2012年09月24日

●「非国会議員の国政政党党首の矛盾」(EJ第3392号)

 党首が非国会議員の国政政党や地域政党は、日本維新の会と大
阪維新の会以外にも2つあります。国政政党は「新党大地・真民
主」、政党化を狙っている地域政党は「減税日本」です。
 新党大地・真民主は、党首の鈴木宗男氏が公民権停止中であり
やむをえない事情があります。減税日本については、党首の河村
たかし氏は名古屋市長を務めており、維新の会と似ていますが、
河村氏は国政政党化するにあたって、次期衆院選に立候補する構
えを見せている点が維新の会とは違います。
 新党大地・真民主と減税日本が日本維新の会とさらに決定的に
違う点は、ナンバー2の幹事長が、次のようにいずれも国会議員
が務めていることです。
―――――――――――――――――――――――――――――
    新党大地・真民主 ・・・・ 松木謙公幹事長
    減税日本     ・・・・ 小泉俊明幹事長
―――――――――――――――――――――――――――――
 これに対して日本維新の会は、非国会議員が党首と幹事長を独
占しているのです。これは、非国会議員が国会議員を差配する構
図であるといえます。
 この体制の問題点は、日本維新の会が次期衆院選で目標とする
241議席以上を獲得し、政権与党になったときに出てくるので
す。日本維新の会が過半数を獲得すると、首班指名が行われます
が、党首の橋下氏は非国会議員なので、指名されることはありえ
ないのです。そうなると、日本維新の会は、所属国会議員の中か
ら、首相を決める必要があります。
 この場合、日本国の首相は、選挙の洗礼を受けていない最大与
党の党首、橋下大阪市長の下に位置することになるのです。こん
なことがあってもいいのでしょうか。実際問題として、日本維新
の会がいきなり、過半数を占めることなどあり得ないでしょうが
そういう大きな矛盾をはらんでいることになります。
 これについて元民主党衆院議員で政治評論家の木下厚氏は次の
ように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 大阪市の代表としてしか選ばれていない市長が、国民の代表で
 ある国会議員を支配するのは本末転倒かつ無責任で、民主主義
 に反するのではないでしょうか。責任の所在をはっきりさせる
 ためには、国会議員が党首になり、橋下、松井両氏はその下に
 付くべきでしょう。       ──政治評論家の木下厚氏
             ──「サンデー毎日」9/30日号
―――――――――――――――――――――――――――――
 こんな矛盾に橋下氏が気がつかないはずはないのです。だから
こそ、「国政には出ない」といくらいっても、いざとなったら、
橋下氏はやはり国政に出るのではないかという噂が消えないので
す。なにしろ「出馬は2万パーセントない!」といって大阪府知
事選に出馬した橋下氏のことですから、前言を翻すことは十分あ
ると考えている人は多いのです。
 しかし、私は次の2つの理由で橋下氏は次期衆院選には出馬し
ないだろうと考えます。
―――――――――――――――――――――――――――――
  1.もし大阪市長をやめたら、大阪市民から見放される
  2.次期衆院選で過半数を取っても参議院議員がいない
―――――――――――――――――――――――――――――
 いうまでもないことながら、国政選挙に出るには大阪市長を辞
任し、再び大阪市長選を行わなければならないことになります。
実にムダな話です。
 しかし、橋下氏に代わる強力な候補者はおらず、次期市長に橋
下氏が擁立する候補者が勝つ保証はないのです。きっと橋下氏が
辞めるとなると、前市長の平松邦夫氏が出馬すると思われ、もし
橋下陣営が選挙に破れると、大阪都構想の実現に赤ランプが灯っ
てしまいます。
 それに橋下氏が市長を投げ出したら、大阪市民は黙っていない
はずです。「橋下は大阪を捨て石にするのか」という不信を買う
ことは必至です。そうなると、現在維新に吹いている「風」は一
瞬にやんでしまうことを橋下氏はよくわかっています。
 もうひとつの理由は、たとえ日本維新の会が今回過半数を獲得
したとしても、日本維新の会には参議院議員は一人もいないので
結局どこかと連立を組むことになり、思うように改革はできない
のです。したがって、橋下市長としては日本維新の会の全国的な
伸びがどこまで広がるのか見極めるため、今回は出馬せず、状況
によっては来年の参院選に出馬するのではないかと思われます。
 しかし、党首も幹事長も選挙に出ないことのマイナスは計り知
れないのです。新党では党首が先頭に立って政策を訴えて選挙を
戦うのが常識です。日本新党でも細川護煕党首は、1992年に
まず参院選を勝ち抜き、翌年の衆院選に出馬して当選を果たして
いるのです。まさに率先垂範が不可欠なのです。
 ところが日本維新の党では、次期衆院選に党首も幹事長も出馬
せず、合流した国会議員以外は選挙の素人が、「橋下徹」の名前
だけを旗印に落下傘候補として全国で選挙を戦うのです。果たし
て勝てるでしょうか。党首と幹事長の不出馬は選挙の当落に大き
く影響するのです。
 ところで日本維新の会は、9月15日、党規約を巡って合流予
定議員と協議しています。大議論になったのですが、代表選での
投票権など党の方針を決める権限について、国会議員と地方議員
を同列に扱うとする規定を盛り込むことに、何とか同意に達した
のです。
 民主党や自民党では、国会議員と地方議員で1票の価値に差が
あるとして同列の扱いは行っていないのです。数千票でも当選で
きる大阪府市議団とその何10倍の票をとらないと当選できない
国会議員と同列にするのは問題であるとして、一部の合流議員が
反対して、相当もめたのです。しかし、合流議員はあまり強くい
える立場にないので、同列に扱うことに合意してしまったものと
思われます。           ── [橋下徹研究/54]

≪画像および関連情報≫
 ●日本維新の会 「二足のわらじ」は無理だ/産経ニュース
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  大阪市長という重要な業務を担いながら、国政政党の党首も
  つとめるなど無理である。「大阪維新の会」を率いる橋下徹
  氏は、党首か市長いずれかに専念すべきだ。維新の会は9月
  8日の全体会議で、国政への進出を正式に決めた。近く立ち
  上げる新党「日本維新の会」の党首には、橋下氏が市長のま
  ま就任する。幹事長を兼ねる松井一郎大阪府知事とともに、
  2人の地方首長が国会議員を指示していくという極めて異例
  の党運営だ。「二足のわらじ」について橋下氏は「誰もやっ
  たことがないので、『やっていく』としか言いようがない」
  としている。認識が甘いのではないか。外交や安全保障、治
  安の確保や教育、産業の振興、さらには災害などの緊急事態
  もある。国政上の諸課題への対応を決断することは、市長の
  傍らでこなせるほど簡単ではない。そもそも、国会に議席を
  持たない者が国政政党の党首をつとめること自体に、強い違
  和感を覚える。しかも世論調査によれば、日本維新の会は次
  期衆院選で政治の行方を左右しかねない議席数を獲得する可
  能性もある。国政への重い責任があるのだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120909/stt12090903090002-n1.htm
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「首長と国政政党党首は両立可能」/橋下市長.jpg
「首長と国政政党党首は両立可能」/橋下市長
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 橋下徹研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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平松「大阪市長は暇じゃない。橋下の行動には全く納得できない。」
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