯を使用するので、UHF用ア
ンテナが必要なのです。したがって、現在、VHF用アンテナし
かない世帯は、新たにUHF用アンテナが必要になってきます。
VHFとUHFの両方がついたアンテナもあります。ご自宅のア
ンテナを調べてください。
 そうすると、STBがどのくらいの価格で売り出されるかが注
目されますが、アンテナの買い替え分とあわせると、それなりの
価格になると思います。
 それに、既にCATVに加入し、BSデジタル放送に加入して
いる世帯が、さらに地上波デジタルを見るには、また、STBが
必要になるので、テレビ・モニターの周りには、STBだらけに
なってしまうことになります。
 このように考えていくと、現在ほどテレビの買い方が難しい時
期はないと思います。BSデジタル放送のときと違って、今度は
何もやらないと、テレビが見られなくなるだけに関心度が大きく
違うのです。
 テレビは、おそらく国民にとって、一番身近なIT機器である
と思います。現在のカラーテレビの普及率は、とっくに99%を
超えています。それが大きく変わろうとしているのです。PC時
代になってもPCに関心を持たず、インターネットが普及しても
手を出さない人でもテレビは見るのです。彼らは当然今回のテレ
ビの激変に関心を持っています。
 しかし、改めて考えてみると、テレビについてわれわれは何を
知っているでしょうか。本当にデジタルテレビを理解するには、
現在のテレビについて基本的なことを理解しておく必要があるの
です。そこで、しばらくEJでテレビ問題を取り上げてみたいと
思います。
 放送は次の3つに分類されます。
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         1.地上波放送
         2.衛星放送
         3.ケーブルテレビ
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 このうち、衛星放送はさらに次の2つに分かれます。
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    1.BS放送 ・・・・・ 放送衛星
    2.CS放送 ・・・・・ 通信衛星
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 日本の場合、欧米諸国に比べても圧倒的に地上波放送が充実し
ています。地上波放送技術の向上もあって、4400万世帯のほ
とんどすべてが視聴可能な状況にあるという事情もあります。そ
のため、そもそも難視聴対策用であったCATVも普及していな
いのです。それに地上波放送が充実していることは、衛星放送に
も影響を及ぼし、既にデジタル化が行われた現在でも、本格的に
普及しているとはいえない状況にあります。
 日本においてはじめて放送のデジタル化が行われたのは、19
96年10月の「パーフェクTV」からなのですが、これは通信
衛星を使ったCS放送なのです。このCS放送からデジタル化が
始まったという事実が、現在の衛星放送の普及の遅れを象徴して
いることになるのです。
 ところで、通信衛星(CS)と放送衛星(BS)とは、どう違
うのでしょうか。
 通信衛星(CS)は、遠く離れて直接通信できない2点を中継
するための衛星で、静止衛星です。宇宙中継をするときは、両地
点からこの通信衛星が見えていることが条件です。
 これに対して、放送衛星(BS)の特色は、通信衛星が地上の
受信局に大きなアンテナなどの施設が必要であるのに対し、BS
は、衛星の出力が大きいため、小さなアンテナでも各家庭で受信
できる点にあります。
 それにしてもなぜ、CSとBSの両方が必要なのでしょうか。
                −− [デジタルTV/01]

CS/BS.jpg
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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