2007年01月09日

通話無料サービスの衝撃(EJ第1994号)

 「ソフトバンクのユーザ同士の通話は無料にする」――いくつ
かの条件付きではありますが、このソフトバンク戦略は、同業他
社であるNTTドコモやau、とくにドコモには絶対に真似がで
きないのです。なぜなら、シェア55%のNTTドコモがそれを
やったら、一番重要な収入源の電話料金が激減し、電話事業が成
り立たなくなってしまうからです。
 シェアが過半数を占めているということは、ケータイで誰かに
電話する場合、相手がドコモである可能性が高いということなの
です。したがって、それを無料にすると命取りになります。
 ところで、ケータイはもはや電話とはいえないのです。ケータ
イには次の3つがあります。料金は3つの使い方によって決まっ
てくるのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
           1.通  話
           2.Eメール
           3.パケット
―――――――――――――――――――――――――――――
 これについては改めて詳しく述べますが、ドコモは「通話」に
よる収入に一番重点を置いている企業なのです。したがって、多
くの限定条件付きならともかく、ソフトバンクのようなかたちで
の「通話無料」を打ち出すことはできないのです。これはauで
も同じことがいえます。
 これら3つのうち、最初から2と3を入れて論ずると、話がや
やこしくなるので、しばらく「通話」に絞って考えることにしま
す。なぜなら、これら3つのなかでは「通話」が一番重要だから
です。ケータイでメールやイターネット、音楽のダウンロードな
どをやらない人はいても通話をしない人はいないからです。ケー
タイは機能がどんなに進化しても電話であることには変わりはな
いからです。統計データがあるわけではありませんが、ケータイ
を通話専用で使っている人の割合は一番高いと思うのです。
 もし、ケータイを通話専用で使う場合、現在、どこの会社とケ
ータイの契約を結んでいる人でも、ソフトバンクケータイ宛の通
話が無料になるソフトバンクのサービスを利用するのが一番トク
になります。なぜなら、今までの通話のうち、ソフトバンクケー
タイ宛にかけていた分が無料になるからです。当たり前の話です
が、今までソフトバンクにかけていた分は有料だったからです。
 したがって、MNP開始寸前の孫社長の通話0円発表は、ドコ
モやauにとって衝撃的だったのです。そのため、ドコモの中村
社長は、一部上場の大企業の社長としては、いささか感情的な発
言をしています。彼は、ソフトバンク同士の通話はすべてが無料
ではなく、無料でない時間帯があると噛みついたのです。
 確かに、ソフトバンクのユーザ同士の「通話無料」には、次の
時間帯はユーザ同士であっても、「月に200分までは無料」だ
からです。
―――――――――――――――――――――――――――――
  午後9時〜午前1時までの通話は月200分限度で無料
―――――――――――――――――――――――――――――
 このように「一番大事なことが小さく書いてある」ことは確か
に問題ですが、これはケータイ各社の広告にもいえることであっ
て、ソフトバンクだけの問題ではないと思います。
 「ケータイ・ウォッチ」というサイトに出ている記事をご紹介
しておくことにします。
―――――――――――――――――――――――――――――
 中村氏は「23日夜から言われっぱなしで、怒りすら覚える部
 分がある」と発言。ソフトバンクの新聞広告を持ち出して0円
 の表記と、孫社長の名前は大きく書いてあるが、大切な条件が
 小さく書いてある。ソフトバンクモバイルに移動したが、請求
 書を見て、こんなはずじゃなかったという人が増えることが心
 配。こういう出し方はフェアなのかどうか」などと語った。同
 氏がこれだけ他社を批判することは、これまでに例がなかった
 だけに、記者の間からも驚きの声が出ていた。
 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/31710.html
―――――――――――――――――――――――――――――
 考えてみると、普通の人は午後9時〜午前1時までは家にいる
ケースは多く、そのときは固定電話を使えばいいわけです。大半
の人にはあまり問題ではない制約であると思います。しかし、現
代の若者はこの時間帯で友達と長話をするということです。
 しかし、対ソフトバンクケータイ宛の通話を無料にするには、
もうひとつ大事な条件があるのです。中村社長はなぜこの点を問
題視しなかったのでしょうか。それは次の条件です。
―――――――――――――――――――――――――――――
      「ゴールドプラン」に入っていること
―――――――――――――――――――――――――――――
 ゴールドプランについては改めて詳しく述べますが、このプラ
ンに入っていないと、通話もメールも無料にならないのです。こ
のゴールドプラン――本来は月額基本料が9600円なのですが
2006年1月15日までに申し込んだ場合は、70%割引きの
2880円で加入できるというのです。もちろん、今後もこの料
金はコースを変更しない限り変わらないのです。
 ゴールドプランの加入によるソフトバンクケータイ宛の無料通
話サービスのヒントは、ウィルコムの「定額プラン」にあると考
えられます。しかし、ウィルコムはMNPの埒外にあります。
 ウィルコムの前身はかつてのDDIポケットであり、KDDI
の傘下に入っていたのです。総務省が主体となってケータイ各社
を集めてMNPを検討していたとき、DDIポケットはKDDI
の傘下企業であったため、代表を出せなかったのです。その後外
資に買収されてウィルコムになったものの携帯電話会社ではない
ということにされてしまい、今回のMNPから外されてしまった
のです。このウィムコムのユーザ同士通話無料サービスについて
は、明日のEJで述べます。   ・・・・ [通信戦争/02]


≪画像および関連情報≫
 ・景品表示法とは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  景品表示法は一般消費者の保護及び公正な競争秩序の確保の
  見地から、昭和37年に独占禁止法の不公正な取引方法の規
  制を補完する法律として制定され、不当な顧客誘引行為のう
  ち、過大な景品類の提供や不当な表示をより効果的に規制す
  ることを目的としています。さらに、公正競争規約の制度を
  定め、公正取引委員会の認定を受けて、景品類又は不当な表
  示に関する事項について、業界が自主ルールを設定できると
  しています。
  ―――――――――――――――――――――――――――

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posted by 平野 浩 at 05:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ケータイ通信戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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