くなっています。これらの情報を踏まえて、中国が現在何を考え
ているのか整理してみることにします。
2001年4月1日のことです。南シナ海北部の島である海南
島上空の公海上を米海軍所属の電子偵察機EP3Eが飛行してい
たのですが、中国の人民解放軍海軍航空隊の戦闘機J─811が
異常接近し、空中衝突する事故が発生したのです。
このときブッシュ米大統領は、ホットラインで江沢民国家主席
と直接連絡を取ろうとしたのですが、江主席は逃げ回り、約8時
間にわたって電話に出なかったのです。
現場の暴走に上層部がパニックになり、思考停止に陥ったので
す。おそらく江主席は、問題をどう処理してよいか分からず、幹
部を集めて対応を協議して、時間がかかったものと思われます。
実はこのとき米中間では緊張が高まっていたのです。1999
年のコソボ紛争でNATO軍の一員として武力制裁に参加してい
た米軍機が、ユーゴスラビア連邦共和国(当時)の首都ベオグラ
ードにあった中国大使館をユーゴ政府の政府機関と誤認して爆撃
する事件があったのです。
中国国内では「ユーゴを支援する中国政府に対する意図的な報
復行為である」として、国内で反米暴動が起きていたのです。さ
らに当時のブッシュ政権は、軍事拡張路線を進める中国を冷戦後
の軍事的脅威になりうる存在として牽制する発言をしており、米
中間に緊張が高まっていたのです。
こういう事態になると、人民解放軍は熱くなり、通常では考え
られない行動を起こすのです。したがって、今回の火器管制レー
ダーの照射事件も、現場の判断のもとに行ったものと考えられる
のです。シビリアンコントロールが効いていないのです。
中国に詳しいジャーナリストの富坂聰氏は、中国人民解放軍の
関係者からの情報として、今回のレーダー照射を指示したのは、
海軍の副司令官・徐洪猛氏であると述べています。
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今回の射撃レーダー照射を主導したのは海軍です。その上級機
関は海軍の行動を知りませんでした。具体的には、作戦を担当
する海軍ナンバー2の副司令・徐洪猛が、その部下で、海軍参
謀長の杜景臣を通じて命令したことです。杜は徐が海軍副司令
に昇進した2009年に徐によって引き上げられ、徐の後任と
して東海艦隊司令に就いた。いわば2人は師弟関係です。つま
り現場から副司令のレベルまでには、明らかに日本との危機を
高めてやろうという意図があったということです。(中略)い
ずれにしても解放軍の上級機関と実際に海で自衛隊と向き合っ
ている海軍とは緊張感も士気も発想も違っているのです。海軍
は圧倒的に過激ですから。 ──富坂聰氏
『週刊文春』2月21日号より
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海自の護衛艦「ゆうだち」では、中国のフリゲート艦に火器管
制レーダー照射を浴びせられたとき、どのような行動をとったの
でしょうか。
このとき、「ゆうだち」と中国のフリゲート艦の距離は、約3
キロ、海軍の常識では目と鼻の距離です。レーダーが照射された
とき、艦内には警告音が鳴り響いたのです。電波探知分析装置に
は、近距離から発射される高周波の強い火器管制レーダーが探知
されたのです。
この電波探知分析装置では、レーダーの探知方位、周波数、パ
ルスの繰り返し周波数などのデジタルデータが表示されると同時
に、自動的にハードディスクに保存されるのです。小野寺防衛相
のいう証拠とはこれらのデータのことであると思われます。
このとき「ゆうだち」の艦橋では、フリゲート艦の艦橋の真上
にあるパラボラ式の「火器管制方位盤」と呼ばれるアンテナを、
8倍と20倍双眼鏡を使ってそれが動いていることを確認してい
るのです。火器管制方位盤が動いているということは、レーダー
が照射されていることを意味しています。
さらにフリゲート艦の100ミリ主砲がこちらに向けられてい
るかどうかをチェックしています。しかし、その位置はストーポ
ジション(定位置)にあって、こちらに向けられていないことを
確認しています。
以上のことを「ゆうだち」の艦長は、てきぱきと部下に命じて
迅速に行っており、中国側はレーダーを照射しただけで、撃って
はこないことを確認しているのです。中国海軍は日本が反撃して
こないことをいいことにレーダーの照射をしてきているのです。
しかし、レーダー照射は3分以上にわたって続いたのです。も
ちろん「ゆうだち」はレーダー照射を受けると同時に回避行動を
取っています。「両舷停止、面舵一杯!」──このように艦長は
航海指揮官に命じています。
回避行動といってもフリゲート艦から距離を取ること、すなわ
ち逃げることではなく、艦首をフリゲート艦に向ける操艦を行い
艦のレーダー被照射面積を最小にするなどの処置をとっているの
です。このように海上自衛隊は沈着冷静に対応し、けっして中国
の挑発に乗っていないのです。
