2011年12月13日

●「簡単なモデルでデフレを知る」(EJ第3200号)

 なぜ日本はデフレから脱却できないのでしょうか。
 この問題を考えるには、「デフレとは何か」について正確な知
識を持つ必要があります。最近話題になっている上念司氏の著作
を参照して、デフレについて考えてみましょう。
 世の中に存在する「お金」と「モノ」はつねに交換されていま
す。ここで仮定のモデルについて考えます。世の中に存在してい
る「モノ」の量が10個、「お金」の総額が1000円であると
します。この場合、「モノ」1個の価格は100円です。
 次の年に「モノ」の個数が10個から9個に減り、「お金」の
総額は1000円から810円に下がったとします。このときの
「モノ」1個の価格は90円になります。これを次のような表に
まとめます。
―――――――――――――――――――――――――――――
    「お金」の総額 「モノ」の量 「モノ」1個の価格
 ある年  1000円    10個      100円
 翌 年   810円     9個       90円
 増加率   −19%   −10%
                      ──上念司著
    『日本再生を妨げる/売国経済論の正体』/徳間書店
―――――――――――――――――――――――――――――
 「必要商品が品薄になると価格が上がる」──これは常識です
が、上記のモデルについて見ると、「モノ」が1個減って品薄に
なっているのに、価格も100円から90円に下がっています。
どうしてこうなるのでしょうか。
 実は「モノ」の個数と「お金」の総額の両方に目を配る必要が
あるのです。もし、「お金」の総量が変わらず「モノ」が減った
のであれば「モノ」の価格(111円)は上がりますが、モデル
の表の増加率の欄を見ると、「モノ」と「お金」の両方が減って
いるなかで、「お金」の減り方が、「モノ」の減り方の倍近くに
なっています。そのため、「モノ」が品薄になったにもかかわら
ず、その価格も下がっているのです。
 以上のケースは「モノ」が減り、「お金」の総額も減った場合
ですが、両方が増加しても同じことが起きるのです。そのケース
を示します。
―――――――――――――――――――――――――――――
    「お金」の総額 「モノ」の量 「モノ」1個の価格
 ある年  1000円    10個      100円
 翌 年  1010円    11個       92円
 増加率    +1%   +10%
                ──上念司著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
 このケースは、「お金」の総額が1000円から1010円に
増加し、「モノ」の量も10個から11個になって、両方が増加
したケースです。この場合、1年前には100円出さないと買え
なかった「モノ」が、8円も安い92円で買えるようになってい
る点に注目すべきです。「お金」の品薄状態がこの結果をもたら
しているのです。
 どうしてこうなったのでしょうか。
 それは、「モノ」の増加率(10%)に「お金」のそれが負け
ているときに起きる現象なのです。その結果、「お金」の価値が
上がり、「モノ」の価値が下がるのですが、こういう現象が2年
以上持続することを「デフレ」というのです。
 したがって、デフレから脱却するには、「お金」の総額を増や
し、「モノ」の増加率を上回るようにすればよいのです。中央銀
行──日銀はその役割を担っているのです。ところが日銀は「モ
ノ」の量に対して「お金」の量が不足する事態──すなわち、デ
フレを長年続けてきています。そのため、名目GDP成長率の停
滞が続き、日本経済に悪影響を与えているのです。
 ここで注意すべきことがあります。ここで「モノ」というのは
具体的な商品を指すのではなく、モノ全体の価格(一般物価)の
概念──マクロ的数字であるということです。岩田規久男氏の著
作から説明します。
―――――――――――――――――――――――――――――
   基準年 マーケットバスケット   購入額    指数
 1990年 食パン     1Kg   300円   100
       ワイシャツ   1枚  3500円   100
               合計  3800円   100
  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 
 1991年 食パン     1Kg   400円  133.3
       ワイシャツ   1枚  4000円  114.3
               合計  4400円  115.8
   ──岩田規久男著、『デフレの経済学』/東洋経済新聞社
―――――――――――――――――――――――――――――
 基準年を90年とします。「モノ」とその数量の組み合わせを
「マーケット・バスケット」と称しています。これが90年に食
パンとワイシャツで構成されるとします。90年のマーケット・
バスケットの価格は3800円です。
 91年になると、食パン、ワイシャツともに値上がりしてその
価格は4400円になります。90年より15.8 %上昇してい
ます。90年のマーケット・バスケットの価格である3800円
を100に基準化します。そうすると、91年のマーケット・バ
スケットの価格4400円は、約115.8 と表すことができま
す。これが消費者物価指数です。
 つまり、消費者物価指数は、ある年のマーケット・バスケット
の価格を100として、それを基準にして指数化したものであり
その指数の変化が問題になるのです。この例では、91年の消費
者物価指数は90年の100から115.8 へと15.8 %上昇
しているのです。つまり、消費者物価は15.8 %上昇したこと
になるのです。         ── [財務省の正体/26]


