2011年10月20日

●「なぜ、小沢一郎を有罪にしたいのか」(EJ第3164号)

 陸山会事件の本質とは一体何でしょうか。裁判で争われたのは
何であったのでしょうか。小沢一郎氏にはどういう罪があるので
しょうか。
 裁判の訴因となっているものは、次のことに過ぎないのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
    政治資金収支報告書の記載漏れと記載時期のずれ
―――――――――――――――――――――――――――――
 具体的にいうと、検察側の主張では、「記載漏れ」は、陸山会
が定期預金を担保に銀行から借り入れた4億円は記載されている
が、小沢氏本人から借りた4億円は記載されていないというもの
です。これが「記載漏れ」の内容です。
 それでは「記載時期のずれ」とは何でしょうか。これは、陸山
会が世田谷の土地を2004年10月29日に購入しているのに
その登記が2005月1月に行われている──これが記載時期の
ずれであるというのです。
 それでは、小沢氏はどういう罪があるのでしょうか。
 はっきりしていることは、「記載漏れ」については罪に問えな
いということです。政治団体の帳簿の記載ミスは、事務担当者の
責任──身分犯──であって団体の代表者である小沢氏には及ば
ないからです。それでは小沢氏のどこが悪いのでしょうか。
 もしあるとすれば「記載時期のずれ」の方でしょう。検察側は
土地の登記の日をずらしたのは、小沢氏の指示によるものと見て
いるからです。しかし、証拠は何ひとつないのです。
 石川氏によると、2005年には民主党の代表選があるかもし
れず、2004年の収支報告書に記載すると、2005年に収支
報告書が公開されるので、小沢氏が不利にならないように自分な
りの判断で時期をずらしたというのです。もしそうであるならば
理屈からいっても小沢氏に相談していないはずで、小沢氏には何
の罪もないことになります。
 いずれにしてもたかが帳簿の記載漏れか、登記の期ずれなどの
事務の問題に過ぎないのです。こんなことは他の政治団体でも日
常茶飯事で起きており、いずれも訂正で済んでいるのです。それ
なのに、陸山会については、国会議員を含む元秘書3人を逮捕・
起訴して、挙句のはてに有罪判決を下しているのです。法の下に
平等はないのでしょうか。
 そんなことは、検察も裁判所もわかっていると思うのです。控
訴審では判決が覆される可能性は少なくないのです。しかし、検
察や裁判所は、元秘書3人の裁判では何が何でも有罪の判決を出
す必要があったのです。そうでないと、小沢裁判で小沢氏を有罪
にすることは、ほとんど絶望的になるからです。
 どうして小沢氏をそこまでして有罪にしたいのでしょうか。そ
れは小沢内閣の誕生を阻止するためです。小沢氏を首相にしない
ためです。これは記者クラブメディアも同じなのです。自分たち
の存続にかかわっており、利害が及ぶからです。
 小沢内閣ができれば、徹底的に官僚機構を壊しにかかることは
火を見るより明らかです。記者クラブなどは真っ先に廃止に追い
込まれるでしょう。それは、政治を官僚から国民の手に取り戻す
ために、どうしてもしなければならない改革なのです。それがで
きるのはもはや小沢一郎しかいないのです。官僚機構もそう見て
います。小沢一郎ならやりかねない、と。
 そこで検察は、収支報告書の記載漏れや登記時期の期ずれ記載
を「虚偽記載」とまとめて表現し、いかにもそれが悪質であるか
のような印象を持たせようとしたのです。つまり、なぜそういう
虚偽記載をしなければならなかったかという動機を西松建設や水
谷建設からの裏献金に求めたのです。何の証拠もないのにそのよ
うにでっちあげたのです。何ということか。これはもはや裁判の
名に値しない代物です。
 つまり、陸山会裁判をいかにも贈収賄事件のように偽装したの
です。そうでないと、これまでの小沢事務所に対する捜査や取調
べと整合性を保てないからです。法の下に平等ではないという批
判を浴びるからです。記者クラブメディアもそれに協力して小沢
潰しに参加しています。これは独裁国家おける暗黒裁判そのもの
といえます。中世の魔女裁判と同じです。
 本当に小沢氏が事務所ぐるみで共謀して裏献金を手にし、政治
資金収支報告書に虚偽記載したのであれば、検察はなぜ堂々と小
沢氏を贈収賄罪で逮捕・起訴しないのでしょうか。なぜ、政治資
金収支報告書の虚偽記載による政治資金規正法違反なのでしょう
か。小沢問題を唯一正しく報道している「週刊ポスト」は、それ
について次のように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 今回の事件が小沢事務所ぐるみの贈収賄であるなら、ただちに
 小沢氏本人を含めて容疑者として逮捕すべきだ。それこそが政
 治浄化につながる。が、新聞・テレビもこれが本当に贈収賄だ
 と思っていない。「ゼネコン裏金認定(朝日)」などと報じな
 がら、なぜか政治資金規正法違反より重大な公共事業をめぐる
 贈収賄事件を独自に検証しようとしないのがその証拠だ。(一
 部略)つまり、マスコミ、政界、そしていまやそれらを完全に
 掌握してコントロールする霞ヶ関の巨大権力の目的は、政治浄
 化でもなければ犯罪の立件でもない。「小沢の政界退場」さえ
 実現できれば、あとはどうでもいいのである。
            ──「週刊ポスト」/10月14日号
―――――――――――――――――――――――――――――
 ここで誰の目にもはっきりしてきたことがあります。それは、
小沢氏がマスコミ、既存政党、官僚機構にいかに恐れられている
かということです。彼なら本気で改革をやりかねない、と。
 彼らにとって他の政治家など恐れるに足らない存在であり、容
易に制御できると考えています。確かに、鳩山、菅、野田政権を
見れば明らかです。しかし、何たる傲慢か。これほど国民を馬鹿
にした話はないと思います。 ── [日本の政治の現況/90]


