2012年01月27日

●「正しい政策を提案できない雰囲気」(EJ第3227号)

 「まず、何はともあれデフレから脱却すること」──そのため
にやるべきことは、クルーグマン教授の言を借りれば「アグレッ
シブな財政拡充政策と金融緩和の実施」なのです。おそらくそれ
しかないと考えられます。
 あの浜矩子教授でさえ「国民に国債大量増発を納得してもらう
ことも必要かも」といっているのです。これは本音です。当事者
である政府や日銀はどうでしょうか。政府はどうだかわかりませ
んが、バックにいて政府を動かしている財務省はよくわかってい
るし、日銀もわかっています。それなら、どうして日本はデフレ
から脱却できないのでしょうか。
 それは財務省と日銀がそれをやりたくないからです。なぜなら
「アグレッシブな財政拡充政策」をとれば国の負債残高が急増す
るし、日銀はその国債の直接引き受けを担わされることになるか
らです。彼らはそれを絶対にやりたくないのです。
 そこで財務省と日銀は、政府や国民からそういう声(デフレか
らの脱却)が出ないよう、相当の年月をかけて、次のような対策
を行ってきたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
    1.政府に「消費税増税」路線を打ち出させる
    2.政府内で使う用語から「デフレ」をなくす
    3.国の借金の巨額さをつねに国民にPRする
    4.メディアを政府側の御用メディア化させる
    5.特定学者を使い消費増税の啓蒙を強化する
―――――――――――――――――――――――――――――
 これら5つのことについては、EJは今回のテーマで既に取り
上げてきています。消費税の増税路線は、自民党の麻生政権の時
代に与謝野財務相兼経財担当相が「社会保障と税の一体改革」を
主張し、その成果が自民党の「消費税10%アップ」につながり
2010年の参院選で自民党はそれを公約にしています。
 さらに民主党の菅政権の時代に、同じ与謝野氏が経財担当相と
して招聘され、民主党内で「社会保障と税の一体改革」の細部を
固めています。そして、野田政権はそれを引き継ぎ、今度は強く
「消費税増税」路線を政府として前面に打ち出したのです。これ
が、上記対策の「1」です。
 増税を進めるためには、「デフレ脱却」という声が強くならな
いことが必要なのです。消費増税をすれば、デフレが一層深化し
てしまうことが明らかであるからです。
 その対策としてやったことは、「デフレ」が話題にならないよ
う「デフレ」という言葉を政府の言葉から削除したことです。も
し、国会などでデフレについて質問が出ると「それはどういう定
義に基づくものか」といい返すことができますし、実際に日銀は
現在の経済状況をデフレとは認識していないようです。
 これについては、12月6日のEJ第3195号で既に述べて
いますが、与謝野氏は自民党の経財担当相のときにそれをやった
と誇らしげにいっているのです。詳細はEJ第3195号を参照
していただくとして、肝心な部分だけ再現します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 記 者/大臣、前回の記者会見の中で1%ぐらいのマイナス、
     物価下落は何でもないと、プラス要素だということを
     仰いましたけれども、今政府はデフレの脱却を重要政
     策として掲げているわけですけれども、この政策を見
     直すおつもりはあるのですか。
 与謝野/勿論、私は見直したのです。私が前回経済財政担当大
     臣のときにデフレという言葉を政府の言葉から削除い
     たしました。定義のない言葉を使ってはいけないと。
     それを私が申し上げたいと思っています。
http://electronic-journal.seesaa.net/article/238908562.html
―――――――――――――――――――――――――――――
 産経新聞社・編集委員の田村秀男氏は、政府の文書ではデフレ
という言葉が使われていない例として東日本大震災復興構想会議
の資料を取り上げ、次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 東日本大震災復興構想会議(議長・五百旗頭真防衛大学校長)
 による「復興への提言」付属の資料には「阪神淡路大震災との
 マクロ経済環境の違い」編が挿入されている。そこでは、名目
 GDP(国内総生産)について、阪神・淡路大震災時の489
 兆円(1994年度)と東日本大震災時の479兆円(201
 0年度見通し)と対比している。だが、16年前よりも10兆
 円も経済規模が小さいその異常さに何の説明も加えていない。
 その代わり、国・地方の長期債務残高、国債の格付けの悪化ぶ
 りなど、財源の制約ばかり盛り込んでいる。報告書のどこにも
 「デフレ」あるいは「デフレーション」が一言も出てこない。
 その代わり、「再生」という言葉は77回、「復興」は258
 回も繰り返し出てくる。内容のない言葉だけが呪文のように唱
 えられている。              ──田村秀男著
        『財務省「オオカミ少年」論』/産経新聞出版
―――――――――――――――――――――――――――――
 上記「3」「4」「5」は、既にこれまでに何回も述べている
ので省略しますが、これらは日本経済をデフレから脱却させるた
めの正しい方策の実施を阻むものです。
 デフレがさらに深刻化すると、物価が上がらなくなり、企業の
利益は減少し、失業者が増大します。しかし、そうなっても官僚
たちは法律によって解雇されることはなく、給与も下がることは
なく、安定して生活していけるのです。結局、国民だけが塗炭の
苦しみを受けることになるのです。
 しかし、日本国民の多くは、この政府(財務省)と日銀による
増税キャンペーンに完全に騙されています。そういう意味で日本
は限界状況に追い込まれています。こんなことを続けていくと、
それこそ日本は再生不能になります。─ [財務省の正体/53]


