2007年01月22日

なぜ、受信にも課金されるのか(EJ第2003号)

 ケータイメールは送信時と受信時の両方に料金がかかる――こ
のことをケータイ利用者はあまり問題にしません。もしかすると
そのことを知らないのかもしれません。細かな話でもありますし
関心のない人が多いのかもしれません。
 ケータイキャリア(携帯電話会社)もパンフレットなどには、
この事実をはっきりとは書いていません。きちんと書いているの
は――小さい字ではありますが、NTTドコモぐらいでしょう。
 19日のEJの最後にご紹介したNTTドコモの≪mova≫の例
を再現します。
―――――――――――――――――――――――――――――
     ≪mova≫        送信    受信
     全角  20文字  1.0円  1.0円
     全角  50文字  1.6円  1.0円
     全角 100文字  2.3円  1.3円
     全角 150文字  3.8円  1.6円
     全角 250文字  4.5円  2.3円
―――――――――――――――――――――――――――――
 どうして送信の料金が受信より高くなるのでしょうか。この料
金表にもあるように、最近ケータイメールは文字数で料金を徴収
していますが、本来料金はパケットで計算されているはずです。
パケットについては次のようになっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
    1パケット当たりの料金=0.3円
    1パケット=128バイト(128Bと表記)
    半角文字=1B/全角文字=2B
―――――――――――――――――――――――――――――
 「18時30分の準急に乗ります。山本」――仮にケータイで
このようなメールを送ったとします。全角17文字ですが、それ
以外のメールヘッダの部分もカウントされますので、50文字以
内として送信料金は1.6円、送信先が受信すると受信料として
1円が送信先の負担になります。
 しかし、現在でも1パケット当たり0.3円しかかかっていな
いはずです。そこでパケットで計算してみましょう。全角17文
字は、1文字2バイトになるので34バイトです。それにヘッダ
部分が仮に20バイトかかったとすると54バイト――128バ
イトまでは0.3円ですから、送信料金は0.3円なのです。そ
れを1円とっているわけです。
 しかし、実際はこうならないのです。少し専門的な話になって
しまいますが、≪mova≫の場合、送信時は本文をそのまま送るの
ではなく、「URLエンコード」という方式で本文を符号化して
送信しているのです。
 「URLエンコード」とは何でしょうか。実際の例を使って説
明します。「携帯電話」という文字列を「URLエンコード」で
符号化してみます。
―――――――――――――――――――――――――――――
      携帯電話=%B7%C8%C2%D3%C5%C5%CF%C3
―――――――――――――――――――――――――――――
 わけのわからない文字が並んでいますが、決められたルールで
文字列を変換しているだけです。このようにして送る理由は、端
末の能力に問題がある場合です。
 「携帯電話」は全角4文字で8バイトですが、URLエンコー
ドで符号化すると半角が24個の文字列になり、8バイトが24
バイトに膨れ上がってしまいます。これにメールヘッダ部分を加
えると相当大きなバイト数になるはずです。これについては、次
のサイトを参照されるとよいでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――
    http://www.age.jp/~busters/price_hikaku.htm
―――――――――――――――――――――――――――――
 しかし、URLエンコードで送ったとしても128バイト以上
にはならないはずです。それに受信時はURLエンコードに変換
せず、そのまま(シフトJISという方式で)送信されるので、
送信の方が受信よりも高くなるというわけです。
 さて、どうしてケータイメールの受信に課金されるのかについ
て説明します。しかし、これに関してはキャリア各社は説明して
いないので、正確でない部分があるかも知れませんが、一応書く
ことにします。間違っていればご指摘ください。
 ケータイメールがどのようにして相手に届くのか−−概略を述
べると次のようになります。AさんがBさんにケータイメールを
送る場合を考えます。AさんとBさんはNTTドコモの「iモー
ド」同士であるとします。
 Aさんのメールは無線を利用して近くの基地局を経由して交換
機に入り、「iモードセンター」に届きます。センターには会員
のデータベースがあるので、センターは宛先であるBさんの情報
をデータベースから入手し、Bさんの現在位置を割り出します。
そして現在位置に近い交換機と基地局を経由して無線でBさんの
ケータイに着信通知を出すのです。これによって、Bさんは受信
操作をしてAさんからのメールを自分のケータイに取り込むので
す。これが同じキャリア同士のメールの送受信です。
 それでは、BさんがNTTドコモではなく、他のキャリアの場
合、「iモードセンター」に届いたAさんのメールは、Bさんの
属するキャリアのセンターに送信されます。そして、同様の手順
でそのセンターはBさんの現在位置を割り出し、交換機と基地局
を経由して無線でBさんのケータイにメールを届けるのです。
 この場合、Aさんは送信料をNTTドコモから徴収され、Bさ
んは受信料を自分の属しているキャリアに徴収されます。つまり
送信と受信は完全に切り分けられているのです。この方式なら、
メールの宛先が他のキャリアであっても送信と受信の料金の徴収
はうまくいくことになります。
 ケータイメールが受信する側でも料金がかかる理由は以上の通
りです。             ・・・ [通信戦争/11]


≪画像および関連情報≫
 ・URLエンコードとは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  ヤフー!など検索エンジンで検索すると、URLに検索単語
  が記号化された感じで表示されますが、これをURLエンコ
  ードといいます。URLエンコードとは、URLとして用い
  てよい文字のみになるように文字列をエンコード(変換)す
  ること。例えば、空白文字は+、チルダ(〜)記号は%7E
  に変換されるという意味です。
  http://www.bousaid.que.jp/software/urlencode/index.php
  ―――――――――――――――――――――――――――

ケータイメールはどのように届くか.jpg

posted by 平野 浩 at 04:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ケータイ通信戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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