2007年01月05日

ケータイの通信戦争がはじまる(EJ第1993号)

 2007年最初のテーマは久しぶりにITの話題を取り上げた
いと思います。テーマは次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
     「ケータイ2.0/生き残るのはどこか」
       ― 知られざる衝撃の通信戦争 ―
―――――――――――――――――――――――――――――
 私事ですが、昨年12月にケータイの会社を変更したのです。
「iモード」のスタートとほぼ同時期の1999年5月から利用
してきたNTTドコモからソフトバンクに変更したのです。もち
ろん「番号ポータビリティ制度」(MNP)を利用してです。
 私の場合、ケータイは仕事の関係上、アナログの頃から使って
いたので、10年以上にわたってNTTのケータイを使い続けて
きているのです。それなのに、なぜ、最大のシェアを誇るNTT
ドコモから一番シェアの小さいソフトバンクに変更したのかとい
うと、ソフトバンクの戦略に共感したからです。
 そして、その戦略について述べることは、ケータイの今後の変
化について語ることになると思ったのが今回のテーマを選んだ理
由です。今回は予告編的な話から入っていきたいと思います。
 MNPのスタートは2006年10月24日――その時点での
携帯電話契約件数のシェアは次のようになっていたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 NTTドコモ 5214万3700件 ・・・ 55.4%
 KDDI   2660万3100件 ・・・ 28.3%
 ソフトバンク 1533万0800件 ・・・ 16.3%
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     合計 9407万7600件 ・・・100.0%
―――――――――――――――――――――――――――――
 携帯電話の契約件数は、ケータイを使っている人の数をあらわ
していると考えてよいと思いますが、ケータイの利用者9408
万人という数字は、日本の人口1億2800万人の74%に当た
るのです。これは、仕事を持っている人のほぼ全員、外を歩いて
いる人の10人中8人がケータイを持っている計算になります。
 かつてこれほど普及した携帯端末はありません。しかも、ケー
タイの場合、文字通り肌身離さず持っているわけであり、相手が
どこにいても連絡がとれることになります。これは実に凄いこと
ではないでしょうか。
 それにしてもNTTドコモのシェアは実に55.4%――マー
ケティング的にいうと圧倒的なシェアです。まさに1人勝ちの状
態です。これに対してソフトバンクは16.3%であり、これは
勝負にならない差であるといえます。この状況でどのように戦う
のか――ソフトバンクの戦略には非常に興味があったのです。
 NTTドコモには、何といっても先行者利益があり、しかも、
NTTという巨大にして強力な通信会社をバックに持っているの
です。強いし、一番有利なポジションを占めていたといえます。
 それに加えてケータイ各社は、ポイント制や家族割引など、顧
客が他社に流出しない手を次々と打っていったのです。古くから
使っていればいるほど、会社を変更すると損になる仕組みを各社
競って作り上げていたのです。
 なかでも一番大きな壁は、会社を変更すると、電話番号が変わ
ることだったのです。これは利用している期間が長ければ長いほ
ど、大勢の人に番号の変更を知らせることが必要になり、やっか
いなことだったのです。下手をすると、ケータイの会社を変更す
ると、ビジネス上の大きなリスクを抱える恐れすらあったといえ
るのです。
 NTTドコモが現在のような圧倒的なシェアを獲得できたのは
その先駆者としての経営努力もさることながら、他社に変更する
と電話番号が変わるという壁に守られてきている点も無視できな
いと思うのです。
 しかし、その壁が2006年10月24日から外されることに
なったわけです。番号ポータビリティ制度(MNP)です。した
がって、この制度は、最大シェアを有するNTTドコモにとって
最大の危機であり、それ以外の会社にとって千載一遇のチャンス
ということになります。
 この場合、KDDI(au)とソフトバンクは攻めの戦略、N
TTドコモとしては守りの戦略をとることになります。最大シェ
アを有するNTTドコモとしては、全会社力を傾けて顧客の流出
を防ぐ必要があることになります。
 NTTドコモから見た場合、auやソフトバンクは自社に誘い
込む魅力的な戦略をとってくることははじめからわかっているこ
とであり、時間もあったのだから、それを無力化するような顧客
流出阻止戦略をそれこそ智恵を絞って考え出し、実行すべきだっ
たと考えます。
 しかるに、です。NTTドコモは、信じられないことにそれを
ほとんど何もやらなかったのです。やったのは、莫大なお金をか
けて有名タレントを使ったCMを頻繁に流しただけです。
 そうでなければ、長年NTTドコモのケータイを使い、PCの
通信環境としてかつてのISDNを採用し、それをフレッツAD
SL、さらにフレッツ光へと変更している私が、ソフトバンクに
変更するはずがないのです。そのくらい、NTTドコモは、MN
Pに対して、何もやっていないと思います。
 この千載一遇のチャンスにauとソフトバンクは、何をやった
のでしょうか。とくにソフトバンクを中心にして、このテーマを
来週から追ってみたいと思います。
 「ソフトバンクのユーザ同士の通話は無料にする」――これが
ソフトバンクの孫正義社長が、MNPスタートの前日に打ち出し
たキーとなる戦略です。
 孫社長はIP電話サービスをはじめるときにも無料サービスを
打ち出していますが、ケータイの場合の衝撃度はIP電話の比で
はないのです。しかも、これはNTTドコモはもちろん、auで
も実施不能の戦略なのです。   ・・・・ [通信戦争/01]


≪画像および関連情報≫
 ・番号ポータビリティ制度(MNP)とは何か
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  番号ポータビリティは、携帯電話や固定電話などの電話の利
  用に際して、契約している電話会社(電気通信事業者)を変
  更しても、電話番号は変更しないまま、継続して利用できる
  仕組みである。番号持ち運び制度とも言われる。また、携帯
  電話については、MNP(Mobile Number Portability)とも呼
  ばれる。              ――ウィキぺディア
―――――――――――――――――――――――――――――

「予想外割」を発表する孫社長.jpg
posted by 平野 浩 at 04:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ケータイ通信戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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