2012年05月03日

●「クロに近い無罪判決などない」(EJ休日特集号01号)

 本号はEJの特集号です。EJ特集号は、現在のテーマとは直
接関係はないが、EJがかつて取り上げたテーマに関連のある情
報についてお知らせする必要があるときに配信します。
 2012年4月26日、検察審査会に強制起訴された小沢一郎
元代表に対し無罪判決が下されたのです。しかし、大善文男裁判
長は、判決理由において、陸山会の政治資金収支報告書の虚偽記
載を認定し、小沢元代表はそのように記載することの報告を受け
了承していたことが推認されるとしたのです。
 しかし、そのことを小沢氏が秘書と共謀してやったかどうかに
ついては犯意も感じられず、直接的な証拠もないので、無罪をい
い渡したのですが、虚偽記載そのものは認定したのです。
 今回の無罪判決にさいして裁判所がマスコミに配付した「判決
要旨」という文書があります。その判決要旨を読んでみると、大
善文男裁判長は、石川知裕元秘書が世田谷の土地を購入するため
にとった全行動を徹底的に調べ上げ、そこに不可解なことがいく
つもあることを指摘したうえで、小沢氏に対して、そのいくつか
を報告していたことを認めながらも、なおかつ無罪しかいい渡す
ことができなかったという内容なのです。
 その判決要旨を盾にとって、記者クラブメディアを中心として
「極めてクロに近い無罪判決」という報道が行われ、無罪でも容
疑は晴れないことを印象づけようとしています。どうしても、何
がなんでも、小沢氏を悪者にしたいようです。
 判決の出た26日にテレビ番組に出演していたある弁護士は、
もし裁判長が主文を後回しにして判決理由から述べていたら、そ
れを聞いている人は間違いなく有罪を確信しただろうといってい
ます。指定弁護士からもそれに近い発言がなされています。
 しかし、判決は「無罪」なのです。どんな理屈がつこうと無罪
は無罪です。刑事裁判には無罪か有罪しかないのです。かつて小
沢氏が検察から嫌疑不十分で不起訴になったときもマスコミは、
「限りなく灰色に近い嫌疑不十分」と書き立てたものです。
 テレビでは、次の4つのポイントを上げ、判決ではそれを認定
したかどうかを問題にしたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
   1.収支報告書への虚偽記載 ・・・・ 認定する
   2.秘書との共謀はあったか ・・・・ 認定せず
   3.強制起訴は正当であるか ・・・・ 認定する
   4.検察の捜査方法について ・・・・ 問題あり
―――――――――――――――――――――――――――――
 本来この小沢裁判は、小沢元代表が秘書の行った虚偽記載に関
与していたかどうか、その共同正犯に当るかどうかを問うものな
のです。そうであるのにマスコミは、判決が収支報告書への虚偽
記載を認定したことを鬼の首でも取ったように過大に報道し小沢
批判を続けています。
 さらに産経新聞とFNNによる世論調査では、小沢氏を貶める
結果を公表しています。小沢氏本人は何もいっていないのに、勝
手に小沢氏の代表選出馬を想定し、「自ら出馬すべきではない」
が75%であることを伝え、さらに、本人の意向を無視して、小
沢氏を中心とする小沢系議員が消費増税に反対し、新党を作って
次期衆院選を戦うという想定を立て、その小沢新党が支持される
かどうかを聞き、83%が「期待しない」であることを報道して
います。本当にお節介で懲りない連中です。それほど小沢氏が憎
いのか、それとも彼の復権が怖いのかと考えてしまいます。
 マスコミが検察からのリークをもとに、あることないこと報道
し、小沢一郎という政治家の「人物破壊」を徹底して行い、その
うえで自社の実施する世論調査により、自らが貶めたターゲット
が評判を落しているさまを確認する──残酷です。ここまでやる
と、もはやメディアとはいえず、犯罪そのものです。
 ある大手テレビ会社では、小沢氏の写真や動画を使うとき、傲
慢で、印象の良くないもの、悪者に見えるものをわざと使うそう
です。そして小沢氏のニュースのさいにその映像を流し、小沢氏
の評判を落とそうとするのです。さらに小沢氏について街頭イン
タビューするときも、賛成者は少なくし、批判者の映像を中心に
使うなど、悪質なメディア戦術を駆使しています。
 検察内部で「何が何でも小沢を落とせ」というたぐいの捜査方
針に不満を募らせる若い検事が増えているようです。最近検事を
やめて暴露本を書いた元検事もいます。あの前田元検事が「検察
内部には厭戦気分が漂っている」とまでいっているのです。同じ
現象が大新聞社の中でも起きているといわれます。度が過ぎた小
沢批判に身内も嫌気がさしているのです。無罪でもこんな状況で
すから、有罪ならどうなっていたかと思います。
 多くの人は、陸山会事件──小沢裁判をおそらく次のようにと
らえていると思います。小沢氏は建設会社などからの違法献金で
得た資金など4億円を使い、世田谷の土地を購入し、収支報告書
には、秘書たちと共謀して、そのカネの流れや土地取得の時期な
どをズラして記載し、隠蔽しようとしたというものです。
 報道各社は、検察のリーク情報に基づき、小沢氏側に違法献金
をした建設会社は西松建設と水谷建設であると特定し、その資金
受け渡しの詳細──何月何日、どこそこのホテルで、石川元秘書
が紙袋入りの現金を受け取ったなどという報道をしたのです。
 陸山会公判──3元秘書の公判でそのほとんどが事実に基づか
ないものであることが判明したのですが、テレビや新聞で刷り込
まれたものは消えずに残っています。まして陸山会公判で登石裁
判長は、何の証拠もないのに推認で3元秘書に有罪判決を出した
ので、「小沢=悪人」の印象がさらに深められたのです。
 今にして思えば、司法・検察は、元秘書たちの陸山会公判では
多少無理をしても、どんな批判を浴びても、有罪判決を出してお
かないと困る事情があったのです。もはや小沢氏にとっては検察
だけでなく、裁判所も政敵なのです。しかし、現在の日本を改革
できる政治家は小沢一郎しかいないと思います。判決理由の疑問
点については、明日の特集号で述べることにします。
            ── [小沢無罪判決について/01]


