2012年08月27日

●「みんなの党と維新の会の関係」(EJ第3373号)

 大阪維新の会に動きが出てきているので、これについて現時点
でわかっている範囲で述べることにします。事態は現時点では、
非常にわかりにくくなっていると思います。
 2012年8月20日の夜、大阪市内のホテルで橋下大阪市長
と松井知事は、みんなの党の渡辺代表と会談しています。そこで
何が話し合われたのでしょうか。
 その会談のさいに橋下市長から渡辺代表に伝えられた新事実が
あります。それは新党を結成をするという話です。これまで伝え
られていたことは、地域政党である大阪維新の会が、5人以上の
国会議員の参加を得て政党要件を満たし、国政に進出するという
構想だったのですが、大阪維新の会は大阪の課題を解決するため
に地域政党のまま残し、別に新党を立ち上げるというのです。
 橋下・松井両氏は、渡辺代表に対し、みんなの党を解党して新
党に丸ごと参加しないかと訴えたようです。しかし、会談は3時
間にわたりましたが、渡辺代表は最後まで「イエス」とはいわな
かったといいます。
 問題は、22日の松井知事のコメントです。松井氏は「みんな
の党とは組まない」と明言しているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 みんなの党は、われわれと同じような政策を掲げているが、
 みんなの党と組むことは、今のわれわれの考え方にはない。
                   ──松井大阪府知事
―――――――――――――――――――――――――――――
 同じ22日に渡辺代表は、次のようにいっています。何となく
はっきりしないコメントです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 地域ごとのすみ分けや、選挙における相互推薦、それに双方
 の合流など、維新の会との連携のしかたはいろいろな枠組み
 があるが、一致させて政界再編することが望ましい。
              ──みんなの党・渡辺喜美代表
―――――――――――――――――――――――――――――
 もともとみんなの党は、次期衆院選で「東のみんな、西の維新
が補完して、二大政党に対抗する無党派層の受け皿になる」戦略
を考えていたのです。これは、「国民の生活が第一」の小沢代表
が主張する「オリーブの木」と同じ構想です。
 しかし、これについて松井氏は明確に否定しているのです。彼
は次のようにもいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 われわれは、みんなの党に限らず、どこかの党と連携する考
 え方はない。            ──松井大阪府知事
―――――――――――――――――――――――――――――
 これは、党対党の連携はしないが、維新の会の衆院選公約「維
新八策」への合意を前提とし、既成政党を離党してくるか、党を
解党して合流するなら受け入れるという意味なのです。かなり、
上から目線の傲岸不遜の態度に見えます。
 みんなの党・衆議院大阪府第9区支部長の足立やすし氏は、大
阪維新の会とみんなの党のトップ会談の不調の原因について、自
身のブログで次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 政策/政局に関する原理主義度の違いが、いわゆる、ケミスト
 リーの違いとして影を落としているように感じている。みんな
 の党は、政策については原理主義的(=教条主義的)であるが
 政局については現実主義的(=急進的ではない)、一方の大阪
 維新の会は、反対に、政策については現実主義的であるが、政
 局については急進主義的だ。(ここで「現実主義的でない(=
 原理主義的)」というのが「現実的でない」という意味でない
 ことは言うまでもない。)        ──足立やすし氏
             http://blogos.com/article/45498/
―――――――――――――――――――――――――――――
 足立氏の主張する大阪維新の会とみんなの党の違いを整理する
と、次のようになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
               政策      政局
    大阪維新の会  現実主義的   急進主義的
     みんなの党  急進主義的   現実主義的
―――――――――――――――――――――――――――――
 みんなの党は、「脱官僚・地域主権・生活重視」という3つの
理念を掲げて、2009年に結党し、「小さな政府・活力重視・
日米同盟基軸」の政策群をパッケージとして訴えてきたのです。
 その政策は、その体系や整合性にも十分留意した完成度の高い
ものであり、それがゆえに、消費税増税に賛成したり、郵政民営
化に反対したりした議員は同志でないというような原理主義とい
うか、教条主義的なところがあるのです。
 しかし、政局に関しては、かなり現実的なところがあります。
2010年の参院選、2011年の統一地方選をポップ、ステッ
プと位置付け、2012年に行われるとされる衆院選をジャンプ
として大飛躍を成し遂げる。そしてみんなの党が触媒として政界
再編を引き起こしたいと考えているのです。
 その結果、みんなの党としては、政界再編の触媒としてその過
程で消えてもよいとまで考えているのです。しかし、国会議員が
16名のみんなの党と、新人ばかりの維新の会が組んでも政府を
構成できるわけでもなく、もっと大きな枠組みで業界再編が行わ
れる必要があると考えているのです。きわめて現実的な考え方で
あるといえます。
 それなら、なぜ、渡辺氏は、橋下・松井両氏が立ち上げる新党
に合流しないのでしょうか。それは、政局観が維新の会とはかな
り違うからです。それに、ここにきて維新の会の意図が少し見え
てきたからではないでしょうか。維新の会の意図については、明
日のEJで取り上げます。     ── [橋下徹研究/35]


≪画像および関連情報≫
 ●みんな・渡辺氏と大阪維新の会、思惑にズレ
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  みんなの党・渡辺代表と大阪維新の会の大阪市・橋下市長と
  大阪・松井府知事が20日に会談していたことがわかった。
  両者の合流も含めた次の衆議院議員選挙での連携について話
  し合われたとみられるが、両者の思惑にはズレが出ている。
  松井知事によれば、会談は渡辺氏から呼びかけられた。会談
  では、次の衆院選での連携について、両者の合流も含めて話
  し合われたとみられるが、みんなの党全体での連携を模索し
  ている渡辺氏と、大阪維新の会側とでは思惑にズレがあるよ
  うだ。松井知事は「我々は『新しい政治集団をつくりたい』
  と申し上げた。どこかと、それがみんなの党さんであっても
  そこと組むということについては、今の僕らの考え方の中に
  はございません」と述べ、みんなの党全体との合流には難色
  を示した上で、「政治判断は議員個々人でされるべき」など
  と、議員が個人で合流することには期待感を示した。一方、
  大阪維新の会との連携を模索している民主・自民・みんな3
  党の国会議員らが22日、道州制型統治機構研究会の会合を
  開き、大阪維新の会が政策として打ち出している消費税の地
  方税化について議論した。会合の後、自民党・松浪議員は、
  11日に橋下市長と会談した際、大阪維新の会との共同勉強
  会を提案されたことを明らかにした上で、今後も連携を強め
  ていく考えを示した。 ──読売テレビニュース&ウェザー
  ―――――――――――――――――――――――――――

渡辺・橋下/松井会談.jpg
渡辺・橋下/松井会談
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 橋下徹研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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