2011年12月19日

●「かつての軍部を思わせる財務省」(EJ第3204号)

 先日「タケシのTVタックル」を見ていたら、出演していた民
主党の若手議員が次のようにいっていました。
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 財務省の官僚が「先生、テレビにお出になるそうですが、少し
 ご説明に伺いたいのですが・・・」という電話をかけてきて、
 資料を持って2、3人で説明にやってきました。
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 彼らは財務省が組織している「増税説明部隊」であり、メディ
アに出演する政治家を中心に説明に回っているのです。彼らの増
税説得話法は次の通りです。
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     1.復興国債の発行はこのさいやむをえない
     2.復興国債は国の借金、返済が必要である
     3.復興国債財源については増税で行いたい
     4.日銀直接引受はリスク大なので絶対回避
―――――――――――――――――――――――――――――
 財務省の増税話法はすべてこの流れで統一されています。五十
嵐財務副大臣などはこの話法にしたがって発言しています。彼は
独特の表情で深刻にいうので、つい信用する人が多いのです。
 震災の復興財源はとりあえず国債を発行して賄うことはやむを
えないが、日本の国債は周知のように危機的状況にあり、それに
見合う財源を確保する必要があることを強調します。もし、財源
を確保しておかないと、市場がそれを許さない恐れがあって国債
暴落が起こりかねないというわけです。
 これは、災害の復旧・復興資金調達の定番である建設国債をい
いだせなくするのが狙いです。復旧されるインフラは次の世代の
人も使う長期的なものであり、60年償還の建設国債が一番理に
かなっているので、それを潰す話法なのです。
 まして「100年国債」や「コンソル債」などはこういう論法
でこられると提案しにくくなります。コンソル債というのは、英
国で発行されている永久に一定額の利子(クーポン)が支払われ
る債券公債のことです。償還しない代わりに、永久に利子が払わ
れる契約に基づく永久債の代表的な例の一つで、しばしば、経済
学で利子率と債券や流動性選好説、流動性の罠を説明する際に用
いられるものです。
 これらの増税説得話法は、かつて日本を米国との戦争に駆り立
てたときに軍部が国民に対して展開した話法に似ており、消費増
税に前のめりになっている財務省にかつての軍部を思わせるもの
を感じ、むしろそちらの方に強い危機感を覚えます。
 財政再建に成功した国では、経済成長と歳出の抑制の両方をコ
ントロールして実現しています。これについて、早稲田大学の若
田部昌澄教授は次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 財政が破綻するという危険性があまりにも誇張されているとい
 うのが私のイメージ。900兆円の粗債務もあるが、日本は資
 産を持っている。それと差し引きで考えなければいけないのが
 ひとつ。それともうひとつは、どうしてわれわれがこういう状
 況に陥ったのかと考えると、基本的にはデフレが続いて名目成
 長率が伸び悩んで税収が落ち込んでいたところで、社会保障関
 係費を中心としたところの政治の歳出が非常に増え続けたとい
 うところがある。経済成長をアテにするなと言うが、それがな
 いと、財政の再建と言っても他のところを言っても不可能。私
 はデフレの下で増税として成功した国を見たことない。
                       ──上念司著
     『日本再生を妨げる/売国経済論の正体』/徳間書店
―――――――――――――――――――――――――――――
 既に述べているように、財務省の息のかかった政治家、学者、
報道関係者、コメンテーター、政治評論家はたくさんいます。今
や史上最強の軍団化している財務省は、今回の消費増税ではこれ
ら人材を総動員して一斉に消費増税の実現に動いているのです。
それはかつての軍部そのものです。
 その中には、消費増税に慎重なスタンスをとっているように見
えながら、実は財務省寄りの人物も多くいるのです。ひとつその
例を上げましょう。
 自民党の参議院議員に林芳正氏という人がいます。年齢は50
歳で、穏やかな語り口の落ち着いた人です。東大法学部の出身で
ハーバード大学ケネディスクールを修了しています。防衛相の経
験もあるが、金融・経済に強く、自民党のシャドウ・キャビネッ
ト財務大臣を務めるほどです。国会でもあくまで正攻法で相手を
論破する。経済・金融の知識が豊富でないとできないことです。
したがって、今や民主党の閣僚は林芳正氏が国会で質問に立つと
戦々恐々としているそうです。
 この林芳正議員の質問の鋭さに対し、民主党の閣僚の知識の薄
さ、能力の低さは信じられないほどです。それは与党経験の不足
というよりも、能力そのものが問われるレベルです。
 次の「ジュルジュサンド」のブログにある7本のユーチューブ
は、林芳正議員が民主党の閣僚に質問している映像です。とくに
蓮舫大臣と岡崎トミ子国家公安委員長とのやり取りはぜひ見てい
ただきたいものです。菅内閣時代のものですが、民主党政権は同
じ人が何度でも閣僚を務めるので、現在の野田政権と同じです。
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 「ジュルジュサンド」のブログ
 http://ameblo.jp/hidemasahououji/entry-10713244658.html
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 実はこの林芳正議員──一一見現在の野田政権が進める前のめ
りの消費増税に反対の姿勢をとっているように見えますが、彼は
徹底した財務省寄りの人なのです。ところがそれとみせないほど
知識は豊富であり、言葉の言い回しは絶妙です。明日のEJで検
討することにします。      ── [財務省の正体/30]


