2006年09月19日

モーツァルトはどんな顔をしていたか(EJ1923号)

 本日からはじまるテーマはモーツァルトです。今年はモーツァ
ルトの生誕250年目(1月27日)に当たる年であり、テーマ
としてのニュース性もあります。
 もともとフリーメーソンをテーマとして取り上げていたとき、
その一部として書くつもりであったモーツァルトの歌劇『魔笛』
とフリーメーソンの関係を含む次のテーマとしてまとめてみたい
と考えております。
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     モーツァルトをめぐる謎の解明に挑戦する
      ―とくに『魔笛』に隠された謎を解く―
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 このテーマの中で取り上げたいと考えている主要項目は、次の
4つです。
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    1.モーツァルトはどんな顔をしていたか
    2.モーツァルトは果たして殺されたのか
    3.歌劇「魔笛」とフリーメーソンの関係
    4.モーツァルトの音楽は健康に良いのか
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 ところで、モーツァルトに謎なんてあるのかという人もいると
思うのです。モーツァルトといえば天才音楽家であり、数多くの
書籍があって、その誕生から死亡まではちゃんとした記録がある
――したがって、謎などはないという考え方です。
 しかし、モーツァルトにはわからないことが多くあるのです。
とくにモーツァルトは35歳の若さで急死しているのですが、死
因が特定できないことです。その当時の平均寿命を考慮しても、
35歳はあまりにも若過ぎるのです。
 モーツァルトの前後に活躍した作曲家の生涯年齢を次に上げて
おきます。どう考えても35歳は若死にであるといえます。
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 ヨハン・セバスチャン・バッハ ・・・・・・・・ 65歳
 フランツ・ヨーゼフ・ハイドン ・・・・・・・・ 77歳
 アントニオ・サリエリ ・・・・・・・・・・・・ 75歳
 ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン ・・・ 58歳
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 死因は一応病死ということになっています。しかし、その死因
は尿毒症、リューマチ性熱病、結核、甲状腺腫、水腫、ブライト
氏病、腎臓炎、粟粒疹熱、脳炎などたくさん出てきて、特定され
ていないのです。
 それに映画『アマデウス』を観てもわかるように、当時音楽家
としてかなり有名であり、かなり収入もあったモーツァルトとし
ては、寂しい埋葬をされています。モーツァルトは聖マルクス貧
民用共同墓地に葬られ、ちゃんとした墓がないのです。そこで、
殺されたのではないかという説が出てきたのです。
 このように、モーツァルトにはいろいろな謎があるのです。し
かし、最初から重たいテーマではなく、「モーツァルトはどんな
顔をしていたか」から考えていきましょう。
 われわれは漠然とではありますが、モーツァルトの顔を知って
います。それはCDなどのラベルに描かれたモーツァルトの肖像
画がアタマにあるからです。モーツァルトには数多くの肖像画が
残されていますが、それらの肖像画はよく見ると、いずれも印象
が異なるのです。
 その代表的なものを2つ上げましょう。添付ファイルをご覧く
ださい。CDなどのラベルには、この2つ(BとC)のいずれか
が使われるケースが多いのです。
 現在、CDや本などに出ているモーツァルトの肖像画のほとん
どはBであり、若き日のモーツァルトです。これは、1819年
にバーバラ・クラフトによって描かれたものです。モーツァルト
は、1791年に死んでいますから、モーツァルトの死後に描か
れたものです。
 しかし、それ以前はもっぱらCが使われていたのです。こちら
は、ヨーゼフ・ランゲという人物が1783年に描いたものなの
です。モーツァルトが生存中の肖像画です。モーツァルトの肖像
画としては、この2枚がさかんに使われるのです。
 しかし、この2枚の肖像画は、モーツァルトの年齢が違うとは
いえ、どうみても似ていないのです。しかも、Cの肖像画の下の
部分がゴチャゴチャしており、おかしいです。
 実はランゲによるモーツァルトの肖像画は未完成なのです。C
の原画がAなのです。これを見ると下の部分が仕上がっていない
ことがよくわかります。
 このヨーゼフ・ランゲという人物は、モーツァルトの妻のコン
スタンツェの姉であるアロイジアの夫なのです。アロイジアは、
作曲家ウェーバーの従妹に当たります。添付ファイルのDはその
アロイジアです。
 モーツァルトは、マンハイムで写譜を頼んだことがきっかけで
ウェーバー家と付き合うようになります。父親のフリードマンは
モーツァルトの楽譜を見て彼の才能を認め、4人の娘(作曲家ウ
ェーバーの従妹)の音楽的能力をテストしてもらったのです。
 モーツァルトは次女のアロイジアの声の能力を見抜き、声楽家
として成功することを父親に告げるのです。そして何度かウェー
バー家を訪れるうちにモーツァルトはアロイジアとの結婚を望む
ようになります。しかし、この恋は成就しなかったのです。
 アロイジアは、資産家の宮廷俳優ヨーゼフ・ランゲと結婚し、
モーツァルトはその後もウェーバー家と付き合ううちに、三女の
コンスタンツェと結婚するのです。これはそのように仕向けた母
親セシリア・ウェーバーの作戦だったのです。
 しかし、モーツァルトは結婚後もアロイジアを彼のオペラに起
用したり、彼女のために演奏会用コンサート・アリアを作曲した
りしているのです。肖像画Cはそのアロイジアの夫であるランゲ
の作品なのです。      ・・・・・ [モーツァルト01]


≪画像および関連情報≫
 ・なぜ、肖像画は未完成なのか
  ―――――――――――――――――――――――――――
  アロイジアの夫ヨーゼフ・ランゲは、素人ながら絵心があり
  おそらくはアロイジアに頼まれてモーツァルトの横顔の肖像
  画を描いたと思われますが、この作品は未完成のまま、モー
  ツァルトの死後コンスタンツェに渡っています。未完成に終
  わったのは、嫉妬深かったランゲがモーツァルトと妻アロイ
  ジアの仲を知って筆を止めたとも考えられます。ちなみにア
  ロイジアは、もともとは母の勧めでランゲと結婚したような
  経緯もあり、モーツァルト死後離婚しています。
  ―――――――――――――――――――――――――――

1923号.jpg
posted by 平野 浩 at 06:41| Comment(0) | TrackBack(0) | モーツァルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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