2012年08月28日

●「維新の会の政局観は急進的である」(EJ第3374号)

 昨日のEJで取り上げた大阪維新の会とみんなの党の政策観と
政局観の違いの表を再現します。
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               政策      政局
    大阪維新の会  現実主義的   急進主義的
     みんなの党  急進主義的   現実主義的
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 みんなの党については、昨日既に述べているので、大阪維新の
会について述べることにします。大阪維新の会の橋下代表は、維
新の会との合流は、維新の会の政策──維新八策についての公開
討論が必要だといっています。意見が一致しない限り、連携も合
流もないというのです。
 しかし、完全に一致しなければ組まないといっているわけでは
ないのです。現に維新の会の松井幹事長は、次のような発言もし
ているからです。
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 維新八策について、譲れる範囲がどこまでなのかをフルオープ
 ンで議論したい。「これしか駄目だ」と言うと、広がりをつく
 ることができない。        ──松井維新の会幹事長
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 このように、主要政策以外では柔軟に対応する考えを表明して
います。これは、現時点でも維新八策の内容が自信の持てるレベ
ルに達していないことを意味しています。現時点で発表されてい
る維新八策は次の2つです。まだ、「維新八策」の最終版は発表
されていないのです。
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  1.維新・次期衆院選公約「維新八策」たたき台/2月
  2.次期衆院選公約「維新八策」政治塾レジュメ/3月
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 つまり、たたき台やレジュメ以上のものがまだ発表されていな
いのです。このたたき台を見た評論家の佐々惇行氏は、『産経新
聞』にかなり激しい批判論文を掲載したときの顛末を次のように
述べています。
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 「維新八策」に失望した私は、2月24日付の『産経新聞』に
 「『維新』の『船中八策』に異議あり」という論考を寄せた。
 国政を担うには外交・安全保障分野への認識が著しく欠けてい
 る、と厳しい論調で批判したのだ。そのうえで、「天皇制の護
 持」や「憲法9条改正」などが必要だと指摘した。すると同日
 午後1時過ぎに橋下氏はツイッターで私に対するコメントを発
 表した。「佐々さんの主張はまさに正論。反論はありません」
 と。この素早さと素直さに私は驚いた。続いて、彼は次のよう
 に述べた。「日本は国家安全保障が弱い。これは全てに響いて
 きています」。そして「全ては憲法9条が問題だと思っていま
 す」といい、憲法改正の必要性を認めたのである。さらに、現
 行の憲法のままでは改正は容易ではない、だから、憲法改正要
 件を定めた第98条を緩和して国民投票を行えるようにする、
 も述べた。                ──佐々惇行氏
              VOICE編集部一同/PHP刊
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 このように、政策に関しては自信がないのか、基本方向が同じ
であれば、その修正については比較的柔軟なのです。そういう意
味で政策に関しては現実主義的であるといえます。
 全国に維新の会ができて橋下氏は困惑していますが、維新は国
のかたちを変えるという意味で使われるべきであり、軽々しく乱
用すべきではないと思います。
 さらに、「船中八策」とか「維新八策」と呼称するのは、もっ
と違和感を覚えます。坂本龍馬の「船中八策」は、当時藩制──
地方分権をとっていた日本の政治体制を壊し、列強諸国に劣らな
い中央集権国家に脱皮させる政策について述べたものであり、維
新の会の船中八策はその真逆をやろうとしているからです。
 さて、政策には現実主義的な大阪維新の会ですが、その政局観
は、きわめて急進的です。これについて、みんなの党・衆議院大
阪府第9区支部長の足立やすし氏は次のように述べています。
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 大阪維新の会の政局観であるが、同じ会見で松井知事は「(み
 んなの党の政策は国会で)広がっていない状況があり、実現で
 きない集団になってしまう。政治は結果責任。決定できる態勢
 を作れるチームが必要」と指摘し、大阪府市で首長と議会の過
 半数(大阪市は公明党と連携し過半数)を獲得したのと同じよ
 うに、国政にあっても、一気に政権獲得にチャレンジすると受
 け取れる考え方を表明されている。    ──足立やすし氏
             http://blogos.com/article/45498/
―――――――――――――――――――――――――――――
 今や選挙の生き残りを賭けて、民主党をはじめとして多くの議
員が大阪維新の会に擦り寄っています。また、維新政治塾を開い
たところ、信じられないほど多くの応募があり、維新の会では、
塾生を888人に絞って、全国選挙区に候補者を立てることも可
能な体制になってきています。
 こういう状況を受けて、大阪維新の会は、当初考えていた方針
を変更したフシがあります。当初はみんなの党と組んで、全国に
候補者を立てて選挙を行う予定だったと思います。
 しかし、事態は、橋下氏や松井氏の想像以上に大阪維新の会に
期待が寄せられているのを知って、離党してくる議員に維新八策
の踏み絵を踏ませ、その勢力を中心にして、大阪維新の会とは別
に新党を立ち上げ、このさい、一挙に天下を取ろうと考えたので
はないかと思います。大阪維新の会の政局観が急進的であるとい
うのは、そういう観点からいわれているのです。
                 ── [橋下徹研究/36]


≪画像および関連情報≫
 ●石原新党はどうなったのか/2012年8月24付
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  東京都の石原慎太郎知事を党首に想定している「石原新党」
  の動きが停滞している。野田佳彦首相が「近いうち」の衆院
  解散を明言し、大阪市の橋下徹市長率いる「大阪維新の会」
  などの第3極の動きが激化しているのに、この静けさの背景
  は何か。石原氏側近が「3つの真相」を明かした。石原新党
  をめぐっては、中枢メンバーである「たちあがれ日本」の平
  沼赳夫代表が7月、8月にも石原氏が正式に態度表明すると
  の見通しを語ったが、石原氏は10日、「こちらは新党より
  も尖閣(諸島購入計画)のほうで手一杯なんだ」とけむに巻
  いている。石原氏側近は「新党の動きは現在ストップしてい
  る」と話し、理由として(1)尖閣と2020年の五輪招致
  という都政の重要課題が残っている(2)中枢メンバーであ
  る国民新党を離党した亀井静香衆院議員と平沼氏の不仲が解
  消されていない(3)長男である自民党の石原伸晃幹事長の
  反対−を挙げた。尖閣については、政府も「国有化」を表明
  したが、地権者は「石原氏にしか売らない」と話しており、
  常識的には途中で投げ出すことは難しい。2020年五輪の
  開催地は来年9月に決まる予定だが、20日に東京・銀座で
  行われたロンドン五輪メダリストのパレードには50万もの
  人々が集まり、招致機運は高まっている。(続きを読む)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120824/plt1208241122004-n1.htm
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足立やすし氏/佐々淳行氏.jpg
足立 やすし氏/佐々 淳行氏
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 橋下徹研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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