≪画像および関連情報≫
 ●消費者物価指数の推移について
  ―――――――――――――――――――――――――――
  消費者物価指数は2011年9月に生鮮食品を除く総合で対
  前年同月比プラス−0.1%と4ヵ月ぶりにマイナスとなっ
  た。生鮮食品を含む総合は-0.2%だった。海外の物価動向と
  比較すると日本の物価上昇率は相対的に低く、日本のデフレ
  的体質からの脱却は容易ではないことが分かる。2011年
  4月については、平成22年4月から導入された高校授業料
  無償化(公立高校の授業料無償化・私立高校への高等学校等
  就学支援金制度)の影響がマイナス1.5%のうち0.54
  %分(寄与度)と計算されている。もし高校授業料無償化が
  なかったとしたらマイナス1.0%と若干の改善となってい
  たと見なせる。http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4720.html
  ―――――――――――――――――――――――――――

岩田規久男著「デフレの経済学」.jpg
岩田規久男著「デフレの経済学」
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 財務省の正体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
12・15 私たちの声を防衛省と沖縄県知事に届けよう「日本人であることを示すには」
http://sacredplaces.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/1215-42e8.html
(腐れ親父の独り言さまより)

さて、沖縄県知事は日本人である限り日本の国土内で米軍属に隷従させられる地位協定を、維持するべきと考えているのかそれとも破棄すべきと考えているのか?
扶桑の島に生まれ育った日本人として子孫へ誇りをもって伝えるべきものはなにか?
日本国憲法か地位協定か?
両者は並存絶対不能である。

いまこそ全国の知事と国会議員と市町村首長に対して同じ二者択一の質問をしてみる必要がある。
Posted by 東行系 at 2011年12月13日 03:57
「米軍ショッカーの手下政権モドキが支配する国ニッポン」

総選挙を勝ち抜かずに総理になった者(今は野田)は、ショッカーの人間モドキみたいな「総理モドキ」にすぎません。

小泉も「総理モドキ」だったね。そのあと総選挙で勝ったとたん公約破り宣言したから、総理にはなったけど政治家失格人間失格してこんどは「人間モドキ」総理になった。

そのあと自民党は選挙なしの「総理モドキ」が3人続いて潰れ、民主党が選挙で勝って鳩山総理。彼は総理になったけど本人が人間以下の鳩の惑星の宇宙人だったからこれも「人間モドキ」総理。

その後の民主党の菅も野田も選挙を戦ってないからこいつらは「総理」じゃなくただの「日本人モドキ総理モドキ」にすぎない。その内閣はモドキを集めてできた内閣モドキであり、そのアメポチスパイ官憲ファッショ政治はアメリカ(軍隊狂犬)の強きにへつらい日本人主権者国民の全てを公権力乱用して搾取する、強きに諂い弱きをくじく破廉恥暴虐政治である。日本人としてよりも、そのまえにまず何よりも人として恥ずかしい米軍傀儡政府泥棒悪代官公務員とその職権乱用政治であることよ。

この国にモドキじゃない本当の内閣を作るためにはいまこそ解散総選挙が必要だ。地位協定破棄は言うに及ばず。
Posted by 東行系 at 2011年12月13日 10:41
「モドキども(回文かw)退治も地位協定破棄一発でおk」

日本国憲法を無視するモドキどもの電源は地位協定の治外法権だから、安保条約堅持のまま地位協定破棄してやれば日本国憲法に電源が入って、かわりに憲法違反常習の政府モドキ霞ヶ関は全電源喪失して自壊する。

小沢君の夢である政治主導を実現するには、自分が身を捨てて地位協定破棄動議を国会に提出するだけで良い。国民投票で地位協定破棄するよりはるかに手っ取り早いし、記名投票させれば地位協定を維持したい憲法違反売国奴議員が簡単明瞭にあぶりだせる。
なぜなら選挙でいくら政権が変わっても政府霞ヶ関憲法違反法匪行政機関モドキがそのままでは永遠に政治主導などあり得ないから。
Posted by 東行系 at 2011年12月14日 13:46
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