人の候補者を立て、党首の細川護煕、小池百合子両氏を含む4人
の当選を勝ち取っています。当選率は23.5 %です。当時日本
新党には何の組織もなかったのですが、かなりメディアで話題に
なっており、初陣にしては大きな成果を上げたのです。
その人気の高さを証明したのは、1993年1月の新潟県白根
市市議選です。日本新党の単独推薦候補者が、自民党と日本社会
党両党の推薦候補を破るという快挙を成し遂げたのです。これは
日本新党の人気が地方にも浸透していたことを示しています。
さらに1993年6月の東京都議会議員選挙では、22人の公
認候補者を擁立し、実に20人を当選させ、都議会第3勢力に躍
り出たのです。その勢いで、同年7月の第40回衆院選で、候補
者57人中35人を当選させたことは、昨日のEJで述べた通り
です。当選率は実に60%を超えているのです。
しかし、日本新党の選挙は、人気の中心人物である代表の細川
護煕氏がつねに先頭に立って行われているのに対し、日本維新の
会の場合は、人気の中心の橋下代表が選挙には出馬せず、大阪市
政を担っているのです。これでは、大阪を中心とする関西圏では
強いものの、その人気はとても全国には及ばないでしょう。
そういう点を考慮して、日本維新の会の当選者数を推測すると
平均当選率は「風」を考慮しても、せいぜい25%程度ではない
かと思われます。政治評論家の鈴木哲夫氏による比例も入れての
候補者数120〜140人を前提にすると、30人〜35人程度
ということになります。多くても50人以下でしょう。
テレビの報道や新聞をみると、橋下旋風で過半数だって可能性
があるような気がしますが、同じ「風」でも、民主党が政権交代
したときの「風」とは違うような気がします。明らかに、異質の
「風」なのです。
民主党は長い野党時代に、国会活動を通じて、当時の与党であ
る自民党を相当追い詰めています。あの消えた年金問題をはじめ
政官財の癒着の追及や、小泉構造改革(新自由主義)の否定など
鋭く政権与党に迫っています。そういう民主党の活躍を国民は目
にして、「一度民主党にまかせてもいいのではないか」と思った
に違いないのです。
それに加えて見逃せないのは、2003年(平成15年)の民
由合併です。当時の民主党は、地方組織が磐石ではなく、どちら
かというと、都市部を中心に「風」頼みの選挙を行ってきたので
す。小沢氏は、各議員・候補者に徹底した地元活動を求めるなど
地盤の強化に力を注いだのです。
その結果が2007年4月の統一地方選挙の勝利に結びつき、
7月の第21回参院選で自民党を破って大勝利し、参議院での与
野党逆転を果たしているのです。さらに小沢氏は、参議院での多
数を武器に与党に激しく抵抗する「対立軸路線」を敷き、自民党
政権を追い込む戦術を駆使し、遂に2009年8月の衆院選で与
野党逆転を実現したのです。
民主党の巻き起こしたあの「風」は、以上のような長年の積み
上げによるものであり、現在日本維新の会に吹いている「風」と
は違うのです。それに国政選挙において、過半数を獲得するのは
「風」だけでは無理なのです。
まして、今回は人気を背負っている党代表の橋下徹氏が選挙の
先頭に立たないのです。いや、本当は立ちたいのでしょうが、立
てないのです。なぜなら、もし、橋下氏が大阪市長を投げ出して
国政に進出したら、現在橋下氏に吹いている「風」は、逆風にな
る恐れがあるからです。「橋下は国政に出るために大阪府市を利
用した」と判断されていまうからです。大阪といえども、4割も
の反橋下勢力があって、完全支配ではないのです。
もうひとつ日本維新の会には、不安材料が出てきています。そ
れは、2トップの橋下市長と松井知事の間に明確な考え方のズレ
が出てきていることです。それは、みんなの党との連携の決裂か
ら目立つようになってきているのです。
最近の出来事でいうと、国民新党の松下金融担当相の自殺に伴
う鹿児島3区補選について、松井知事はすぐに「候補擁立を検討
する」と発言したのですが、次の日に橋下氏は「擁立すべきでは
ない」と反対しています。そして、正式に補選には出ないことが
決定されたのです。
このツートップはかなり意見が違うのです。しかし、国会議員
を日本維新の会に招致することについては、もともと自民党員で
ある松井氏が詳しいので、橋下氏はかなり自分の意見を抑えて松
井氏の提案を受け入れているようにみえます。
この橋下、松井両氏の関係について、政府事情通は次のように
述べています。
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あの2人は持ちつ持たれつ、利用し合っているのが実情です。
府議から知事にまでノシ上がった松井は、橋下あっての松井。
ただし、橋下も、市議団と府議団を松井が押えているため、彼
に頼らざるを得ないのです。 ──政府事情通
──9月15日付、日刊ゲンダイ「橋下徹の正体」
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選挙をコントロールしているかに見える松井氏ですが、これま
で国政選挙の経験はなく、とくに地方の組織づくりについては素
人同然です。維新の関係者は次のように述べています。
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橋本さんと松井さんのズレが大きくなっています。たとえば、
みんなの党との関係です。橋本さんはみんなの党とも手を結び
たいが、松井さんは消極的。小沢一郎氏との関係もそうです。
橋本さんは小沢氏のことを政治家として高く評価しているが、
松井さんが毛嫌いしている。(中略)もともと我が強く、利害
で一緒に行動している2人だけに、いずれ決定的に対立するの
ではないか。 維新の会関係者/日刊ゲンダイ「橋下徹の正体」
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── [橋下徹研究/51]
≪画像および関連情報≫
●橋下市長と松井知事のちぐはぐな関係
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大阪維新の会が9月12日、大阪市で政治資金パーティーを
開き国政進出を目指す新党「日本維新の会」結成を正式に宣
言した。維新の会代表の橋下徹大阪市長(43)はこの日、
衆院鹿児島3区補欠選挙への対応をめぐり、同会幹事長の松
井一郎大阪府知事(48)の方針を一喝。順風満帆の新党だ
が、幹部の「対立」騒動という思わぬ船出となった。橋下氏
を困惑させたのは松井氏が示した「ハイエナ作戦」だ。金融
郵政民営化担当相だった松下忠洋氏の死去に伴う10月28
日投開票の衆院鹿児島3区補欠選挙に、松井氏はこの日午前
日本維新の候補者擁立を検討する方針を表明。自殺した閣僚
の選挙区に真っ先に狙いを定めた点を報道陣に問われた橋下
氏は「すべきじゃない。選挙屋として見られるのは間違いな
い。国民がすぐに引いてしまう」と反発した。「2トップ」
の意見が食い違うのは初めてではない。今月3日、日本維新
党首のポストを巡り、松井氏が「橋下さんしかいない」と発
言したことに対し、翌4日、橋下氏は「あくまで松井知事の
個人的な見解だ」と反論。最終的には党首は橋下氏に落ち着
いたが、ちぐはぐな対応を見せていた。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20120913-OHT1T00024.htm
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日本維新の会結党宣言


