2012年12月21日

●「河野一郎の独特の交渉スタイル」(EJ第3454号)

 河野一郎氏が日韓裏交渉で実施した奇想天外な交渉方法とはど
のようなものでしょうか。河野氏が丁一権国務総理に送った親書
には次のように書かれています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 閣下と私の代理者、閣下の代理者と私がすみやかにそれらを
 解決   ──ロー・ダニエル著/「竹島密約」/草思社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 要するに、丁一権国務総理と河野一郎国務大臣は一切動かず、
それぞれの代理人が接触するという交渉スタイルであり、それに
斡旋役まで決められているのです。これらをまとめると、次のよ
うになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
       日本側責任者:   河野一郎
          代理人:   宇野宗佑
         交渉場所:  河野事務所
       韓国側責任者:丁一権国務総理
          代理人:    金鍾珞
         交渉場所:   総理公館
          斡旋役:   嶋元謙郎
―――――――――――――――――――――――――――――
 斡旋役の嶋元謙郎氏は、既に述べたように、読売新聞のソウル
特派員であり、そのバックには渡邊恒雄氏がいます。双方の代理
人にとっては嶋元氏は便利な存在です。また、嶋元氏が入ってい
たお蔭で、交渉に関する情報が記録に残されているのです。
 日韓交渉の具体的なやり方について、嶋元氏は次のように書い
ています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 双方ともタイプ用紙十枚前後に、ぎっしりタイプされた案文を
 手渡し、一つ一つについて、さらに密使が説明を加えるという
 方式であった・・・しかし、密使の役割は厳格に限定され、案
 文の説明や相手側の疑問点と反応を探るだけにとどまり、案文
 に関する交渉権や裁量権は一切、与えられなかったという。文
 字通り密使だったわけだ。
       ──ロー・ダニエル著/「竹島密約」/草思社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 嶋元謙郎氏はこのように書いていますが、別の情報によると、
金鍾珞氏は河野氏の提案をまず朴大統領に上げ、そのうえで丁総
理に報告しています。そういう意味では、事実上は朴大統領対河
野一郎国務大臣の意見交換だったようです。どういうわけか朴大
統領は丁一権国務総理をあまり信用していなかったように思われ
ます。
 それでは、河野氏と丁総理で話し合われたことは何だったので
しょうか。大別すると次の3つです。
―――――――――――――――――――――――――――――
          1.    漁業権
          2.  竹島領有権
          3.日韓条約の内容
―――――――――――――――――――――――――――――
 これら3つのうち、領土問題に深く関係するのは1と2ですが
最初に3番目の「日韓条約の内容」について述べておきます。こ
こには、最大の難問があったのです。それは北朝鮮の問題です。
 朴政権としては、大韓民国は朝鮮半島に存在する唯一の合法政
府であり、それをちゃんと認めることが、条約締結の前提である
と主張していたのです。
 しかし、日本側は将来北朝鮮と国交正常化を行う可能性を考え
て、明確に条文上にそれを明記したくなかったのです。このよう
に書くと、なぜそんなに北朝鮮に配慮するのかと不思議に思う人
もいると思います。
 それには理由があるのです。当時日本社会党は強力な野党であ
り、その社会党は北朝鮮に同調していたので、与党の自民党とし
ては、そこに一定の配慮をせざるを得なかったのです。もちろん
拉致問題などが出て来るのはずっと後の話です。
 河野国務大臣は、韓国が日本との条約締結を急いでいることを
百も承知したうえで、非常に巧妙な提案をしたのです。1965
年6月22日に締結された「日本国と大韓民国との間の基本関係
に関する条約」(以下、日韓基本条約)の第3条は、河野氏が出
した提案を韓国側が受け入れたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 第三条 大韓民国政府は、国際連合総会決議第195号(3)
 にあきらかにしめされているとおり、朝鮮にある唯一の合法的
 政府であることが確認される。
―――――――――――――――――――――――――――――
 国際連合総会決議第195号をわかりやすくいうと、1948
年に国連は朝鮮半島全体で自由な選挙をしようとしたのですが、
当時北朝鮮を支配していたソ連がこれを拒否したのです。
 そこでやむなく南朝鮮だけの選挙を実施して、大韓民国という
政府が成立したのです。したがって、朝鮮半島全体をみて合法的
政府といえるものは、今のところ南朝鮮だけである──こういう
内容なのです。つまり、当時国連が有効に支配できた半島の南部
分については合法的政府はできたが、北部分については関知しな
いというわけです。
 韓国側は「大韓民国は朝鮮半島に存在する唯一の合法政府」で
あること明記すべきであると主張したのですが、日本側は「国際
連合総会決議第195号に示されているように」と明らかに表現
で逃げています。
 つまり、この表現ならば、韓国側と日本側で都合のよい解釈が
できるのです。その証拠に、日本は2002年9月に小泉首相が
訪朝し、北朝鮮と「日朝平壌宣言」を結んでいますが、これにつ
いて韓国は何もいってきていないのです。本来なら、これに抗議
してきても不思議ではないのです。
                 ── [日本の領土/58]

