2012年06月08日

●「英国はなぜユーロに加盟しないのか」(EJ第3318号)

 EU27ヶ国のうち17ヶ国がユーロに加盟しています。残り
の10ヶ国の大半の国は、ユーロ加盟の準備をしていますが、英
国、デンマーク、スウェーデンの3ヶ国はユーロに加盟する意向
を持っていないといわれています。
 昨日取り上げたチェコは、ユーロに加盟したいのですが、ドイ
ツの反対で加盟できないのです。もし、どうしてもユーロに加盟
したいのであれば、チェコ政府は次のような正式な謝罪声明を出
して、ドイツ国民に詫びを入れることが必要です。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ズデーテン地方からドイツ人を追放したのは、わが国の当時
 の政権担当者の重大な誤りである。そのときに犯した不法行
 為の責めを負い、深く深謝する。
              ──長谷川慶太郎/三橋貴明著
 『大恐慌終息へ!?日本と世界はこう激変する』/李白社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 ところで英国はなぜユーロに加盟しないのでしょうか。
 英国といえば、欧州でドイツ、フランスに次ぐGDPを誇る国
であり、英国がユーロに加盟しないのは、ユーロの欧州統一通貨
としての価値を大きく損ねていると思いますが、なぜ、参加しよ
うとしないのでしょうか。
 ECが通貨同盟を創設しようとして、1980年代から準備を
進め、スネーク、EMSなどの実験を実施していたときの英国の
首相は、マーガレット・サッチャーです。ところが、彼女は一貫
してこの動きに反対を唱えていたのです。
 サッチャー首相は、「国の通貨の管理は選挙で選ばれた一国の
政府が行うべきである」として真っ向から反対していたのです。
しかし、英国は、サッチャー首相が退任した1990年にEMS
に参加して、わずか2年で離脱しているのです。浜矩子同志社大
学大学院教授は、英国のEMS参加のタイミングの悪さについて
次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 イギリスのERMへの加入が1990年10月のことである。
 こともあろうに、西ドイツ・マルクから統一ドイツ・マルクへ
 の切り替えが行われて、まさしく、これからERMの動乱期が
 始まろうという時の加入であった。この辺りが、現実的でした
 たかなように見えていて、その実は、いたってタイミング音痴
 なイギリスのいかにもイギリスらしいところだ。このタイミン
 グの悪さの背景には様々な要因があった。いずれにせよ、加入
 からわずか2年で離脱の憂き目を見るに至ったのは、決してイ
 ギリスばかりのせいではなかった。 浜矩子著/朝日新聞出版
      「EUメルトダウン/欧州発 世界がなくなる日」
―――――――――――――――――――――――――――――
 英国というのはプライドの高い国なのです。世論調査では、今
でも英国の国民の70%がユーロへの参加に反対しています。そ
の最大の理由は「ポンドへの愛着」です。
 ポンドのお札にはいずれも表面にエリザベス女王の肖像が描か
れています。かつて、世界の7つの海を制覇し、アフリカやアジ
ア諸国、アメリカを次々と植民地にした大英帝国──世界に先駆
けて産業革命も起こしました。その歴史が刻まれているのが、ポ
ンド紙幣です。ポンドは、英国民のプライドの象徴なのです。
 その英国──メージャー首相の時代ですが、1990年10月
に欧州各国と何の根回しもせず、きわめて無造作にEMSに参加
したのです。問題なのは、そのとき、かなり高い為替レートを設
定しているのです。対円でいうと「1ポンド=2.95 円」を一
方的に設定したのです。
 これを見て欧州の経済大国のドイツの首脳は、次のように感じ
たそうです。
―――――――――――――――――――――――――――――
    ポンドは実態よりも高すぎて、現実離れしている
―――――――――――――――――――――――――――――
 EMSの為替相場メカニズムのERMでは、ポンドの為替変動
は上下2.25 %の幅しかないのです。もし、これを超えてしま
うとイングランド銀行が変動幅を再調整するか、準備金による市
場介入──すなわち、ポンドを買うか、マルクを売るかしなけれ
ばならなくなるわけです。ドイツの首脳は、これではヘッジファ
ンドの格好のターゲットになると感じたといいます。そしてそれ
が現実のものになったのです。
 これに目をつけたのは、ジョージ・ソロスです。ソロスは15
億ポンドの空売りを仕掛け、その後も総額で150億ドルを市場
に投入して、ポンドを売り浴びせたのです。結局、イングランド
銀行は、ポンド暴落を阻止するために240億ドルもの外貨準備
金を投じたのですが、すべて市場に吸収されてしまったというの
です。このいわゆる「ポンド危機」だけでもソロスは、10億〜
20億ドルもの儲けを手にしたといわれているのです。
 かくして英国はわずか2年でEMSから離脱するのですが、そ
の日のことを当時のメディアは「ブラック・ウェンズデイ」と呼
んだのです。英国にとって屈辱の暗黒日という意味です。
 しかし、この「ブラック・ウェンズデイ」は、トニー・ブレア
首相の時代になって、「ホワイト・ウェンズデイ」といわれるよ
うになるのです。どうしてでしょうか。
 それはEMS離脱のおかげで、英国はポンド安になり、輸出主
導型成長を謳歌するようになったからです。それは1993年を
を転機として、実に16年にわたって、超ロングランの景気拡大
を記録することになったのです。
 しかし、ブレア首相は、ユーロ導入を公約に掲げて当選してき
ているのです。しかし、その公約を果たせないまま、退任してい
ます。英国がユーロに加盟しないという選択は結果として成功で
あったといってよいと思います。加盟してもそれによって英国が
利することはなかったからです。── [欧州危機と日本/47]