≪画像および関連情報≫
 ●「小沢一郎は国家反逆罪か」/「週刊ポスト」
  ―――――――――――――――――――――――――――
  この国が恐ろしいのは、すべての権力が同じ方向を向いて走
  り、正義よりも自分たちの足元ばかり気にしている点だ。こ
  れは、一政治家に対する好悪、一事件の審議を超えた問題で
  ある。恐らくこのような裁判がまかり通り、もし誰も「おか
  しい」と口を開かなくなれば、小沢氏自身も「有罪推定」と
  みて間違いない。その罪状は何だろう。「国家反逆罪」だと
  いわれればわかりやすいが、そんな気の利いた言葉は、荒涼
  とした今の権力からは出てこない。その法廷で裁かれるのは
  この国の「正義」なのかもしれない。
            ──「週刊ポスト」/10月14日号
  ―――――――――――――――――――――――――――

「週刊ポスト」/10月14日号.jpg
「週刊ポスト」/10月14日号
posted by 平野 浩 at 03:30| Comment(3) | TrackBack(0) | 日本の政治の現況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
検察の腐敗は村木さんの冤罪裁判で白日の下にさらされたが、陸山会の政治資金記載の裁判でまたもとの黙阿弥に戻っている。腐っているのは裁判所も同じ穴のむじなを証明している。さらに腐っているのは記者クラブを構成している、新聞,TVのマスコミ、いわゆるジャーナリズム。これが一番の悪の原因、権力とマスコミが一体となったら戦前の暗黒社会、独裁国家と変わらない、危機的状況である。御用学者、ちょうちん持ちの政治評論家ほかコメンテータは一掃することが必須。
特に検察出身の御用弁護士のコメントは国民をだました詐欺犯罪ではないか。大手新聞の罪はもっと重い、組織犯罪を一掃するには国民が行動する、デモを起こすことが一番の早道。デモを起こして、官房機密費、裏金の絶滅、特別会計の無駄遣いほか公共工事の天下りの無駄を本当になくすことから日本の再生を図ること。東北大震災で火事場泥棒的な利権むさぼりこそ、小沢裁判の裏側であることをぼけ老人のわたしでも知ってしまったこの事実にいてもたってもいられない気持ち。
みんなデモを起こそう。
Posted by のぼっさん at 2011年10月20日 09:48
 全く同感です。小沢首相誕生を阻止するための一連の謀略です。
 この”動き”で、一番大きな働きをしているのが、記者クラブ所属のマスメデイアです。
 最近やっと、小沢さんもネットメデイアを積極的に活用し、情報発信されるようになりましたが、もっともっと、テレビ視聴者や、一般勤労者へ伝わる手段も必要と思われます。
 通勤途上のラジオ視聴者や、帰宅後のネット視聴者などへの定期的な動画配信など輪を広げていく必要があると思います。地デジ化で、テレビとパソコンの差はすぐになくなります。それを見越した情報伝達の手をどう打つかが今後の勝負になる筈です。
Posted by 松代理一郎 at 2011年10月21日 19:16
日本は、官僚政治です。政治家は、官僚の補助役です。これが日本の政治です。いくら政権が国民の選挙により交代しても、官僚が政治を行えないようにしなければ、日本の将来は、官僚により、もっと酷い国になるでしょう。そして、既得権者だけの思いのままの政治が行われる事になります。
昔は、地方での裁判官の出張裁判では、監察官と裁判官は、同じホテルに泊まりいろいろの話し合いがなされていました。弁護士は、別のホテルに泊まりました。このように、裁判官と検察官は、よほどの事がない限り一つなのです。
小沢一郎につきましても、私は小沢内閣を阻止する司法官僚が計画し、判決の内容は、裁判開始前に決まっていたと思います。監察官が起訴すれば、まずい点があると思います。その為、検察審査会を利用したと思うのが当然でしょう。
国民一人一人が、危険な官僚政治を崩壊させ、国民の選挙によって選ばれた政治家による本当の国民の為の政治が行われる事を切に希望します。
Posted by とらさん at 2012年04月23日 19:45
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