2011年10月07日

●「収支報告書のどこが虚偽記載なのか」(EJ第3156号)

 10月3日発売の「週刊ポスト」は、陸山会判決を批判して次
のタイトルで特集記事を載せています。
―――――――――――――――――――――――――――――
  小沢「抹殺裁判」
  わが国はいつからこんなに恐ろしい国になったんだ!?
―――――――――――――――――――――――――――――
 誰が考えてもこの判決は異常そのものです。ネットでは判決を
批判する記事が溢れていますが、表の新聞はわざわざこの件で世
論調査を行い、鬼の首でも取ったように小沢氏に証人喚問や議員
辞職を求めています。テレビでは、出演した評論家や一部の弁護
士は、今回の判決を「世紀の名判決」と称賛するとんでもない輩
までいます。この国は完全におかしくなっています。
 今回の判決がいかに不当なものであるか──EJではさらに追
求していきます。本日から次のテーマについて検証します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 陸山会は世田谷の土地購入のための資金約4億円を小沢一郎
 氏から借り入れたのに収支報告書にはその記載がない
―――――――――――――――――――――――――――――
 何回も強調しているように、2004年の政治資金収支報告書
に4億円の記載はあるのです。このことは裁判所も認めているの
です。それでは、なぜ記載がないというのでしょうか。
 実は4億円は2つあり、本来は8億円なのであると裁判所は考
えているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
  @小沢一郎氏個人から借り入れた4億円 → 記載あり
  A定期担保で銀行から借り入れた4億円 → 記載なし
―――――――――――――――――――――――――――――
 もう少し正確にいうと、陸山会は、小沢氏からの借入金である
4億円を定期預金にし、それを担保に小沢一郎名義で銀行から4
億円借りています。しかし、陸山会などの政治団体は法人格がな
いので、代表の小沢一郎名義でないと銀行から借りられないので
す。これは自民党などでも同様です。
 しかし、帳簿に記載されている4億円はどちらの4億円かわか
らないのです。私は、陸山会が小沢氏から直接借りた4億円を記
載したと思ったのですが、裁判所の考え方は違うのです。裁判所
は、定期担保で借りた4億円であると推定しているのです。
 つまり、裁判所としては、陸山会が小沢氏からの資金を隠蔽し
ようとしたというストーリーを組み立てて、そのためにその4億
円をわざわざ定期預金にして、同額を銀行から借り入れたと考え
たからです。したがって、記載のある4億円は銀行から借り入れ
た方であると推定しているのです。
 しかし、これは妙な理屈です。本人から借りようと、銀行から
借りようとどちらも「小沢一郎」の名前が出るのですから、4億
円を隠したことにはならないからです。本当に4億円を隠す気な
ら、帳簿に一切記載しないはずです。
 裁判所の判断はこうです。収支報告書には本人から借りた4億
円と銀行から借りた4億円の8億円の記載が必要であるのに、定
期担保の4億円しか記載されていない。したがって、小沢氏から
直接借りた4億円は未記載である──こういう理屈です。
 しかし、収支報告書に記載が必要なのは、小沢氏から直接借り
た4億円であり、定期担保の4億円の方は記載する必要がないの
です。政治資金規正法第4条によると、銀行からの借り入れなど
はついては、政治資金収支報告書が求める「収入」からは除外さ
れているのです。政治資金規正法第4条は次のように定められて
います。
―――――――――――――――――――――――――――――
 第四条 この法律において「収入」とは、金銭、物品その他の
 財産上の利益の収受で、第八条の三各号に掲げる方法による運
 用のために供与し、又は交付した金銭等(金銭その他政令で定
 める財産上の利益をいう。以下同じ)の当該運用に係る当該金
 銭等に相当する金銭等の収受以外のものをいう。
―――――――――――――――――――――――――――――
 政治資金は政治資金規正法の定める運用手段によって運用する
ことが認められています。上記の「第八条の三各号」とは、その
政治資金の運用手段について規定しており、その中に「銀行その
他の金融機関への預金又は貯金」が入っているのです。銀行の各
種預金──定期預金などを使って運用することが認められている
のです。そのなかには、その定期預金を担保にして銀行から融資
を受けることも含まれます。
 政治資金規正法第4条では、そういう運用による金銭の動きに
ついては、同法でいう「収入」には該当しないといっているので
す。法律用語で書かれたきわめて難解の条文ですが、そのように
解釈できます。
 整理するとこういうことになります。2004年の陸山会の政
治資金収支報告書にある次の記載は、文字通り小沢氏から直接借
り入れた4億円であることは明らかです。
―――――――――――――――――――――――――――――
   2004年10月29日 小沢一郎 借入金4億円
―――――――――――――――――――――――――――――
 陸山会の収支報告書による03年末と04年末の小沢氏からの
借入金残高は次のようになっているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
   2003年末 ・・・ 1億1854万9268円
   2004年末 ・・・ 4億9147万8416円
―――――――――――――――――――――――――――――
 差し引きすると、小沢氏からの借入金残高は3億7292万9
148円増加しています。これは明らかに銀行からの借り入れで
あり、陸山会が別に隠していないことがわかります。それが何で
虚偽記載なのでしょうか。――── [日本の政治の現況/82]