≪画像および関連情報≫
 ●「経済コラムマガジン」/2012.1.23/694号
  ―――――――――――――――――――――――――――
  20年も不況が続く日本でも、唐突に消費税増税による財政
  再建が推進されようとしている。当然、増税は経済に影響を
  与えるが、ほとんどこの事は考慮されていない。野田首相に
  とっては「ブレ」ない事の方が大切らしい。しかし、「ブレ
  る」とか「ブレない」といったことは問題ではない。状況が
  変わったり、新しい情報や別の知識に接することによって政
  治判断を変えることは、政治家にとって必要な資質であり常
  識である。「ブレる」とか「ブレない」といった事に政治家
  としての価値を見い出すこと自体が異常である。ところが最
  近の政治家には「ブレない」ことを政治的テクニックの一つ
  と考えている者が多い。おそらく小泉首相をマネているので
  あろう。たしかに、政策や意見を変えることによって支持を
  失った政権が続き、また政治生命を断たれた政治家も多い。
  さらに意見を変えることがマスコミや野党に格好の攻撃材料
  を与えることになっている。しかし、政治家にとって一番大
  事なことは、正しい情報と知識を基にした正しい政治判断を
  下すことである。日本は、今日、金利がさらに低下傾向にあ
  り、新卒者の就職状況は最悪の状態が続いている。この経済
  状況で「増税に不退転の決意」なんて正気の沙汰ではない。
  増税を急がなければならないほど日本の財政が悪化している
  わけではない。その根拠は、日本の長期金利がまた1%を割
  込んで、これが世界で断トツの低い金利であることである。
  ところが増税を推進する財政再建原理主義者は、卑怯にもこ
  れには一切触れようとしない。  http://adpweb.com/eco/
  ―――――――――――――――――――――――――――

田村秀男氏と著書.jpg
田村 秀男氏と著書
posted by 平野 浩 at 02:55| Comment(4) | TrackBack(0) | 財務省の正体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
愚か者の力による支配。

(腐れオヤジの独り言さまhttp://sacredplaces.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-9e6f.html

これ▼と同じである。この写真と記事に出ている沖縄占領治外法権米兵および米軍憲兵隊と、現在国民に対して拡声器と暴力で強制退去強制収用する防衛省沖縄防衛局及び最高裁は、万国共通の基本的人権に対して全く同じ非人道無差別虐殺戦争犯罪を現行犯で今まさに続けているのである。

