2012年04月27日

●「ギリシャの粉飾資料は誰が作ったか」(EJ第3291号)

 ユーロ危機のきっかけは、ギリシャがユーロに加盟するに当っ
て、自国の財政数値を粉飾したことがバレてしまったことです。
この粉飾によってギリシャはユーロに加盟できたのですが、それ
をEUの欧州委員会が、どうして見抜くことができなかったので
しょうか。
 真相のほどは不明ですが、ウォール街のインベストメントバン
クであるゴールドマン・サックスが一枚噛んでいるという情報が
あります。ギリシャはゴールドマン・サックスに多額の報酬を支
払って、デリバティブの手法を使い、ギリシャの債務を実際より
も少なく見せかけた調査書類を作成したというのです。
 どうしてギリシャはそんなことをしたのでしょうか。
 それはユーロ加盟が認められれば、一時的ではありますが、豊
かになれるからです。ギリシャのかつての通貨であるドラクマは
ドイツ・マルクの数10分の1の価値しかなかったのです。この
ギリシャの立場について、浜矩子同志社大学大学院教授は、自著
で次のように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ギリシャ・ドラクマをドイツ・マルクに両替する時、ギリシャ
 国民は、どれほど最貧困国通貨の購買力のなさを思い知らされ
 たか。ドラクマ建ての国債で借金をしようとした時、ギリシャ
 政府は市場が要求する金利の高さにどれほど苦々しい思いを噛
 みしめたか。誰もが、ドラクマよりはマルクを手元に持ちたが
 る。それを目の当たりにした時、どれほど悲哀を味わったか。
 そうした苦悶から解放されることに対して、彼らがどれほど期
 待に胸を膨らませたかは、あまりにも想像に難くない。
                ──浜矩子著/朝日新聞出版
      「EUメルトダウン/欧州発 世界がなくなる日」
―――――――――――――――――――――――――――――
 そういうギリシャがドイツと同じ購買力を持つユーロを使える
ようになったのです。お金を借りれば、今までの何十倍もの買い
物ができるのですから、貧乏人が一夜にして金持ちになったよう
なものです。そこでギリシャは大量に国債を発行し、ドイツやフ
ランスなどの銀行から借金をして、それで公務員の給与や年金の
支払いに使っていたのです。
 もし、ギリシャがそのようにして得たお金で、将来の経済成長
や供給能力拡大(設備投資など)のために投資していれば、リー
マンショックがあっても、それがやがて効いて経済を活性化させ
税収を増やすことができたはずなのですが、ギリシャは国家はも
ちろんのこと、政府としてもきわめて怠惰な、先のことを考えな
い浪費的な経済運営を続けたのです。
 2009年10月にギリシャの粉飾が明るみに出て、格付け会
社フィッチ・レーティングスやS&Pがギリシャ長期国債の格付
けを大幅に下げていますが、2010年4月からギリシャ国債は
暴落をはじめたのです。これは、ギリシャの情報を掴んだ投資会
社がカラ売りを仕掛けたのがきったけになったのです。
 国債金融アナリストの堀川直人氏は、このギリシャの財政数値
の粉飾、ユーロ加盟、粉飾露見と国債の格下げ、国債暴落などの
一連のプロセスは、初めから仕組まれたものではなかったかとし
て、次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 粉飾した最初のインベストメントバンクと、格下げをした格付
 け会社、それとカラ売りをして大儲けした投資会社は、いずれ
 もウォール街の目と鼻の先に住んでいるイタチや金融狩人たち
 なのである。彼らの問で、どのような情報交換があったのか。
 最初の粉飾の情報は、初めから投資会社に漏れていたのではな
 いか。最後に儲けた投資会社の利益は、最初に粉飾を指南した
 インベストメントバンクと、真相を暴露した格付け会社に分配
 されたのではないか。これは、初めから仕組まれた暴落劇では
 なかったのか──。            ──堀川直人著
             『略奪される日本経済』/PHP刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 このような国債の暴落劇は国際金融の世界では日常茶飯事で行
われているのです。破綻劇は、ギリシャにはじまってアイルラン
ド、ポルトガル、スペイン、イタリアのPIIGSの5ヶ国に続
き、巨大な国際金融資本が狙いを定めているのは、不動産バブル
が崩壊しつつある中国、そして日本であるといわれています。
 さて、昨日のEJで、PIIGSの国債破綻危機に対応するた
めのセーフティーネットして、3つの方策が用意されていると述
べましたが、3番目の「EFSPないしEFSMなどによる各種
の支援対応」から説明することにします。
 実はこれらの支援策は、きわめてわかりにくいのです。EFS
F、EFSM──いずれも言葉はよく似ていて、非常に紛らわし
いです。日本語訳を次に記しておきます。
―――――――――――――――――――――――――――――
   EFSF ・・・・・ 欧州金融安定ファシリティ
   EFSM ・・・・・  欧州金融安定メカニズム
    ESM ・・・・・    欧州安定メカニズム
―――――――――――――――――――――――――――――
 似たようなものが3つもあって、日本語名称を見てもどれがど
のように違うのか不明です。これは支援メカニズムがうまく機能
していないことをあらわしています。
 これら3つのうち、EFSFとESMの加盟国は、ユーロ加盟
17ヶ国ですが、EFSMの加盟国はEU27ヶ国になっていま
す。EFSFは有期で2013年6月までです。それ以降はES
MがEFSFを引き継ぐことになっていたのですが、緊急性が増
したので、2012年7月にESMを前倒しで発足させ、次の年
の6月まで、EFSFとESMの2本体制で支援を強化する予定
です。しかし、これら3つの支援メカニズムは万全のものとはい
えないのです。        ── [欧州危機と日本/20]


