2006年09月07日

救世主イエスとハッカーのネオ(EJ1916号)

 『マトリックス』という映画があります。EJでは次の期間に
9回にわたってこの映画を取り上げたことがあります。
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   2003年12月15日/EJ第1252号
      〜2003年12月19日/EJ第1256号
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 それが、なぜ、いま『マトリックス』なのかというと、この映
画が明らかにイエス・キリストの物語をベースにしているからで
す。キリストをテーマにした映画はたくさんあります。思いつく
ままにいくつかあげてみましょう。
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 1.『パッション』/2004年
 2.『ジーザス・クライスト・スーパースター』/1973年
 3.『キング・オブ・キングス』/1961年
 4.『ベン・ハー』/1959年
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 一番新しい映画は、2004年のメル・ギブソン主演の『パッ
ション』です。メル・ギブソンがかなり熱心なクリスチャンであ
ることは、欧米では有名な話だそうです。
 ところで、この『マトリックス』も立派なキリスト映画である
と考えます。そこでこの映画に関連させて、イエスとマグダラの
マリア論を書いてみたいと思います。映画『マトリックス』をご
覧になっていなくてもわかるように書くつもりです。
 映画『マトリックス』には最初から「救世主」という言葉が何
回も使われます。最初に使われるのは、コンピューター・プログ
ラマのネオの自宅に注文したデータを取りにきたチョイという男
の次のセリフです。
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 ハレルヤ!あんたはおれの救世主だ。おれにとってはイエス・
 キリストだ!                 ――チョイ
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 チョイは、ある種の違法ソフトウェアの収集をネオに依頼して
いたのです。そのときネオは、この取引については誰にもいわな
いでくれとチョイに頼むのですが、チョイはそれを了解します。
このシーンは、マルコによる福音書においてイエスが救世主であ
ることを隠そうとする話によく似ています。
 映画『マトリックス』のプロットを簡単にいうのは難しいので
すが、次のような映画であると思ってください。
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 大手ソフトウェア会社に勤めるプログラマ、トーマス・アンダ
 ーソンは、あらゆるコンピュータ犯罪を犯すハッカーのネオと
 いうもう一つの顔があった。ある夜、モーフィアスという人物
 からメッセージが届く。「follow the white rabbit ――白ウ
 サギについていけ」。やがてネオは今まで現実だと思っていた
 世界がコンピューターの反乱によって作られた仮想現実だと知
 らされる。現実の世界では人類は養殖されており、ネオはAI
 マシンとの壮絶な戦いに巻き込まれる。
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 つまり、ネオは圧倒的なAIマシンの攻撃から人類を救い出す
救世主という役どころなのです。ネオを支えるのは、ネブカドネ
ザル号の船長モーフィアスとトリニティ、タンク、サイファー、
ドーザー、エイポック、スイッチ、マウスの乗組員7人の計8人
――残念ながら12人ではないのですが・・・。
 しかし、ネブカドネザル号のクルーとイエスの教団と酷似して
いる点が2つあるのです。
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      1.乗組員の中に兄弟がいること
      2.ネオが何者かわかっていない
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 12使徒の中にはゼベタイの子のヤコブとヨハネの兄弟がいま
すが、ネブカドネザル号のクルーの中にも兄弟がいるのです。こ
れはとても偶然とは思えず、意識してそうしたとしか考えられな
いのです。これが酷似している点の第1です。
 イエスの12人の使徒たちも群集も実はイエスが何者か本当は
わかっていなかったのです。確かにイエスは人並みはずれた存在
であることはわかってはいたものの、果たして真の救世主である
かどうかについては、心から信用している者から疑っている者ま
でかなりの温度差があったと思うのです。
 だからこそ、イエスがローマ兵に捕らえられ、裁判にかけられ
ても何もできないのを見ると、とたんに手のひらを返して「死刑
だ!十字架だ!殺せ!」と叫ぶのです。
 映画『マトリックス』でも、ネオを心から救世主であると信ず
るモーフィアスやトリニティから、頭からそれを否定しているサ
イファーまで大きな温度差があります。モーフィアスは別として
トリニティでさえも最初のうちはネオが真の救世主であるかどう
かは信じ兼ねていたのです。
 そして、映画を観ている観客にも、ネオが救世主であるかどう
かについて判断を下せるほどの情報は与えられていないのです。
そういう情報を与える主体として預言者のオラクルというのが登
場しますが、彼女は何一つそのための判断を下せる情報を喋って
いないのです。どちらともとれる情報ばかりです。
 ネオの力が最初に発揮されるのは、モーフィアスが捕まり、監
禁され、自白剤を打たれて、人類が隠れ住む地底都市ザイオンの
コードを吐かせられる寸前に追い込まれたときです。もし、コー
ドを教えてしまうと、機械軍団はザイオンに総攻撃をかけ人類は
滅びてしまうことになります。
 こういう絶体絶命のときにネオは立ち上がり、トリニティと一
緒に敵の巣窟に対してヘリコプターを使い、信じられないエネル
ギーでモーフィアスを救出し、結果として人類を救います。まさ
に救世主です。     ・・・・・・・・ [D−コード34]


≪画像および関連情報≫
 ・映画『マトリックス』のあらすじ
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  人類にとって機械は良きパートナーだった。人間はより高性
  能の機械を創造し、世の中を便利にしていった。あるとき一
  体のロボットが、不満から人間を殺してしまう事件が発生し
  た。知性があるまでに進化したロボットは裁判を受け有罪と
  なってしまう。この事件を契機として日頃機械に敵意を持っ
  ている人間は器械を迫害する。
      http://www.fujigoko.tv/rev/prof/doc6/index.html
  ―――――――――――――――――――――――――――

1916号.jpg
posted by 平野 浩 at 06:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ダ・ヴィンチ・コード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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