2012年06月22日

●「国債と長期金利の関係について知る」(EJ第3328号)

 救済が決定したにもかかわらず、スペイン国債の金利が高止ま
りしています。スペインは大丈夫なのでしょうか。心配されたギ
リシャの再選挙は緊縮派が勝利し、3党による連立政権が樹立さ
れることが決まり、先行きはともかくとして、目先の危機は回避
されているといえます。心配なのはスペインです。
 2012年6月20日現在、スペインの10年物国債は依然と
して危険水域とされる7%を超えています。19日には1年物国
債と1年半物国債の入札が行われましたが、無事に目標の上限で
ある30億ユーロ(約3000億円)を調達でき、10年物国債
の利回りは0.1 %下がったものの、まだ7.1 %と7%台に止
まっています。
 スペインの既に発行済みの国債の平均金利は4%です。償還期
間の短い国債の利回りはそれを下回るのが正常なのですが、スペ
インでは、1年物の平均落札利回りは5.1 %と非常に高いので
す。5月に実施したときは3%でしたから、2%も上回っている
ことになります。
 ところで、ここで国債と金利の関係について、知識を整理して
おきたいと思います。とくに長期金利はよく出てくるので、正確
に理解しておく必要があります。スペインの長期金利は非常に高
く、ドイツや日本は非常に低い──なぜ、そうなるのかについて
考えてみます。
 預金は金利という収益の「率」が先に決まっています。これに
対して株式の配当─企業の利益を分配──という収益は「金額」
がまず決まって、収益率が計算されます。
 預金や株式と同じ金融資産である国債──とくに中長期の国債
は、その両方の性格を有しているといえます。便宜的に次の仮定
で考えましょう。
―――――――――――――――――――――――――――――
             期間/ 10年
           額面価格/100円
         クーポン金利/ 10%
―――――――――――――――――――――――――――――
 クーポン金利というのは何でしょうか。
 クーポン金利とは、政府が毎年支払う利息が額面価格に対して
何%かという「率」を決めたものであり、100円に対して10
%なら毎年10円の利息が支払われることになります。実際には
国債の利息は半年に1回支払われるので、このケースなら半年ご
とに5円ずつ利払いが行われます。
 国債の下側には、半年に1回の利払いに対応したクーポン券が
付いていて、それを1枚ずつ切って渡すと利息が受け取れるよう
になっているのです。クーポン金利の「クーポン」はここからき
ているのです。
 さて、この10年物の国債が発行されたときに買って、そのま
ま満期まで10年間保有すれば、預金のように収益の「率」が先
に決まることになります。
 しかし、一度発行された中長期の国債を満期前に売買する市場
があるのです。債券の流通市場です。この長期国債を流通市場で
売買するとき、1年間保有すると10円の利息が得られるという
点が重視されます。
 すなわち、短期的には収益が10円に決まっている資産として
株式と同じように、国債価格は100円より高くなったり、安く
なったりして、変動するのです。
 たとえば、この長期国債が発行されてから、何らかの事情で、
他の金融資産の収益率が下落したとすると、長期国債は相対的に
有利な資産になります。そのため、他の金融資産を売って長期国
債を買う人が増えます。そうすると、長期国債は、株式や通貨と
同じように買いが増えて、国債価格は上昇するのです。
 仮に125円に国債価格が上昇したとすると、この国債を短期
で保有するときの収益率は低下します。なぜなら、125円の元
手で購入した国債で得られる収益が10円と決まっているからで
す。10円を125円で割ると8%になります。クーポン金利は
10%ですから、収益率は低下したことになるのです。
 この収益率のことを「長期金利」というのです。つまり、クー
ポン金利として決まっている利息の金額を国債価格で割ると、そ
れが長期金利になります。もし、国債価格が80円に下落したと
すると、長期金利は12.5 %になるのです。国債価格と長期金
利には次の関係があります。
―――――――――――――――――――――――――――――
    国債価格の上昇 ・・・・・ 長期金利の下落
    国債価格の下落 ・・・・・ 長期金利の上昇
―――――――――――――――――――――――――――――
 さて、国債の流通市場で長期金利が変動すると、それが次の国
債を発行するときのクーポン金利に影響します。流通市場で長期
金利が上がると国債価格が下がるので、クーポン金利を引き上げ
て収益率を調整することになります。既に発行している国債より
も収益率で劣る国債を発行しても引き受けてはもらえないからで
す。このように国債価格は長期金利と表裏一体をなすものという
ことになります。
 もし政府が国債を大量に発行すると、国債の供給が増えるので
国債価格は下落します。この場合、長期金利は上昇します。逆に
誰かが国債を大量に買うと、需要が増えるので、国債価格は上が
り、長期金利は下落します。
 もうひとつ長期金利に対して短期金利という言葉があります。
短期金利とは、期間1年以内の金融取引おいて成立する金利のこ
とです。この長期金利と短期金利の関係ですが、それはいろいろ
な金融資産の収益率によって、両方とも同じ水準に近づくことに
なります。例えば、金融引締め政策などの緊縮政策がとられると
短期金利が上昇し、長期金利も上がって、国債価格は下落するこ
とになります。       ―── [欧州危機と日本/57]