≪画像および関連情報≫
 ●EFSFについて記述するブルームバークの記事
  ―――――――――――――――――――――――――――
  2012年2月12日(ブルームバーグ):欧州の救済基金
  である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)は、ユーロ
  圏各国中央銀行が担保として保有する国債をギリシャが買い
  戻すのを支援するため、350億ユーロ(約3兆5900億
  円)を供給する可能性がある。ギリシャ政府が公表した法案
  で明らかになった。ギリシャ議会のウェブサイトに掲載され
  た法案によれば、EFSFが融資するこの資金で、ギリシャ
  はリファイナンスオペの担保として中銀に保有されている国
  債を買い戻す。欧州中央銀行(ECB)がこの買い戻しを支
  援する。昨年7月に当時のトリシェECB総裁は、同中銀の
  リファイナンスオペで買い入れたギリシャ国債最大350億
  ユーロを保証することにユーロ圏各国が合意したと述べてい
  た。ギリシャが民間債権団との債務スワップを行って選択的
  デフォルト(債務不履行)とみなされた場合、ECBはデフ
  ォルト格付けの債券を受け入れられないため、こうした融資
  が必要になる。
  ―――――――――――――――――――――――――――

堀川直人氏の新刊書.jpg
堀川 直人氏の新刊書
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 欧州危機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「劣化ウランは被爆国日本の国際信義問題」

劣化ウランといえば触媒よりも劣化ウラン弾としての用途を誰でも考える。そして被曝に対して安全といえる根拠はない。劣化ウランが安全というのは原発が安全というのと同じ妄想である。日本はアメリカが「トモダチ」軍隊駐留してるから安全、みたいなw

劣化ウラン弾といえば湾岸戦争である。
>>湾岸戦争 米英が95万個使用
劣化ウラン弾 被曝深刻
>>http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/index.html
 1991年の湾岸戦争で、米・英軍は新兵器の「劣化ウラン弾」を、イラク軍に対し初めて実戦で使った。核爆発や核融合を伴う原爆、水爆とは違う放射能兵器である。停戦成立から九年がたった今、退役米・英軍人やその家族、戦場となったイラクの軍人、市民らの間に放射線被曝(ばく)などによる健康障害が広がっている。米・英、イラクで取材するうち、白血病やさまざまな慢性疾患にさいなまれる「知られざるヒバクシャ」の深刻な実態が浮かび上がった。
 (田城 明)

