2007年01月15日

KDDIの勝因は何なのか(EJ第1998号)

 1月12日付の東京新聞によると、2006年の携帯電話純増
数は、KDDIの圧勝であったということです。
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        年間の純増/減       06年末シェア
 KDDI   253万0200台  28.7%(+1.3)
 NTTドコモ 184万8100台  55.0%(−0.9)
 ソフトバンク  37万9800台  16.3%(−0.5)
             ――2007.1.12/東京新聞
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 新聞には、この表のほかにMNP関連として、次の数字が掲載
されています。
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              番号継続制度関連
      KDDI    46万4700台
      NTTドコモ ▲34万6000台
      ソフトバンク ▲11万7400台
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 この数字は、一部概数であるとしているのですが、10月にス
タートしたMNPによって、KDDI、すなわちauがNTTド
コモから35万ユーザ、ソフトバンクから11万ユーザを奪って
46万ユーザを獲得したということを意味しています。
 序盤戦でKDDIが好調なのは確かですが、本当の意味でのM
NP関連のデータは3月末頃までの数値を見ないといえないと考
えます。それでは、KDDIはなぜ勝利したのでしょうか。
 それはイメージ戦略の勝利なのです。良い意味での「安い」と
いうイメージを作ったことに勝因があります。現在、ケータイの
料金は全般的には極めて割高です。これはソフトバンクの孫社長
のいう通りなのです。
 かつては固定電話が割高で、電話会社は多くの利益を稼ぎ出し
ていたのですが、それが崩れたため今度はケータイに参入し、同
じように利益を上げようとしているのです。日本のケータイ料金
は世界一高いのです。
 EJの今回のテーマを書くため、ケータイキャリア各社の料金
を精査したのですが、使い方の違いによって多少の差はあるもの
の全体としての料金はほとんど違いはないのです。とくにMNP
開始一年前くらいからその差はなくなってきています。
 その中にあってauは、独特のイメージ戦略をとってきている
のです。「auバイ・KDDI」というフレーズを私たちは何回
聞かされたのでしょうか。これで「auはKDDIなんだ」とい
うイメージが浸透したと思います。
 しかし、ケータイの通話料金で差を出すのは大変なのです。何
といってもケータイの通話料金はドル箱だからです。そこでau
はケータイの通話料金を表面に出さず、メールとパケットで勝負
する戦略を立てたのです。
 auは今では当たり前の「パケ割」を2002年10月から導
入しています。「パケ割」は「パケット割引」のことで、パケッ
ト通信料金が割安になるサービスです。そして、パケット料金が
定額になる「EZフラット」を2003年11月から開始してい
ます。ずい分早い仕掛けです。
 既にお話ししているように、ケータイには次の3つの要素があ
りとてもわかりにくくなっています。そこで、auはあえて2と
3を前面に出して強調する戦略をとったのです。
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           1.通  話
           2.Eメール
           3.パケット
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 インターネットなどの通信は、データをパケットという単位に
分けて送受信するのです。いわゆるパケット通信方式です。NT
Tドコモの「iモード」のスタート当初は、メールもパケット制
だったのですが、ケータイ端末の性能が向上し、端末でウェブサ
イトを見たり、音楽データをダウンロードしたりするようになっ
たので、メールは1通当たりいくらで、送るデータの容量で課金
する現在の料金制が導入されたのです。
 2003年頃からケータイでウェブサイトを見たり、ゲームを
やったりするユーザが若者の間で広がり、そのためNTTドコモ
の「iモード」ユーザを中心に「パケ死」状態になる若者が急激
に増えたのです。「パケ死」とはパケット通信料金が高額になっ
て、ケータイ料金を支払えず、利用を中止されてしまう状態のこ
とをそう呼んだのです。
 この時期にauは、「パケ割」と月額4410円の定額料金の
「EZフラット」を投入したのです。もっとも月額4410円の
定額といっても、それにケータイの基本料金がプラスされるので
すから、けっして安い料金とはいえないのです。
 しかし、NTTドコモよりはかなり安かったので、「パケット
のau」という評価が広がったのです。MNP開始の3年も前の
話です。MNPがまだ話題にもならない頃、NTTドコモの独走
が続いていた頃からauは着実に手を打っていたのです。
 auの戦略にあわてたNTTドコモは、急遽月額4095円の
「パケ・ホーダイ」を導入します。2004年6月からスタート
したNTTドコモのサービスです。
 しかし、auの場合は、低コストのネットワークをあらかじめ
作ったうえで、料金値下げや定額制の実施に踏み切っているのに
NTTドコモの場合は、auに対する対抗措置としての性格が強
いのです。表向きは強気ではあるものの一部赤字覚悟の対抗措置
ではないかと業界関係者は見ているのです。
 そのため、「パケ・ホーダイ」を使えるのは、基本料金が月額
6982円以上の高額プランのユーザに限定したのです。相手は
若者なのです。NTTドコモはどういうユーザを対象にこのサー
ビスを考えたのでしょうか。   ・・・・ [通信戦争/06]


≪画像および関連情報≫
 ・auとは何か
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  au(エーユー)は、KDDIおよび沖縄セルラー電話の提
  供する携帯電話事業のブランドである。auブランドを開発
  した株式会社ジザイズによると、携帯電話を介し、様々な人
  やモノとの出会いが生まれ、その出会いを通じて全ての価値
  が集い合う世界の実現を「『会う』に始まり、『合う』に行
  き着く」という意味合いから「au」の2文字でシンプルに
  表現したと説明。一方でauによると、 access, always, ame
  -nityなどのAと、unique, universal,user などのUで構成
  されていると説明している。
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MNPスタート!!.jpg
posted by 平野 浩 at 04:39| Comment(1) | TrackBack(0) | ケータイ通信戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
第三世代方式はパケット通信に強みがあり、第二世代より非常に割安に通信が可能です。auは第三世代を他社に先行していたためパケットの定額制など独自性を出せたのです。
現在はドコモもFOMAが主流になり、パケット定額などauと互角に戦える状態になっています。
Posted by KTYTI at 2007年02月08日 14:47
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