≪画像および関連情報≫
 ●大下英治氏はこういっている/対小沢の新聞報道について
  ―――――――――――――――――――――――――――
  読売・朝日・毎日・産経・東京・日経の主要各紙、共同・時
  事の通信社は、すべて小沢嫌いです。紙面を見れば一目瞭然
  です。不偏不党・公正中立を建前とする日本の新聞社が、こ
  と対小沢に関しては社の壁を超えて同一歩調を取っている。
  こんな解説をよく聞くんです。「小沢は若いころから田中派
  のプリンス扱い。生意気で態度が大きかった。新開各社の論
  説委員クラスは、当時をよく知っている。だから、小沢に嫌
  悪感を抱いている。もう一つ付け加えるならば、マスコミに
  一切サービスをしない小沢さんの姿勢だ。これもなかなかに
  根深い。かつて、産経新聞の記者に訊いたことがあります。
  「なぜ、産経新聞は、特に小沢さんを叩くのか」その記者に
  よると、とりわけ小沢批判を強める産経が反小沢の姿勢を明
  確にしたのは、平成19年夏の参院選前後だという。時の安
  倍晋三政権が打ち出した方向性は、社論に合致するものでし
  た。そのため、参院選では安倍支持を明確にし、結果的には
  民主党を批判する立場になった。そうした紙面作りを続ける
  中、選挙戦に突入しました。小沢代表率いる民主党は、全国
  紙で唯一、産経にだけ広告を出さなかった。産経の経営幹部
  は、これに態度を硬化させたという。
       ──カレル・ヴァン・ウォルフレン/大下英治著
            『この国はまだ大丈夫か』/青志社刊
  ―――――――――――――――――――――――――――

小沢元代表無罪を報ずる号外.jpg
小沢元代表無罪を報ずる号外
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小沢無罪判決について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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