白血病や先天性障害 米軍43万人汚染地帯に
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/tokushu/index.html
<<

これは広島市に本社を置く中国新聞の記事である。
なぜ中国新聞が「劣化ウラン」弾の被曝被害について特集記事を書くか?
広島市と云えば8.6原爆の日、である。
世界中のヒバクシャが参加する平和式典が毎年開かれている。
もちろんイラクの劣化ウラン弾放射能ヒバクシャも参加している。
ヒロシマには神聖で重大な責任があるのだ。人類はもうこれ以上新たなヒバクシャを生んではならない。「あやまちは繰り返しませぬ」と世界中へ宣言したのだから。

劣化ウラン弾被曝被害特集をものした被爆都市広島市の中国新聞が広島市の目と鼻の先に密かに大量に貯蔵されていた「劣化ウラン」の存在に無関心であるような無神経なら、8.6平和式典と日本人は世界中のヒバクシャからの信頼をすべて失うであろう。

そして平和宣言都市ヒロシマを擁する広島県知事広島市長の三井化学「劣化ウラン」大量貯蔵問題に対する態度表明に、8.6を目前にして世界中のジャーナリズムが注目している。
Posted by 東行系 at 2012年04月27日 09:03
さて小沢判決で日本国内に狂騒を演出している間にアメリカは国連を使って日本を戦争に引きずり込む策謀を仕掛けてきた。

>>板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
>「自衛隊は、国連の要請でシリア内戦の停戦監視に派遣されるが、せめて完全武装して派遣しないと気の毒だ」
>>http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/5c9533192a43999df5b0addb2616f9af
(一部転載)
2012年04月26日 00時54分46秒 | 政治
◆国連は、国連憲章に死文化しているとはいえ「敵国条項」(日本とドイツを敵視)を残し、多額の拠出金を支出させ、なおかつ、米国は日本が安保理常任理事国入りするのを邪魔し続けている。しかも、国連は、日本国憲法が戦争の永久放棄と戦力不保持を規定しているのを知っていながら、自衛隊に「PKO」のブルーベレー帽子をかぶらせて、世界各地の危険な紛争地に派遣要請し、実行させてきた。これを理不尽なご都合主義と言わないで、何と言うべきであろうか。
 国連はこのたび、連日殺戮が続いているシリアに向けてPKOを派遣するよう野田佳彦政権に要請するという。シリアのバックには、ロシアと中国が控えていると言われているので、本来は、無関係国である日本などにPKO派遣を要請する前に、ロシアと中国に「何とかしてくれ」と要請すればいいものを、そうしようとはしていないのである。それでなくても、日本は1996年以降、自衛隊をシリアとイスラエルとの境界に位置するゴラン高原へ派遣している。国連平和維持活動の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)への派遣であり、自衛隊のPKO派遣としては3番目で、かつ最長期間となっている。これに加えて、今度は、シリアのアサド政府軍と反体制派の停戦監視を目的とするPKO派遣である。監視要員は、武装していない「丸腰」である。・・・(以下略)<<

私は地位協定が敵国占領条項そのものであることは知っていたが、国連が日独を戦後67年間も敵国条項下においたままとはうかつにも知らなかった。しかし考えてみれば国連事務局はアメリカにあるのだからあたりまえではある。アメリカはあらゆる意味で日米地位協定を破棄されたくないのだと云うことがよく分かる記事であった。