≪画像および関連情報≫
 ●長期金利と短期金利の決まり方の違い/日銀のサイトより
  ―――――――――――――――――――――――――――
  長期金利は、その時点の金融政策の影響も受けはしますが、
  それとは別の次元で、長期資金の需要・供給の市場メカニズ
  ムの中で決まるという色合いが強く、その際、将来の物価変
  動(インフレ、デフレ)や将来の短期金利の推移(やこれに
  大きな影響を及ぼす将来の金融政策)などについての予想が
  大切な役割を演ずるという特徴があります。なお、新聞等で
  長期金利の動きが報じられる時は、債券、特に長期国債(満
  期までの期間が10年弱のもの)の値動きがしばしば取上げ
  られます。これは、債券を売る(供給する)ということは長
  期資金を調達(需要)する、債券を買う(需要する)という
  ことは運用(供給)するということなので、債券「相場」の
  動きが、長期金利の動きをそのまま表すからです。債券「相
  場」が値上がりすれば長期金利は低下、値下がりすれば長期
  金利は上昇というように、長期金利も「相場」として動くと
  いうことです。
    http://www.boj.or.jp/mopo/outline/expchokinri.htm/
  ―――――――――――――――――――――――――――

ギリシャ3政党/連立政権で合意.jpg
ギリシャ3政党/連立政権で合意
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 欧州危機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
【日本国憲法に遵う正しい日本国国会議員とは】

離党届を提出した平智之衆院議員は、とても有能な方です!(ふじふじのフィルターさま)への異論
>>http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-d8b2.html

1.国会議員の責務は離党ではない。

野田を病院送りにするか留置所送りにするかして野田内閣を国会で総辞職させることである。

やはり故西岡参院議長の言葉が正しいことが証明された。

「国会議員全員共謀共同正犯である」

2.国会議員の責務には国会へ証人喚問すること、もある。

「いま日本で最悪の憲法違反市警は大阪市警です。
道交法違反被疑者を住宅地路上で拳銃5発を発射して射殺した警官を全く放置している。

在日米軍軍人軍属が殺人でも強盗強姦でもどんな凶悪な刑事犯罪を日本国領土上で行っても地位協定の治外法権で無罪なので逮捕すらできませんが、警官は在日米軍軍人軍属ではない完全に日本人ですから、射殺すれば重大な刑事責任を問われます。国民に全公開の刑事裁判が開かれなくてはならず、まさにそれが警察検察裁判所の憲法上の責務です。

法務省は全くこの刑事裁判に関わることができません。近代法治国家民主主義憲法にはかならず三権分立が定められているからです。

当該警官所属の警察署長市警本部長府警本部長警察庁長官警視庁長官すべて即時懲戒免職が当然の最も悪質重大な憲法違反行政犯罪がいま日本国民の眼前で行われているのです。国家の統治システムの根幹を破壊する犯行でありまさにオウム真理教の犯罪と同じテロ犯罪です。」
>>http://hidenori1212.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-0eb4.html

この警察組織の日本の国家システムに反逆する挑戦行為を直ちに国会で証人喚問しなくて何が国会議員であるか。いまの国会議員全員税金泥棒である。
Posted by 東行系 at 2012年06月22日 11:09
選挙も近いし。

ダウンロード刑罰化法が施行される前にこちらをダウンロードしておくことをおすすめします。

>全国から集まった10代を中心としたハンガーストライキ
>>http://blog.goo.ne.jp/newgenerations/e/b60ef7447b10ffe409c0156faa40a4b5#comment-list
から

