ご迷惑をおかけしました。専門家による調査の結果、原因は私の
家のADSLモデムの不調にあるのではなく、NTTの局側の私
のモデムに対する機器の不調だったのです。これでは、ユーザと
しては、対応しようがありません。NTT側と連絡をとって、完
全に修復しましたので、今朝からEJは、通常通りの方法で送信
しております。
このように、インターネット・メールは、今でも不安定なとこ
ろがあり、当方がきちんと送信しても、EJが100%届くとは
限らないのです。そういうわけで、EJが届かないとき、それも
未着が2日以上にわたる場合は、お知らせいただければ、再送さ
せていただきます。
さて、今朝からは話題の映画をテーマとして取り上げます。そ
の映画とは米国映画『マトリックス』です。この映画は3部作で
3本の映画で話が完結する超大作です。第1章は1999年に封
切られ、それから実に4年後の2003年6月に第2章、11月
に第3章が公開され、現在第3章の『マトリックス/レボリュー
ション』が上映されております。
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『マトリックス』 ・・・・・・・・・・・・ 1999年
『マトリックス/リローデッド』 ・・・・・ 2003年
『マトリックス/レボリューション』 ・・・ 2003年
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私はもちろんそのすべてを劇場で観たうえで、第1章、第2章
のDVDを入手し、可能な限り情報を収集してEJで取り上げる
ことにしたのです。EJで取り上げる以上、単なる映画解説では
なく、ビジネスマンの話題としても使えるレベルを目指していま
す。今朝は、その予告編です。
映画『マトリックス』は、ジャンルとしてはSF(サイエンス
・フィクション)ということになります。「SFは苦手だ」とい
う人もいるでしょう。しかし、この映画は明らかに単なるSFを
超えています。
EJでは、ときどき映画の話題を取り上げています。今まで取
り上げたものは『2001年宇宙の旅』、『13デイズ』、『千
と千尋の神隠し』、『コンタクト』などがあります。映画は娯楽
ですが、話題になる映画というものは、きちんと観て、自分の感
想なり意見を持っておくべきであると思います。
あのリチャード・クー氏ですら、固い経済書の中で、1997
年の北海道拓殖銀行の破綻に関連して、次のように書いているの
です。
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ところで、北海道の出来事(拓銀の破綻――平野注)で、日
本と諸外国との間に大きな認識のずれが生じた。東京の外資系
金融機関としか接点のない海外のマスコミは北海道で実際に何
が起きたのかを全く報道しなかったのである。そこで私が、当
時流行っていた映画『コンタクト』で、ジョディ・フォスター
が宇宙に打ち上げられる時、出発点となったのが北海道だと説
明すると、ようやく北海道が日本にある四つの大きな島の1つ
だとわかってもらえたのである。 ――リチャード・クー著
『デフレとバランスシート不況の経済学』(徳間書店刊)
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この記述において、もし読者が映画『コンタクト』を観ていな
かったら、何のことかわからないはずです。忙しくて、わざわざ
映画館に行く時間がないという人がいるかもしれません。それな
ら、現在ではDVDで観ることもできるのです。
EJの情報源は、単行本や新聞・雑誌だけではありません。イ
ンターネットは当然のこととして、さまざまな人から直接話を聴
いたり、TV番組、映画などもフル動員するのです。映画もぜひ
関心を持っていただきたいと思います。とくに60歳以上の方は
どんな映画でも1000円で観られる特典があります。
さて、前置きが長くなりましたが、『マトリックス』の話に入
ります。『マトリックス』は、TVでも公開されましたので、ご
覧になった方もあると思います。しかし、内容は本当に理解でき
たでしょうか。
1回でこの映画を理解するのは大変難しいと思います。何回も
繰り返して見るべきです。その点DVDは便利です。何回でも観
ることができるからです。しかし、そのための条件として、何回
見ても飽きがこないくらい面白くなければなりませんが、『マト
リックス』は、その条件を十二分に満たしていると思います。
それに『マトリックス』は、それを見たあとで、内容について
いろいろ友達と語り合える――それができる映画なのです。それ
は、何回見てもよくわからない謎の部分、隠された部分がいくつ
もあるからです。『2001年宇宙の旅』でもそういうところが
多い映画だったと思います。だから、現在でも語り継がれている
のです。
『マトリックス』の研究家といわれるグレン・イェフェス氏は
『マトリックス』について次のようにいっています。
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あなたは『マトリックス』をただの映画だと思っていなかっ
たでだろうか。
いい映画がみなそうであるように、すぐれた芸術作品がみな
そうであるように、一度観るだけでは不十分だ。繰り返し、見
なおし、その意図と衝撃への注意深い考察を加えることによっ
て、じつに多くのことが発見できる。たんに物語としてではな
くひとつの批評として、この映画に描かれている現実というも
のの本質について、かなり詳細に検討する機会があたえられて
いるからで――われわれと、われわれ自身の「現実」を映しだ
す鏡となっているのだ。われわれには洞察の機会があたえられ
るのだ。―――グレン・イェフェス編、『マトリックス完全分
析』より。小川隆ほか訳/扶桑社刊
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