≪画像および関連情報≫
 ●林芳正氏の「単刀直言」/MSN産経ニュース
  ―――――――――――――――――――――――――――
  「菅さんの下では約束が実行されない」という状況が続けば
  何をやっても無駄になる。「ペテン師」とか「だまされた」
  とか情けない言葉が飛び交う状況を本気で整理してもらわな
  いとね。これらの条件が整えば、われわれは「菅さんが首相
  だから」という理由だけで協議を断るようなまねはしません
  よ。自民党は震災の復興・復旧に必要なことには全面的に協
  力している。さらに協力をスムーズに進めるアイデアとして
  自民、公明、民主3党の政調会長会議の定例化を提案したい
  ですね。テーマを絞り政府で案を作る段階からチェックすれ
  ば非常に効率的です。でも自民党の協力はほとんど注目され
  ず、内閣不信任決議案とか政局絡みのことばかりが注目され
  て「政治がダメだ」とお叱りを受ける。自民党が与党だった
  ときは「政府・与党はダメだ」とお叱りを受けたが、なぜか
  野党も共同責任を負わされてしまった。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110705/stt11070500330001-n1.htm
  ―――――――――――――――――――――――――――

林芳正議員/自民党.jpg
林 芳正議員/自民党
posted by 平野 浩 at 03:12| Comment(5) | TrackBack(0) | 財務省の正体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今年5月のコメント。

犯罪者には法の裁きがふさわしい (通りがけ)
2011-05-30 13:37:41
福島原発事故はすでに犯罪として成立しています。道交法でも事故を起こせば運転者は必ず刑法犯となります。原発を運転していたのは東電と保安院ですから地震と津波で冷却不能レベル1事故を起こし、事故処理としての緊急廃炉炉心冷却に失敗してメルトダウンで炉心損傷事故を連鎖的に発生せしめ炉外拡大放射能漏れ事故を起こした時点で犯罪が確定しました。ここまでは業務上過失致死傷です。

その後事故で漏れた大量の放射能情報を隠蔽し虚偽情報を発表し続けた行為は、ひき逃げと同等の証拠隠滅現場逃亡救護義務放棄の重罪を確信犯で重ねてしまった凶悪犯ですね。

誰が何を言ったとかいわないとか関係なしに、事故で放射能汚染された国土そのものに証拠満載ですから絶対に逃げ切れません。保安院の愚かな証拠隠滅行為に加担した東大御用学者とNHKもこの確信犯のひき逃げ凶悪犯罪の共犯者ですね。

さらに通産省も厚労省も財務省も後付の証拠隠滅に積極的に加担してますから、霞ヶ関とNHKのあほな東大閥官僚はほぼ全員に受刑を覚悟してもらいましょう。
これで霞ヶ関も終わりですな、日本再生のためには非常にいいことです。

菅内閣も放射能漏れ事故の証拠隠滅および虚偽情報に基づく住民の正当防衛権制限棄民政策という、国土と国民に対する明々白々な放射能テロ犯罪に国家権力を悪用して積極的に加担していますから、もはや国会議員や総理の不逮捕特権など通用しない単なる凶悪犯罪者集団そのものですね。オウム真理教政府とおんなじですわ。

もう菅降ろしに不信任案など必要ありません。国会議員じゃないから不逮捕特権などない霞ヶ関官僚や御用学者やNHK虚偽報道実行者を逮捕して取り調べれば、放射能情報隠蔽で内閣と口裏あわせ共犯の証拠だらけですから、内閣全員逮捕されますよ。議員身分ばかりか公民権までも消滅ですね。重大犯だから長いだろうけど。

菅総理それで歴史に汚名を残すのがいやなら、告発される前に直ちに地位協定を破棄して総辞職しておくことですな。総理のまま逮捕されるよりもそのほうが潔い日本人らしくて裁判の場でも心証がいいだろうからね。私はそちらをお勧めするが、まあどうするかは本人しだいですな。


犯罪者を政治に関わらせず牢へ送り出せ (通りがけ)
2011-05-31 17:25:31
「被災者証を直ちに発行支給し、被災地の規制撤廃を速やかに行え。」

被災者は身体生命のほかはすべてを失った。

だがテレビもエアコンも電気掃除機も電気洗濯機も携帯電話も、被災者が生活するうえでまったく必要のない電化製品ばかりであることが九死に一生を得た避難生活を送るうちで判明した。

復興に必要なのは人災犯行原発電力会社が供給する電力をまったく必要とせずに動かせる自動車(普通・特殊・大型・大特)であり、船舶(漁船からタンカーまで)であり、それらを動かす燃油である。