>仙波さん講演 (通りがけ) 2011-12-19 20:21:47
やはりこちらが視聴価値最高でしょう。

仙波さん1218講演
http://www.ustream.tv/recorded/19220862

>仙波さん講演 (通りがけ) 2011-12-20 05:27:28
こちらが視聴価値最高の比類無き仙波さんの講演前半です

仙波さん1218講演
>>http://www.ustream.tv/recorded/19219658

(後半>>http://www.ustream.tv/recorded/19220862
Posted by 東行系 at 2012年06月23日 13:36
小沢和子夫人の自筆の手紙なる怪文書が、この大事な政局時に、小沢一郎後援会関係者一同に、ばら撒き郵送された。小沢一郎をひどく誹謗中傷した内容の手紙11枚のコピーであるが、ここにきて、民主党の有田芳生参議院議員と雑誌SPAが、『小沢和子夫人の自筆の手紙なる怪文書は、捏造文書だ』と断定した。捏造文書である根拠は、以下のようなものだ。
(1)小沢和子夫人は、戸籍上、未だに離婚していない。
(2)離婚したのであれば、旧姓の「福田和子」にするが、怪文書では「小澤和子」。
(3)小沢一郎も小沢和子夫人も、日常的に「沢」の文字を使うが、怪文書では「澤」。
(4)手紙の段落ごとに、一文字を下げて書くところを、下げずに並列的に書いている。
(5)後援会関係者の住所を知りうる人間は、内閣官房など、ごく少数。
(6)反民主党執行部の先鋒の小沢一郎を潰すため、仙谷由人政調会長代行・官房副長官が、官房機密費を流用して今回の怪文書を大量にばら撒いた犯人。

当方は、外国人参政権などを推進してきた小沢一郎を「売国奴」であると断言してきたが、6月26日の消費税増税の採決が迫る大事な政局時においては、「壊し屋」としての小沢一郎の本領を発揮してもらいたいと願う。つまり、野田首相と仙谷官房副長官が乗っかっている「財務官僚主導型の政治」「公務員制度改を革骨抜きにした政治」そのものである野田民主党政権を即座に解散・総選挙へと追い込めるのであれば、「売国奴」「政治利権屋」の小沢一郎を「活用」するべきなのだ。

「話し合い解散」の可能性に賭けた自民党の谷垣総裁は、消費税増税に関する自公民の三党合意によって、「政局を読めないバカそのもの」であることが判明したが、自民党の安倍晋三元首相らの私利私欲なき「国士」を中心とした新興政治勢力の台頭に期待する。




http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120622/stt12062222410011-n1.htm

安倍元首相、修正合意を批判「解散約束させるべきだった」 不信任への賛成も示唆「民主党は信頼できぬ」
産経MSN 2012.6.22 22:40
 
自民党の安倍晋三元首相は22日(金)夜のBS朝日の番組収録で、消費税増税を含む社会保障・税一体改革関連法案の自公民の修正合意について「民主党の野田首相に譲歩するなら野田首相に消費税増税法案成立後の解散を約束させるべきだった。結果として野田政権の延命に手を貸した」と述べ、自民党執行部の対応を批判した。消費税増税法案の衆院採決日程が当初の合意の6月21日(木)から与党・民主党の要請に基づき6月26日(火)へと先送りされたことを挙げ、「合意による信頼関係は崩れている。民主党は信用できない」と強調した。

 民主党の小沢一郎元代表らが野田内閣不信任決議案を提出した場合の対応については「民主、自民、公明の3党合意について、民主党を信頼するに値しないと判断するに至れば、当然、野田内閣不信任案に賛成する」と断言した。小沢氏との連携については「一緒に政治や政策をやることはない。一日も早く解散する機会として活用するだけだ」と述べた。


http://mainichi.jp/select/news/20120625k0000m010082000c.html
茂木自民政調会長:小沢元代表と連携も示唆

毎日新聞 2012年06月24日 21時06分

自民党の茂木敏充政調会長は24日のフジテレビ番組で、税と社会保障の一体改革関連法案の衆院採決を巡り、小沢一郎民主党元代表が新党結成を検討していることに関連し、「離党する方が出て、衆院で(与党の)過半数割れに近い状態になってくると、いくらでも解散戦略を描ける。3カ月以内に衆院解散・総選挙か内閣総辞職の可能性が高い」と述べ、早期の解散実現のため小沢元代表らと連携して内閣不信任決議案を提出し可決する選択肢もあり得るとの考えを示した。

 茂木氏は、野田政権を解散に追い込む戦略として、「北風なら内閣不信任決議の可決、太陽なら(赤字国債発行に必要な)特例公債法案への賛成(と引き換えの解散)でもいい」と述べた。

 自民党の岸田文雄国対委員長は24日のNHK討論番組で、26日に予定される消費増税法案などの衆院採決について「21日の約束が22日、22日が26日になった。26日は間違いなく採決してもらえると思う」と述べ、民主党内の採決先送りの動きをけん制した。【念佛明奈】

Posted by 国家とは何かを知る者 at 2012年06月25日 00:10
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