≪画像および関連情報≫
 ●ジョージ・ソロス/2012年の展望
  ―――――――――――――――――――――――――――
  多くの先進国が2011年に陥った経済的苦境は、人間の手
  が及ばない経済的力学だけが原因ではなかった。世界の指導
  者たちが進めた政策、あるいは進めなかった政策によるとこ
  ろが大きかったのだ。2008年に始まった金融危機の最初
  の段階において、世界の指導者たちは驚くほどの意思統一を
  実現した。2009年4月に開催されたG20ロンドン・サ
  ミットでは、総額1兆ドルに及ぶ救済パッケージをまとめた
  ほどだった。ところが、この意思統一は早々に破綻した。現
  在の世界を覆っているのは、官僚たちの内輪もめと誤った状
  況理解ばかりだ。さらに困ったことに、政策上の相違は、多
  少なりともそれぞれの国の方向性に沿う形で生じている。例
  えばドイツは財政的に非常に保守的な方向を取っている。一
  方、アングロサクソン諸国は今なおケインズに魅力を感じて
  いる。危機の根源には最初からずっと国家間の不均衡が存在
  する。これを是正するためには緊密な国際協調が必要なだけ
  にこのような国家間の乖離は状況を極めて複雑にしている。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120123/226425/
  ―――――――――――――――――――――――――――

ポンドの空売りを仕掛けたジョージ・ソロス.jpg
ポンドの空売りを仕掛けたジョージ・ソロス
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 欧州危機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
【野田谷垣会期前密約猿豚芝居売国国会】

「追い詰められた自民党・・・公明党は消費税増税法案に反対するだろう。」政経徒然草さま
http://haru55.blogspot.jp/2012/06/blog-post_08.html

今国会開会直前の野田谷垣密談の時言ったように、自公提出の憲法9条改正案を民主が丸呑みすることを交換条件にして自公が消費税増税法案に党議拘束をかけて嬉々として欣喜雀躍大賛成し、両売国法案とも今国会可決成立させる予定である。

国会議員全員売国奴なり。
Posted by 東行系 at 2012年06月08日 14:22
今度は野豚原発再起動宣言ですね。これは

1.大阪の警官が裁量で銃殺刑を執行した凶悪無比重大至極な拳銃テロと

2.オスプレイ配備問題を沖縄県知事(これもユダ金スパイ)に「そんなに安全なら都内の公園にでも移駐させたら」と言わせて渡りに船とばかりに沖縄の米軍基地じゃなく本土の岩国基地(劣化ウラン大量貯蔵したまま先日大爆発事故を起こした三井化学岩国大竹工場のすぐそばの和木町内に軍事転用可能な民間ヘリポートを建設中)へ先行配備決定したオスプレイテロ
(これは劣化ウラン貯蔵庫へオスプレイが墜落爆発すると劣化ウラン弾炸裂とおなじ核兵器テロとなります)

のふたつのユダ金銃器兵器放射能殺人テロを国民の耳目から隠すために予定通り(1.は偶然かも。2.は沖縄のスパイ知事と山口のスパイ知事とスパイ防衛省と示し合わせて)やったことです。

野豚はすべてわざとやっているのです。
基地問題・原発・TPP・PKO・消費税・腐敗司法・など国内のセンシティブな問題への政府対策発表では必ず全部について憲法を念入りに破壊し日本国内に擾乱を誘導することがユダ金スパイの使命だからです。

野豚の言う大義とはまさに麻原彰晃がいうオウム真理であり、不退転の決意で政治生命をかけて殉じるとは「修業するぞ修業するぞ・ポアするぞポアするぞ」というオウムのマントラに他なりません。

野豚や麻原や全国のほぼすべての知事(選管工作でスパイが知事になります)といったユダ金スパイを使ってひたすら国内擾乱治安悪化を誘導するユダ金は、沖縄を完全に自国領土として略奪達成する前に日本国から地位協定即時破棄されることを最も怖れているのです。沖縄が未来永劫米国にならなくなりますからね。
証拠のビデオを示します。
>>http://www.youtube.com/watch?v=ssq5WGz4LMk&feature=youtu.be

ユダ金の手に乗って国内で擾乱事件が起こったら(というか、ユダ金は擾乱事件捏造も得意技ですw)野豚スパイが戒厳令を出して自衛隊と警察を使って日本国内を速やかに軍事制圧全権掌握する予定です。

ゆえにユダ金につけ込む隙を与えぬためにはガンジーの成功体験に習って、
・すべてのデモや集会に全員ビデオ持参で参加し、
・官憲暴力に対しては完全に無抵抗で黙ってすべての官憲の動き(暴力犯行)を全員でビデオ記録しながら、
・天下の大道(車道も歩道もすべて天下の大道である)を黙々と隊列を組んで静かに堂々とむしろ旗を掲げて行進すればよい。

むしろ旗にはただひとことのみ大書する

「日米地位協定即時破棄」

これで扶桑の島日本が江戸時代以来ふたたび独立できます。

日本独立はむしろ旗でガンジーのインド独立成功体験にならってのみ達成できる。
Posted by 東行系 at 2012年06月10日 09:26
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