≪画像および関連情報≫
 ●「私を抹殺することが目的」/小沢法廷陳述要旨
  ―――――――――――――――――――――――――――
  検察の不当、違法な捜査で取られた調書を根拠に誤った判断
  がなされた。この裁判は打ち切るべきだ。百歩譲って裁判を
  続けるとしても、罪に問われるようなことば全くない。国民
  から何の負託も受けていない捜査機関が、国家権力を乱用し
  ている。汚点として後世に残る。議会制民主主義を阻害する
  恐れがある。収支報告書の間違いは修正することで処理され
  済まされてきているのに、私の団体のみ1年有余にわたり、
  実質的な犯罪の証拠はないのに強制捜査を受けた。もちろん
  収賄などの実質的な犯罪は全くない。なぜ私のケースだけ突
  然、強制捜査査されねばならないのか。これでは公正で厳正
  な権力の執行とは言えない。実質的な犯罪がないと判明した
  時点で捜査を終結すべきだったのに、延々と捜査を続けたの
  は、明らかに常軌を逸している。小沢一郎を標的にしたもの
  で、私を抹殺することが目的と推認できる。明白な国家権力
  の乱用で、到底許されない暴力行為であり、表舞台からの抹
  殺で残酷なものだ。選挙は国民が主権を行使する唯一の機会
  で、とりわけ2年前の総選挙は戦後初の本格的な政権交代が
  予想された。そのような時の敵静的な権力の行使は許されな
  い。国家権力の介入を恐れる政治はもはや民主主義ではなく
  戦前の過ちを練り返すほかない。裁判長、裁判官の見識ある
  判断をお願いする。
          2011年10月6日/日刊ゲンダイより
  ―――――――――――――――――――――――――――

小沢一郎氏検察を痛烈に批判.jpg
小沢 一郎氏検察を痛烈に批判
posted by 平野 浩 at 02:54| Comment(4) | TrackBack(0) | 日本の政治の現況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
裁判で無罪を主張した腐敗民主党の元代表・小沢一郎の厚顔無恥。
検察批判という恫喝で検察を萎縮させて無罪を勝ち取ろうと画策しているが、果たして成功するか。
検察批判は、自分が犯罪者であると確信していることの裏返しである。無罪なら批判など必要ない。
Posted by 野田メタボ赤どじょう at 2011年10月07日 07:02
野田メタボ赤どじょう殿へ
>検察批判は、自分が犯罪者であると確信していることの裏返しである。無罪なら批判など必要ない。

これは、おまえのようなバカが、冤罪に問われないように司法、検察の戦前回帰を批判した、民主主義者小沢の主張だよ。
Posted by 大逆有理 at 2011年10月07日 08:17
この国の売国奴たちが小沢さんを貶めようと躍起になっている。
本当に嘆かわしい。それだけ既得権益者が多いということなのだろう。いずれ、そのような売国奴たちは裁きの前に引きずり出されることになる。…なると思いたい、
もし正義が実現できないとしたら、もはや法治国家ではない。
人治国家だと指摘される方もおられるが、恣意的に何でも出来るような国になったら,それはもう国家ではない。
そんな場所に誰が住みたいと考えるだろうか。
小沢さんには徹底抗戦を切に望みたいと思う。頑張って欲しい。
Posted by テッド at 2011年10月08日 11:29
平野様、記事をいつも楽しみにしております。
私は建設業の端くれにいた者で、最近はっきり気付いたことがあります。
「水谷建設は国の胆沢ダム工事を受注していなかった」ということです。
鹿島JVと大成JVの単なる「下請け」企業だったと言うことは、鹿島JVと大成建設JVからの発注工事だということです。
これが本当なら、「天の声」は存在しなかったことになるし、1億円の裏金も有り得ないと思います。
約34億の工事ということですが、複数年の工事である上、ゼネコンの下請けは利益がほとんど出ません、会社を回しているだけという状態で裏金など想像の産物、悪意意外に考えられません。
ただ、最初から発表記事は、「幹事社になれなかった」と書いてあったので、これらを承知のうえで「天の声」捏造報道をしているようであまりにも悪質です。
さらなる記事の展開を期待します。
Posted by 宙飛ぶクジラ at 2011年10月11日 13:07
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
RDF Site Summary