▼目で見る地位協定>1965年沖縄 「少女轢殺」 報道写真家嬉野京子の証言 
>>http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51424388.html
>「尋問に答える義務はない」と言ったのです。そのとたん、憲兵大佐の態度がガラッと変わり、「沖縄にいる限り、生殺与奪の権利は我々が持ってるんだ」と、スチール製の机の引き出しをバーンを蹴とばし、

>たまたま届いた夕刊を見たところ、なんと私が指名手配された、という米軍発表がでかでかと。理由は、米兵に暴力を働いた、というのです。伊江島では山狩りが始まりました。辺鄙な場所の、ドヤ街のような地域の家に隠れました。とにかく沖縄から出なければ。
(転載終わり)


直ちに地位協定を破棄し、米軍軍法の日本に対する敵国条項適用という戦争犯罪を告発し、駐留米軍を国際法に則ってすみやかに日本国領土外へ退去させよう。
Posted by 東行系 at 2012年01月27日 08:28
私が危惧するのは消費税や政局をマスゴミがスクラム報道している隙に米軍が日本の基地を拡大強化することです。
沖縄で今まさに起こっている防衛局の暴力や岩国で今まさに起こっている米軍基地住宅売渡し問題。これは震災とは違う人災であり、原発事故後の政府対応と寸分たがわぬ憲法違反の棄民売国政治犯罪です。国家反逆罪そのものである大事件がアメリカとその手先霞が関によって今まさに犯行中であるのに、国民の耳目は霞が関と一体化したNHK記者クラブマスゴミの米軍関係事件一斉無視報道スクラムによって、野田三百代言首相モドキ棄民テロリストの猿芝居(これもアメリカの密命をうけて大根役者が息を吐くように見え見えの真っ赤な嘘を吐いている)のほうに集められている。
テレビはナチスドイツが大衆洗脳装置として発達させましたが、喉元過ぎれば熱さを忘れる民衆を現在世界中で茹で蛙状態に誘導しています。

リテラシーを洗練させたブロガー諸氏にあっては、日本国の本当の一大事は消費税やTPPや政局ではなく、アメリカ本土外にあって合衆国憲法の軛を離れて軍法にのみ従い常に戦時中交戦状態にある米軍が、アメリカ国益のためであればどんな下劣卑怯な手段を用いても侵略戦争に勝てば良いとしていままさに日本国領土を侵犯中であることを、常に意識しておいてもらいたいと考えています。

もちろん裁判所も頭のてっぺんから爪先までアメリカのスパイと化していますから、奇形司法と呼ばれても恥じることなく普通の常識では考えられない破廉恥判決ばかりを量産しています。
御巣鷹山でも沖縄でも上関原発でもみな最高裁がスラップ判決で押さえ込んでいますね。これもすべて地位協定治外法権米軍の密命をうけてのことなのです。

まあ私もそのことをネット界全世界最高峰の知的情報集積ブログ「Goodbye! よらしむべし、知らしむべからず」さま>>http://c3plamo.slyip.com/blog/を訪れるようになってから初めてはっきりと認識できましたのですがw

以上、ちょっとだけマスゴミが報道しない米軍の動きへ注意喚起の囁きです。お邪魔しました。
Posted by 東行系 at 2012年01月27日 23:36
>「記録を残さない民主党」腐れオヤジの独言さま
>>http://sacredplaces.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-2832.html
>▲どんな政治家も役人もいつかはその行動の検証を受ける覚悟なしに国民の安全や利益にかかわってはならない。申請書類の煩雑に耐える国民の声だ▲
 
さてこの国民が憲法で認められた国民としての権利を行使するために記入する申請書類は公文書であり、鉛筆で記入することは他者(もちろん役人w)によるごく安価な消しゴムを使った偽造や改変を招くとして禁じられ、どんなに煩雑であろうと公文書である申請書は必ずボールペンで記入することになっています。鉛筆で書くと窓口で役人に必ず却下され門前払いの目に遭わされます。
申請書以外でも凡そ公文書は国内すべての場所で皆そうなっています。憲法の定めですから全国一律でありローカルルールは絶対に存在し得ません。
これが公文書の常識、というより鉄則ですね。今や全盛のコピーですら公文書としての原本性を公式には認めていませんから。
この鉄則を犯せばもちろん刑事罰則が適用されます。公務員が犯せば刑事罰と同時に最も軽い処分で懲戒免職の行政罰も加わります。

