通貨を統一する──これがユーロの構想です。ちょっと考えると
理想的なように見えます。しかし、この制度には大きな矛盾がた
くさんあるのです。
最大の矛盾は、ユーロ圏の国は、財政政策と金融政策を分離し
ていることです。ユーロ圏各国は、財政支出のため国債を発行す
る財政政策は主権として持っているものの、金融政策はECBに
委譲してしまっているのです。これは、主権の一部を委譲したと
といっても過言ではないのです。
ところで、このECB(欧州中央銀行)は、ドイツのブンデス
バンク(ドイツ連邦準備銀行)をベースに設立されており、ドイ
ツの銀行の伝統を受け継いでいます。ドイツの銀行の伝統とは、
「インフレハンター」です。ドイツは異常なほどインフレを嫌悪
する国です。日本銀行もそういう傾向があります。
したがって、ドイツのインフレ率が少しでも高めに推移するよ
うなことがあると、ECBはいち早くユーロ全体の金利を引き上
げてしまうのです。
そしてドイツの景気がよくないときは、ユーロ圏の中心国家で
あるドイツを守るために、ECBは他の加盟国の事情を無視して
金利を引き下げてしまうのです。つまり、ユーロ加盟国は金融政
策はとれないのですが、ドイツだけは財政政策と金融政策の両方
を有しているのと同じなのです。まさにユーロは、ドイツによる
ドイツのための共通通貨制度なのです。
しかし、ユーロは現在危機的状態にあります。たとえば、スペ
インは失業率が20%を超えています。とくに若者に絞ると、2
人に1人は失業者なのですが、政府はこれといって有効な対策を
講じていないのです。
通常であれば、雇用改善のために国債を発行し、財政出動に乗
り出すべきです。もし長期金利が上がってきたら、スペイン中央
銀行がそれを買い取るという方策がとれるのですが、スペイン政
府は金融政策をECBに委譲しているので、ECBがそれが必要
と判断しない限り、それはできないのです。しかし、ECBによ
る国債買い取り増大にはつねにドイツが猛反対するのです。財政
政策と金融政策はもともと一体のものであり、分離することには
無理があるのです。
このように金融政策はECBに委譲したユーロ各国ですが、財
政政策は独自の判断で行うことができます。そうすると、ユーロ
圏各国の発行する国債の長期金利はそれぞれ違ってくることにな
ります。現在、ユーロ圏では国債の長期金利(新規発行10年物
国債金利)の利回りは次のように二極化しています。
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経常収支黒字かつ対外純資産国 ・・・ 長期金利低下
経常収支赤字かつ対外純負債国 ・・・ 長期金利上昇
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このように長期金利が二極化する状況では、長期金利が低い国
から高い国──PIIGS諸国への投資は積極化し、結果として
その国にバブルを発生させる原因になったのです。しかも、PI
IGS諸国は外国とはいうものの、同じユーロ圏の国であり、為
替レートの変動がないのです。
この状態がドイツをはじめとする経常収支黒字国にとってどれ
ほど有利かについて説明します。ある日本の企業が米国に100
億円の輸出に成功したとします。そのさい、その企業が代金とし
て受け取るのはドルです。これによってその企業は米国に100
億ドルのドル資産を持ったことになります。これは日本の経常収
支の黒字に貢献したことを意味します。
しかし、その企業はその資金を国内の資金として使うため、ド
ルを円に両替したとします。つまり、ドルを売って円を買うわけ
ですから、当然円高になります。この状態が続くと、円はどんど
ん高くなり、輸出しにくい状況ができてくるのです。
しかし、ユーロ圏の場合はそうならないのです。ドイツが金利
差を武器にして、PIIGS諸国に対して投資や輸出攻勢をかけ
いくら成果を上げても、通貨は同じユーロであり、それによって
ユーロ高にはならないのです。つまり、輸出できやすい環境はい
つまでも継続することになります。
しかし、経常収支黒字国から投資や輸出攻勢をかけられたPI
IGS諸国では、やがてバブルが崩壊して財政危機に陥り、現在
のユーロ危機が発生したのです。バブルが崩壊すると、国内の銀
行が貸し付けた融資が不良債権化します。しかも、それらの資金
の多くは日本のように国内から集めた預金ではなく、ドイツやフ
ランスの銀行から借り入れた資金なのです。そのため、その影響
は広い範囲におよび、貸付先も借入先も金融機関に早急な資本注
入が必要になります。それには、巨額の資金が必要です。
PIIGS諸国──なかでもデフォルトが確実視されているギ
リシャに対し、ドイツではメルケル首相がそれに備えて準備して
いるといわれます。もし、ギリシャ債が不良債権化した場合、ド
イツの銀行は巨額の評価損を迫られるからです。
PIIGS諸国のバブルの崩壊は、ユーロでは、起きるべくし
て起きたものですが、こういう財政破綻問題に対処するための支
援策として、次の3つが用意されています。
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1.ユーロ圏各国による個別出資方式による支援金提供
2.ECBによる融資および財政難諸国の国債買い支え
3.EFSPないしEFSMなどによる各種の支援対応
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しかし、これら3つの支援メカニズムは十分に考えられ、練ら
れていたものとはいいがたく、ギリシャ問題が発生して以来、各
種の仕組みが繰り出されて、状況が錯綜しています。危機は解決
されておらず、今後増大する危険性があります。支援策について
は明日のEJで述べます。 ── [欧州危機と日本/19]
≪画像および関連情報≫
●ECBとは?その目的とは何か
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欧州中央銀行は、ユーロ圏17か国の金融政策を担う中央銀
行。世界でも重要な位置づけをされている。日本語圏では、
英語表記の European Central Bank の頭文字を取って EC
Bという略語が用いられることがある。欧州中央銀行は19
98年6月1日に設立され、本店をドイツのフランクフルト
置く。その目的は、ユーロ圏における物価の安定であり、た
とえばインフレーション率を低く抑えるというものが挙げら
れ、現在の目標水準は2%程度としている。さらに物価安定
の目的を妨げない限りにおいて、欧州連合の経済政策を支援
するという目的もある。欧州連合条約第3条以下には欧州連
合の政策について、高い水準での雇用の創出とインフレーシ
ョンによらない経済成長の維持がうたわれている。
──ウィキペディア
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ユーロモニュメント



支援が必要なのは南北問題で言えば南の諸国である。米英欧州の植民地化収奪侵略とは違う、真に無償の共存共栄を目的とした真の支援が必要である。
しかしそんな些末なことよりももっと根源的な売国政治のおおもとを断つ方が遙かに重要である。すなわち奇形司法やスパイ霞ヶ関記者クラブマスゴミ違憲政党公明党を操って日本に露骨に内政干渉するアメリカの人種差別支配条項地位協定を直ちに破棄することが日本国民の付託を受けた国会の最大の急務である。
国会がやらぬなら国民が直接主権行使してやるけどね、「地位協定破棄と福一石棺桶化」。