2007年01月12日

端末を入手しやすくさせるサービス(EJ第1997号)

 番号ポータビリティ制度――MNPの最大の目玉は、ケータイ
電話機(端末)だと思うのです。どうしてかというと、ケータイ
キャリア各社を変更するには必然的に端末を買い直さなければな
らないからです。
 その端末の最大の目玉は、時期的にやはりワンセグケータイで
あろうと思います。おそらく10月24日のMNPスタートまで
に、各社それぞれ魅力的な端末を用意すると考えていたのです。
 しかし、私の予想とは大きく違っていたのです。昨年12月の
時点までで、それぞれのキャリア各社が用意したワンセグ付き端
末は、NTTドコモはわずか1機種、auは2機種、ソフトバン
クは3機種だったのです。投入時期は、au、ドコモ、ソフトバ
ンクの順であり、どのように見ても一番遅く発売したソフトバン
クの端末が、デザイン、機能ともに一番良いと思われます。これ
は、明らかに意気込みの違いをあらわしていると思います。
 NTTドコモの中村維夫社長は、ワンセグ本放送開始の直前に
次のようにいっているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 通信と放送の融合にどのように取り組んでいくのかを探ってい
 きたい。今のサイマル放送では、ケータイはテレビ受像機のま
 まであり、ドコモにメリットはない。2008年のサイマル放
 送見直しで、どんなサービスができるのか、どんなビジネスモ
 デルが構築できるのかが、重要な課題だといえる。もし、テレ
 ビとは別の放送を流すことができれば、そこで新たな広告が獲
 得できたり、有料での放送を行うことも可能だ。
              ――NTTドコモの中村維夫社長
―――――――――――――――――――――――――――――
 要するにワンセグケータイは、ドコモとしてメリットがないの
で、最小必要限度のことしかしない、と明らかに乗り気ではなく
事実その通りの対応をしています。この社長には完全に顧客から
の視点が欠けています。私は、中村社長のこの発言を知って、ド
コモを離れようと決意したのです。
 ちなみに「サイマル放送」というのは、ワンセグの放送内容と
して、2008年までは現在据え置き型テレビ向けに放送されて
いる番組を視聴できるようにする――そういう措置のことをいう
のです。2008年には見直しが行われるのです。
 現状では、ワンセグケータイ端末はあらゆる端末の中の最高機
種に位置づけられています。通常の端末に付いている機能にプラ
スして、ワンセグTV、音楽プレーヤー、お財布ケータイ、ブル
ーツゥースなど、すべての機能が付いています。したがって、価
格はどうしても5〜7万円もしてしまうのです。
 問題は、現実問題として5〜7万円の端末が売れるだろうかと
いうことにあります。一般の顧客が店頭で支払うケータイ端末の
価格はせいぜい2〜3万円でしょう。いまどき、7万円ならPC
だって購入できるからです。
 ところが「新スーパーボーナス」なら、誰でもリーズナブルな
価格で最高級のケータイ端末を手にすることができるのす。
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 ・機種/ソフトバンク911SH――アクオス・ケータイ
 ・価格/72480円
  72480÷24=3020 → 本来の1ヶ月の負担分
  3020−2280=740 → 実際の1ヶ月の負担分
―――――――――――――――――――――――――――――
 実際の例に基づいて説明します。ソフトバンクから提供されて
いるシャープ製のワンセグケータイ/911SHを選んだとする
と、価格は72480円になるのです。金利・手数料はソフトバ
ンクの負担ですから、それを24で割ると3020円――これが
実際の毎月の負担額ということになります。
 しかし、この3020円から毎月ソフトバンクが2280円を
負担してくれるのです。したがって、740円がワンセグケータ
イの月額負担分になります。つまり、24ヶ月間は基本料金であ
る2880円に740円を加えた3620円を支払うことになる
わけです。
―――――――――――――――――――――――――――――
    740円×24=17760円
    72480円−17760円=54720円
―――――――――――――――――――――――――――――
 したがって、24ヶ月を払い終わると、ユーザの端末負担分は
17760円になります。この価格で最高級のワンセグケータイ
端末が入手できるのです。このケースのソフトバンクの割引きは
24ヶ月で、54720円ということになるわけです。
 ソフトバンクの割引き額はケータイ端末によって異なり、機種
によっては無料になるものもあるのです。要するに「新スーパー
ボーナス」は端末を買いやすくするためのサービスである――そ
う考えることができます。
 「新スーパーボーナス」の前身の「スーパーボーナス」は、上
記のケースでいう17760円を頭金として店頭で受け取って端
末を渡し、ユーザの毎月の負担分と同等額をソフトバンクで割引
いて、24ヶ月間続けるシステムだったのです。
 「新スーパーボーナス」は、その頭金を24回分割にして支払
うシステムにし、店頭では受け取らないようにしたのです。その
ため、店頭では1円も支払う必要がないので「お持ち帰り0円」
と称したわけです。
 ここまで、「通話」を中心にソフトバンクの「0円戦略」につ
いてご紹介してきましたが、これだけでも戦略の核心は見えるは
ずです。来週の月曜日は1月15日であり、「ゴールドプラン」
の締切日ですが、ソフトバンクは16日から「ホワイトプラン」
という新しいサービスをスタートさせようとしています。
 来週からは、もう少し全体的な立場から、ケータイによる通信
戦争について書いていきたいと考えています。これから壮絶な戦
いが始まるのです。       ・・・・ [通信戦争/05]


≪画像および関連情報≫
 ・ワンセグ放送とは何か
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  地上デジタル放送で行なわれる携帯電話などの移動体向けの
  放送。2006年4月1日放送開始。もともと技術的呼称と
  して1セグメント放送と呼ばれていたが、地上デジタル放送
  推進協会によって2005年9月にワンセグという名称が決
  定された。日本の地上デジタル放送方式では、1つのチャン
  ネルが13の「セグメント」に分割されており、これをいく
  つか束ねて映像やデータ、音声などを送信している。ハイビ
  ジョン放送は12セグメント必要だが、通常画質の放送は4
  セグメントで済むため、3つの異なる番組を1つのチャンネ
  ルで同時に放送することもできる。
  ―――――――――――――――――――――――――――

アクオスケータイ.jpg
posted by 平野 浩 at 04:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ケータイ通信戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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