申請書による権利行使よりはるかに大きい憲法上最大の国民主権である「選挙権」の行使が、公職選挙です。今年は選挙の年になるというおおかたの予想ですが。

すべての公職選挙において投票用紙は憲法によって守られた最高度の公文書にあたります。
国民が選挙権という憲法の最大の主権を行使する投票所で、鉛筆で記入して消しゴムできれいに消せる公文書「投票用紙」を投票箱へ投入するなどという行為は、宛名なしの領収書と同じ白紙委任状を選管という役所に提出するに等しいことになります。

自分のなけなしのただ一票きりの選挙権の行使が、鉛筆記入という書類不備で門前払いを食わされたと同然の事象がそこで起こるわけです。それも、その不備を行ったのは投票者自身の手によってであるとされるのですから、投票所までわざわざ足を運んで投票所の役人に言われるままに鉛筆で書いた有権者国民にしてみれば、まる一日以上の労苦が全く報われずたまったものではありません。

この全国の選管職員係員公務員が投票用紙に鉛筆で記入するよう主権者投票者に誘導〜強要する行為は、役人公務員による選挙権者への偽造公文書作成使嗾罪教唆罪というべき憲法違反および公務員法違反の刑事犯罪に当たります。

「選管の組織犯罪を予防する黒ボールペン投票」

全国の選管を一括所管するのは総務省ですから、これは全国の投票所で鉛筆使用を選挙民へ強要することを容認する総務省行政そのものが、明らかに憲法違反および公務員法違反刑事犯罪です。
公務員が憲法に叛すれば法治主義統治体制(=いわゆる国体)への攻撃であり国家反逆罪に当たります。

そういう重い罪に公務員が落ちるのを防いでやることが簡単にできます。つまり、鉛筆で書かなければ良いのです。

黒いボールペンで書けば、すべての公文書と同じく他者の手による投票済み投票用紙消しゴム偽造改変を顕著に困難にしますから、投票者の票も、選管公務員の身分も安泰です。

投票用紙は国民が主権を執行する、憲法で最大最高どの原本性が守られた「公文書」です。
備え付けの鉛筆ではなく、持参した黒ボールペンでしっかりと書き込みましょう。
そうすることで選管公務員の票数の不正操作という国家反逆罪を未然に予防して犯行から遠ざけることができ、結果的に選管公務員の身分をも保全してその基本的人権を官憲の不当な暴力から守ってやることになるのです。

投票所へは黒の良く書けるボールペンを持参して投票という公文書作成業務を公明正大に行い、国民の主権を正しく行使しましょう。

参考:選管の犯行の実例。
1.【竹原市長】実は当選してました。
http://www.youtube.com/watch?v=uBH6A2e8Di8&feature=related

2.「住民投票の書き方 〜2月6日(日)、名古屋市議会・解散投票」Goodbye! よらしむべし、知らしむべからずさま
http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2011/02/26.html

3.以下、過去全部の選挙に選管組織犯罪事実があるのでとても書ききれませんw
Posted by 東行系 at 2012年01月28日 16:22
■ 日銀と財務省の利益(高額な給料水準の確保・国債引き受け拒否・財政赤字解消・消費税増税)を最優先し、国家(国民)の利益(経済成長の推進・社会福祉の充実)を切り捨てている日銀・財務省の利己主義のスタンスに我慢がなりません。彼らには、国家(国民)の発展など眼中になく、あるのは、私利私欲の追求だけですから、日銀法を改正して無能な白川総裁を内閣が罷免できるようにするなり、金融政策の数値目標を課すようにしたり、日銀を国有化するなりせねばなりません。
Posted by 国家とは何かを知る者 at 2012年01月29日 18:14
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