2007年01月18日

NTTドコモとauの基地局の違い(EJ第2001号)

 今回のテーマ「ケータイ2.0/通信戦争」は、ソフトバンク
を中心に書くつもりでおります。しかし、ソフトバンクはケータ
イ・ビジネスには一番遅い参入であるので、その競合相手である
NTTドコモや auについて先に知っておく必要があります。
それに加えて、ケータイに関する専門用語などについても解説し
ていくつもりでおります。
 auが音楽を中心に見事なケータイ・ビジネスを展開している
のに対して、NTTドコモはどのような対応を今までしてきたの
でしょうか。
 MNPに利用しての転入・転出の数値においては、次のように
KDDIが圧倒的の一人勝ちであり、ソフトバンクとNTTドコ
モは純減になっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
  第1位 KDDI ・・・・・ 14万4800台転入超
  第2位 ソフトバンク ・・・  3万9600台転出超
  第3位 NTTドコモ ・・・ 10万9000台転出超
―――――――――――――――――――――――――――――
 この数表はどの新聞にも出ているのですが、実態を間違ってと
らえてしまう恐れがあります。例えば、上記のソフトバンク(正
確にはソフトバンクモバイル)の「3万9600台転出超」とい
うのは、MNPによって他のキャリアからソフトバンクに転入し
た数よりも、ソフトバンクのユーザがMNPを利用して他のキャ
リアに転出した数の方が多いこと――差し引き3万9600人の
マイナスになっているという意味であり、契約者数自体が純減し
たわけではないのです。
 全体としての契約者数の純増減でみると、契約者数は3社とも
純増しているのです。ちなみに、2006年12月時点でのケー
タイキャリア各社の純増減数(新規から解約を差し引いた純増減
数)をとっみると、次のようになります。12月の純増数ではソ
フトバンクはNTTドコモを上回っているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
  第1位 KDDI ・・・・・ 29万7500台
  第2位 ソフトバンク ・・・  9万7000台
  第3位 NTTドコモ ・・・  8万7600台
      電気通信事業者協会(TCA)による調査
―――――――――――――――――――――――――――――
 KDDIは5ヶ月連続の首位であり、12月も他社に圧倒的な
差をつけています。しかも、KDDIの29万7500台という
数字は、2006年6月をもって新規加入の受付を終了している
ツーカーの数字(18万2100台減)を含んでおり、auに限
っていうと、47万9600台の純増なのです。
 それにしてもNTTドコモはどうしてしまったのでしょうか。
ドコモは純増数においては、ソフトバンクにも遅れをとっている
のです。これは、同社の3Gケータイである「FOMA」の戦略
の失敗に尽きると思います。
 ケータイには、その機能において、歴史的、発展的に次の分類
があります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 第1世代/1Gケータイ ・・・ アナログ
 第2世代/2Gケータイ ・・・ デジタル/Eメールなど
 第3世代/3Gケータイ ・・・ デジタル/TV電話など
―――――――――――――――――――――――――――――
 FOMAは、NTTドコモの第3世代ケータイサービス名称で
あり、その技術規格名称は「W−CDMA」というのです。19
98年に当時の郵政省は「W−CDMA」を次世代携帯電話規格
の日本案としてITU(国際電気通信連合)に提出していたので
すが、なかなかスムーズには規格はまとまらなかったのです。
 しかし、NTTドコモとしては、3Gケータイの世界初にこだ
わって、世界共通仕様の結論が出る前であったのにもかかわらず
2001年10月にFOMAを見切り発車させたのです。
 結局国際規格としての一本化はできず、日本国内でも2つの標
準規格――W−CDMA/cdma2000の2方式が混在する結果
となっています。それにしても日本は少し急ぎ過ぎの感があるの
です。というのは、2005年の時点で欧米はまだほとんどが2
Gケータイであり、2001年10月に3Gケータイを出したの
は技術的に早過ぎる感があります。
 というのは、当時NTTドコモと端末メーカーが有していた技
術的ノウハウは2GケータイのPDC方式のものであり、3Gケ
ータイのW−CDMA方式のノウハウについては当然のことなが
ら当初はきわめて乏しいものだったのです。
 つまり、FOMAの場合、基地局との無線通信の制御やバッテ
リーの使い方などはPDC方式のそれとは全く違うものであり、
かなりの試行錯誤の期間を要したのです。また、基地局は一から
作る必要があり、2Gケータイの基地局は使えなかったのです。
 その結果として、基地局の不足から「圏外」が多くなり、つな
がりにくいとのクレームが殺到したのです。後で改めて述べます
が、FOMAの電波は従来のムーバの電波に比べると弱いため、
遮蔽物の影響を受け易かったのです。さらに、端末のバッテリー
はすぐ消耗してしまい、これもユーザの不信を買ったのです。
 これに対して、auの3Gケータイ化は、既設の基地局を生か
すという方針のもとに、従来の2Gの基地局を3Gにも使えるよ
うに改良したのです。この方式の場合、3Gケータイを持ってい
ると3G基地局のあるところでは3Gケータイとして、2Gの基
地局では2Gケータイとして機能するので便利です。
 したがって、auの3Gケータイでは「圏外」ということがほ
とんどなくなり、評判は上々だったのです。基地局の改良が進む
につれてシームレスにネットワークは拡大するので、スタートが
NTTドコモよりも遅かったもかかわらず、auは途中でドコモ
を追い抜いてしまったのです。FOMAの基地局がムーバ並みに
なったのは2006年からです。 ・・・・ [通信戦争/09]


≪画像および関連情報≫
 ・KDDI・ツーカーとは何か
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  ツーカーとは、KDDIによる加入携帯電話サービスの呼称
  である。関東・東海・関西の3大都市圏を中心に、1.5G
  Hzの周波数帯のPDC方式を利用した移動体通信を提供し
  ている。ブランド名の「ツーカー」とは、「ツーカーの仲」
  「ツーカーな関係」といった言い回しで用いる「気心の知れ
  た人間関係」を指す。なお、2006年6月30日をもって
  新規加入の受付を終了している。また同年12月31日をも
  って機種変更用端末の販売も終了し、2008年3月31日
  をもってツーカーそのもののサービスも終了する。
                    ――ウィキペディア
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ケータイ基地局.jpg

posted by 平野 浩 at 04:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ケータイ通信戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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