先に述べたように地位協定を破棄すれば日本は完全に独立国となりTPPも思いやり予算も防衛予算もすべて憲法に従って破棄できる。ただし地位協定を破棄する前に平和憲法9条に自ら違反して他国との間で武装軍隊として戦闘行為に及べばすべてを失うことになるであろう。ましてや国連においてさえも戦後67年にして未だに敵国条項の監視対象国なのであるから、国連の要請で行く停戦監視団は武装していってもし交戦場面で死傷者が出た場合責められるのは常に日本だけである。
自衛隊員諸君、丸腰で行ってタマが飛んできたら直ちにロシア軍基地やロシア大使館へ迅速に逃げ込むことが日本人として日本国憲法に背かない唯一の正しい選択である。名誉ある逃走、三十六計逃げるに如かず。これが無手勝流兵法の必勝の極意であり、武器で交戦するよりもさらに大きな勇気と力を必要とする真の英雄的行為なのである。

日本国民は直ちに「地位協定破棄し福一石棺桶化」すべし。
Posted by 東行系 at 2012年04月27日 10:19
地位協定破棄と福一石棺桶化

放射性瓦礫搬入と戦う桐生市議会議員のブログ「秀ちゃん日記」
2012年4月28日 (土)庭山議員には、参った!
>>http://hidenori1212.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-44e9.html
へのコメントを転載します。
(転載開始)

秀ちゃん、そんな小さいこと言わないで同じ桐生市民同じ日本国民として力を合わせて市民国民のために真正面から駆け引きなしで棄民政府と戦っていかねばならないですよ。なにせ敵の力は強大ですから。

参考:「善良」ではなかった日本の「指導者」   中部大学総合工学研究所教授  武田邦彦
>>http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2012/01/post_2275.html

一部転載【強調部分は私がつけた】
>> あるテレビ番組で私はセシウム137が青酸カリより毒性が強い(ほぼ二千倍)を知らせるために、セシウムで汚染されている田んぼに稲を植えるのは青酸カリがまかれている田んぼに稲を植えるのと同じ」という趣旨の発言をしたところ、「学者が事実を言うのは不適切だ」というバッシングを受けた。学者が事実を言うとバッシングする時代である。
 事故から九ヶ月を経過した現在、お母さんは日本政府に絶望して、「我が子を守るのに私は何ができるの?」という行動に走っている。お母さんとしては万策尽きたのでやむを得ないが、民主主義においては「何ができる」というのは「政治を変える」ということである。
 【日本は民主主義だから、お母さんが決めたことが政府の決定でなければならない。】でも、たっぷりとお金(電気代)は政治家、官僚、学者、マスコミに流れていて、その力は強力である。
 しかも、日本の指導者層、とりわけ東大を出た人は「その時、その時で上手い言い訳をできる人」であり、「人格軽薄、口先だけ」である。それは教育の責任であり、大学受験などを容認してきた日本社会にある。<<

さらにこちらも今最も重要な意見です。参考にしてください。

東北Z 直撃インタビュー 被災地の目線で「児玉龍彦」(1)
http://www.youtube.com/watch?v=JWZaD-SjB14&feature=relmfu

東北Z 直撃インタビュー 被災地の目線で「児玉龍彦」(2)
http://www.youtube.com/watch?v=Y1YTPldbP-E&feature=relmfu

(転載終わり)
Posted by 東行系 at 2012年04月28日 15:16
20120211 児玉龍彦氏 講演&質疑応答 @南相馬世界会議
>>http://www.youtube.com/watch?v=aGvIS6CxIhs&feature=youtu.be

得手に帆上げて。

チェルノブイリに学ぶこと。
チェルノブイリでは熔融炉心からの地下水汚染を防ぐ地下隔壁を日本のシールド工法によるトンネル建設で達成し、トンネル内部へ汚染土壌を隔離保管している。日本の優秀な土木技術をもってすれば福一石棺桶化などたやすいことである。除染をさらに効果的にするために福一を錫や鉛や水銀で熔融炉心冷却棺化し地下トンネル隔壁を造って全体を石棺桶化しよう。

扶桑の島の住民日本人はただちに得手に帆上げて「地位協定破棄と福一石棺桶化」あるのみ。
Posted by 東行系 at 2012年04月29日 00:42
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