ところで、フリゲート艦とは、どういう軍艦なのでしょうか。
フリゲート艦は、巡洋艦と駆逐艦の中間クラスの軍艦であり、
主に、比較的小型にして高速の、哨戒や偵察などの任務を主とす
る艦艇のことです。
フリゲート艦は、歴史が古く、帆船時代からある名称で、小型
の艦艇のような意味合いです。対空、対潜、対艦、護衛全てを兼
ね備えたのがフリゲート艦で、世界各国でその基準ははっきりし
ていなく、曖昧です。なお、フリゲート艦より小さいのは、コル
ベット艦といわれています。
もっとも、近代ミサイルの発達や命中率の向上により、小型艦
でも重武装が可能なため、昔の戦艦のような大型艦は不要になっ
てきているのです。「ゆうだち」は強力な中国のフリゲート艦に
堂々と大人の対応をしたのです。 ―─ [日本の領土/92]
≪画像および関連情報≫
●中国海軍フリゲート火器管制レーダー照射事件について
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海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に火器管制レーダーを照射
したのは中国海軍ジャンウェイU級(053H3型)フリゲ
ート「連雲港(リェンユンガン)」、また、護衛艦「おおな
み」搭載ヘリコプターへ火器管制レーダーを照射したのは、
ジャンカイT級(054型)フリゲート「温州(ウェンジョ
ウ)」と発表されました。中国フリゲートはどちらも主に東
シナ海を担当する東海艦隊(浙江省寧波)の所属です。この
うちフリゲート「連雲港」が火器管制レーダーを照射した件
については、その証拠となる電波情報収集やレーダーパネル
指向のビデオによる撮影を護衛艦「ゆうだち」側で行ってお
り、小野寺防衛大臣は記者会見で公表も検討していると語り
ました。一方で中国政府は火器管制レーダーは使用しておら
ず通常のレーダーを使っていたと反論しています。火器管制
レーダーの照準用電波によるロックオンは攻撃の直前段階に
行うもので、平時にこれを行うことはあからさまな挑発行為
と受け取られます。冷戦時代のアメリカ海軍とソ連海軍でも
よく行われた行為でしたが、挑発がエスカレートして偶発的
な戦闘に至らないよう両者は話し合い自制するようになりま
した。 http://obiekt.seesaa.net/article/320827821.html
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ベンガルを航行る「ゆうだち」
いつもご苦労様です。
掲載記事についての要望がございます。
下記の理由についての、調査をお願い致します。
1.緊張状態が続く中で、3Kmという至近距離での接近の必要性
2.尖閣諸島から北方へ180km、日中中間線のギリギリのライン。
この海域に頻繁に自衛艦を派遣することの必要性
3.自衛艦ゆうやみと問題の中国フリゲート艦の航行記録
4.人民解放軍の関係者は、なぜ富坂聰さんに機密情報を話せたのか
中国国防部公式サイト、2013年2月7日
・・・前略・・・
指摘する必要があるのは、近年、日本側の艦艇、機体はしばしば中国海軍の
艦艇、機体に対して長時間の近距離からの追跡、監視を続けていることである。
これこそが日中の海空安全問題の根源である。
中国側は何度も日本側に交渉を申し入れた。
先日来、日本側は事実を歪曲し、中国軍の正常な戦闘訓練活動をあしざまに
描く、事実に合致しない言論を流布している。
今回もまた中国側に事実を確認しない状況で、一方的にメディアに虚偽の
状況を公表した。日本政府高官の無責任な言論、“中国脅威”論の喧伝、
緊張ムードの造成、国際世論のミスリード。
これらの動向は警戒、熟考に値するものである。中国側は日本側は真摯に
有効な措置を取り、東シナ海の緊張ムードを作り出す行為をやめ、
無責任な言論を二度と発表することのないよう希望するものである。
「米軍撤退後、中国とどう向き合えばよいか」を
前回の記事のコメントに投稿させて頂きました。
興味がございましたらご覧下さい。
ああ・・降ってる、今日もまた降ってるよ・・。
行きたくねえー。
アメリカへの手土産でも、ここまでやるか??
・TPP参加表明
・50兆円の米国債を購入
・一機100億円するオスプレイを10機購入
なぜマスコミは、こんな売国奴を、
愛国者としてヨイショヨイショしているのか。
まさにキチガイ国家だ。
大事なことなので、一部だけ勝手にコピペさせて頂きます。
日米の企業経営者らが、政治や経済情勢を討議する日米財界人会議が
2012年11月8日、都内のホテルで開幕した。
ここでは「日本がTPP交渉に参加することを強く支持する」
とした共同声明を採択した。
では米側議長は誰であったろうか。米国側議長はアフラック
日本のチャールズ・レイク代表である。
米国がTPPで何を最も目指しているかが明確である。
皆さんボケっとしていると、冗談抜きで大変なことになりますよ。