≪画像および関連情報≫
 ●教科書の執筆基準から「韓半島唯一の」という表現を削除
  ―――――――――――――――――――――――――――
  「韓国は、韓半島(朝鮮半島)で国連から承認された唯一の
  合法政府。これは歴史的事実だ」中学校用歴史教科書の執筆
  基準開発委員会は2011年10月24日、教育科学技術部
  (省に相当)傘下の歴史教育課程開発推進委員会に、執筆基
  準の最終案を提出した。当初、執筆基準草案には「韓国は国
  連から、韓半島唯一の合法政府として承認された」という文
  言が含まれていたが、最終案では「韓半島唯一の」という表
  現が取り除かれた。これをめぐり、延世大学政治外交学科の
  金明燮(キム・ミョンソプ)教授(48)は24日、本紙の
  インタビューに応じ「“韓半島唯一の”という表現を削除す
  ることは望ましくない。韓国が唯一の合法政府と韓国の歴史
  教科書が教えてきたのは真実だ」と語った。金教授は『解放
  前後史の認識』に共著者として参加した政治学者で、延世大
  学統一研究所長を務めており、「韓国現代史学会」にも参加
  している。(国連決議を文章通り解釈したら、どういう意味
  になるかに対して)「長くて複雑だが、要約すると『韓国政
  府は、選挙可能な地域で唯一の合法政府であり、韓半島にそ
  うした政府は唯一』という意味だ」
     http://blogs.yahoo.co.jp/jlshan5492/6864990.html
  ―――――――――――――――――――――――――――

丁一権国務総理.jpg
丁一権国務総理
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 日本の領土 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「最高裁国民審査毎年1回施行改革国民投票」
内部告発 <政策ビラの新聞折り込み 私のは半分捨てた!> 姫井由美子速報!!! 
http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/520.html#c52

今度の選挙最大の憲法違反公選法違反がまさにこのすべてのマスゴミがスクラムを組んでの選挙誘導報道である。

この一事を以て今度の選挙が完全に違憲状態で投票されたとして直ちに最高裁によって選挙無効再投票決定が出されなければならず、最高裁がこの当然の公明正大な選挙やり直し命令を出さないのなら、この国はすでに法治国家では無く無法国家でありならず者政府独裁国家である。

つまり我が国では郵便ポストが赤いのも猿のおしりが赤いのもなんもかんもみ〜んな最高裁が悪いのである。

ただちに国民投票を立ち上げ最高裁国民審査を税務申告同様毎年1回必ず行うよう主権者倫理道徳国民の直接投票で破廉恥奇形司法を廃し厳正なる司法へとの民主主義改革を即座に成し遂げよう!
Posted by 東行系 at 2012年12月21日 23:23
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。