被災地被災者の所有に属する石油動力機械に対する法的規制や課税をすべて撤廃し、すべての政府復興支援資金を被災地被災者所有石油動力機械の120%フル稼働への運転資金として無償で投入せよ。

それを円滑に遅滞なく行うために、憲法に従い老若男女すべての被災者へ被災者証を直ちに発行支給して一人残らず基本的人権を手厚く保護し、被災地を復興特区指定し被災者証保有者の復興活動に対して石油動力機械稼動関連の全規制撤廃を速やかに行え。

これをやらねばすでに指摘したとおり政府の憲法違反である。
現政府は憲法違反の官僚主導政治を強権で行っている憲法テロ犯罪組織でもある。

エネルギー政策転換や消費税増税、TPP参加不参加はどれをとってもそれぞれひとつひとつが解散総選挙を経てから決定すべき、現在の天災人災合併の巨大災害下にあってはまったく不要不急の将来の国策である。

犯罪者内閣に独断で国策を決めさせることを国会で信任して許せばそれは国会による憲法テロ犯罪である。犯罪者内閣の不信任案に反対したらその議員は共犯どころか犯罪者内閣に行政犯罪を行わせた首謀者になるのであって、刑事責任を同等以上に分かち合わねばならない。


天下りは汚職犯罪そのものである。特に司法官である裁判官の天下りや裏金作り判検癒着談合判決は汚職の中でもっとも悪質な公務員の汚職そのものであり、特に最高裁に対しては最高裁ゆえに汚職があれば最も厳しく重い刑罰をもって臨まなければならない。

スラップ訴訟への最高裁判決は憲法に照らして行政との癒着談合がないかどうか仔細に点検されることになるであろう。

憲法テロ政府による組織犯罪行政はもはや許さぬ。
Posted by 東行系 at 2011年12月19日 05:44
今年3月。

>「夏は再び計画停電をお願いせざるを得ない」(東電)状況だ。
原子力安全保安院と利権談合癒着して裏で結託して原発推進してきた東電は「計画停電」などしている場合ではない。殺人の共犯者として告発されることを覚悟せよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「安全保安院官僚による大量殺人」
JCO事故に続いてまたも将来ある有為の若者や実直に経験を積んで技能を磨いてきた有為のベテランが机上で威張り散らすしか能がない屑役人に放射能渦巻く死地へ命令で強制的に送り込まれ、不必要に高濃度な放射能に晒されてヒバクシャに仕立てられ、ばたばたと倒れてむざむざと一つきりの生命と貴重な人生を失っている。
私は私が死ぬまでこの原子力安全保安院官僚を絶対に許せないだろうと思う。官僚とは人間に非ず、屑なるのみか。
投稿者 通りがけ : 2011年3月25日 20:38
Posted by 東行系 at 2011年12月19日 06:59
やはりこちらが視聴価値最高でしょう。

仙波さん1218講演
http://www.ustream.tv/recorded/19220862
Posted by 東行系 at 2011年12月19日 20:28
こちらが視聴価値最高の前半です

仙波さん1218講演
>>http://www.ustream.tv/recorded/19219658

(後半>>http://www.ustream.tv/recorded/19220862
Posted by 東行系 at 2011年12月20日 04:28
もはや「忠臣蔵」は不要なり。これからは「雷電」の時代である。

>「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」
             新しい時代を切り開いた熱き若者たちの群像

高杉晋作と明治維新革命「動けば雷電のごとく」ものがたり
>>http://www.c-able.ne.jp/~haguruma/raiden%20pdf.pdf

2011年 
□福岡市公演 県下28会場公演の総決算 

□岡山県内で公演始まる
 (有)劇団はぐるま座  <

そして、長周新聞から

>「現代変えられる」と強烈な反響
劇団はぐるま座岡山公演
 『雷電』公演、最高潮の熱気   2011年12月16日付
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/gendaikaerarerutokyouretunahankyou.html


日本人はただちに幼稚で無学無礼なビザなし入国のメリケン兵隊どもに日本国領土内で謂われ無き隷従を強いる屈辱そのものの(奴隷)地位協定を破棄して独立不羈となり、日本伝統の世界最高の技術と知恵による独自工夫で福一石棺化地下ダム(地下水汚染防護ダム壁)を迅速に完成し、風雨嵐台風の天佑神助を借りて豊葦原瑞穂の国土を効率よく除染し、311アメポチスパイ政府棄民テロの被害者同朋である被災者とヒバクシャを絶体絶命の窮地から助け出そう。

ヒバクシャを作り続けるテロ組織アメリカと小泉スパイ詐欺政府を、扶桑の島のある地球上から平和憲法ただひとつでもって撲滅すべし。

これこそが、壮士高杉晋作の本懐「面白きこともなき世を面白く」である。
Posted by 東行系 at 2011年12月20日 06:41
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