主張について考えていきます。
大前研一氏はこういうのです。この国には過去から連綿と続く
三つの呪縛があり、現在はそれらが重なった状態にある。今こそ
過去から訣別し、それらの3つの呪縛を解き放つことが必要であ
る。具体的には次の3つの訣別が今求められており、だから「維
新」なのである、と。
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第1の訣別/江戸時代から続く中央集権からの訣別
第2の訣別/明治時代から続く行政改革からの訣別
第3の訣別/均衡ある国土の発展の思想からの訣別
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第1の訣別は「江戸時代から続く中央集権からの訣別」です。
江戸幕府──それは、実に巧妙に構築された組織運営機構であ
り、それがゆえに270年も続いたのです。それは、各地の大名
(藩主)の家族を江戸で預かり、それらの大名を参勤交代させる
ことによって、藩の経済力があまり過大にならないよう調節する
のです。
そのうえで殖産興業を奨励するのですが、造船、架橋、港湾事
業など、軍事につながることは基本的に認めず、実施するときは
幕府が必ず介入するのです。このシステムによって、叛乱を起こ
されるのを事前に防いでいるのです。
しかし、欧米列強によって、日本は開国するのですが、このメ
カニズムは現在でも生き続けているのです。現在、地方の首長の
多くは、少なくとも月に一度、多い場合は週に1回は東京に出て
きているはずです。これは「現代版の参勤交代」であると、大前
氏はいっています。
第2の訣別は「明治時代から続く行政改革からの訣別」です。
ここで「明治時代から続く行政改革」とは、明治4年(187
1年)に行われた「廃藩置県」のことです。いうまでもないこと
ながら、これは現在も残っています。しかし、この廃藩置県は壮
絶なる大改革だったのです。なぜでしょうか。
明治維新以前は、地方の自治権は藩主が握っていたのです。と
ころが廃藩置県は、藩をなくすのですから、藩主の自治権を奪い
あわせて土地や権力も取り上げたのです。これによって藩主は、
何か職を持たないと、生活ができない身分になり、クーデターが
起きてもおかしくない情勢だったのです。それをどのようにして
実現させたのでしょうか。
大きかったのは薩長土肥──薩摩藩、長州藩、土佐藩、肥前藩
が連合を組んだことです。彼らは率先して版籍奉還と廃藩置県を
上奏し、明治政府に入り込み、役人による官僚体制を作ったので
す。このようにして、明治時代の国政は、薩長土肥主導で行なわ
れたのです。
この薩長土肥主導政治は、次の2つの思想によって推し進めら
れたことを大前研一氏は指摘しています。
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1.国家生存のためには軍事が必要である
2.天皇の代行役として官僚の権限が強化
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明治政府は、明治天皇をいただいて日清、日露戦争に勝利し、
1についての思想は強化されたのですが、これは、太平洋戦争の
敗戦によってオールクリア―されたのです。
2に関しては、もともと官僚は天皇の代行役として位置づけら
れたのですが、敗戦によって天皇が象徴天皇になったのにもかか
わらず、官僚はそのまま権力を維持し、現在の官僚主導政治体制
が出来上がったのです。これについて、大前研一氏は次のように
述べています。
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敗戦後、日本は民主主義国家になり、絶対君主制ではなく象徴
天皇制になったが、この中央集権的な統治機構は温存された。
あれだけ抜本的な改革を日本に押し付けたアメリカだが、さし
ものマッカーサーも、州の力の強い連邦制で育っているために
日本の中央集権がここまで組織的かつ絶対的な力をもっている
とは気づかなかったのだろう。したがって、新憲法は統治機構
のあり方についてほとんど言及していない。国民の権利や義務
を30条にもわたって細かく記しながら、地方自治について触
れているのはわずか4条である。 ──VOICE編集部編
『橋下徹は日本を救えるか』より大前研一氏論文
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第3の訣別は「均衡ある国土の発展の思想からの訣別」です。
大前研一氏は、日本は田中角栄元首相の「日本列島改造論」に
代表される「均衡ある国土の発展の思想」から脱却すべきである
と主張しています。
1977年に策定された「三全総」──第三次全国総合開発計
画は、中央の繁栄を全国均等に分けるという発想に基づいていま
す。しかし、結局それらの資金は、無駄な公共事業に使われ、土
建事業に過度に依存するようになって、長い間にわたって、地方
から自立の精神を奪ったのです。もはや「全国一律、全国均等」
という発想は、経済活性化の観点からも、国家財政の面からも持
続可能ではないのです。大前氏は次のように述べています。
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現在の都道府県の枠組みをリセットして、10くらいの組織に
括り直し、好き好きに競争させて自活の道を探してもらう。中
央から税金を交付してもらうのではなく、世界から繁栄のため
の資金と人材を集めてくる「自由」を地方に与える。これこそ
橋下氏のいう「大阪都」の背景にある哲学にほかならない。
──VOICE編集部編の前掲書より
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大前氏のいう「3つの訣別」をクリアするということが、平成
維新、すなわち、大阪都構想、道州制につながっているのです。
── [橋下徹研究/44]
≪画像および関連情報≫
●橋下徹は日本を変える希望の星/大前研一
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「国民が期待しているのは、関西電力にケンカを売る橋下市
長ではなく、日本を変える希望の星としての橋下徹であると
いうことを忘れないでもらいたいですね」。
橋下市長のブレーンで経営コンサルタントの大前研一氏は、
こう語るのだった。6月27日に行われた関電の株主総会。
資料を手に質問に立った橋下徹・大阪市長はまくしたてた。
「核燃料サイクル、核燃料の再処理事業は今後も継続するの
ですか」「中間貯蔵施設は増設するのですか」「高放射性廃
棄物の最終処分地はいつまでに作るのですか」「このような
状況で関電管内の使用済み核燃料をいつまでもたせるのです
か」「原発は何基止まれば赤字になるのですか」。関電・大
飯原発の再稼働を容認したはずの橋下市長の詰問に紛糾する
会場。だが、これも作戦どおり。民意に沿って追及はするが
大ゲンカはしない・・彼は事前に大前氏のアドバイスを受け
ていたのだ。橋下市長の戦略の根幹に大前氏の構想がある。
彼の発言を読み解く上で、キーを握るのが大前氏の存在だ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32960
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大前 研一氏


