2011年08月29日

●「民主党の良心が問われる代表選」(EJ第3129号)

 本日、民主党の代表選が行われ、新代表が決まります。候補者
は、次の5人です。
―――――――――――――――――――――――――――――
    前原 誠司前外 相   野田 佳彦 財務相
    馬淵 澄夫前国交相   鹿野 道彦 農 相
    海江田万里 経産相
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 民主党の所属国会議員は、衆院301人、参院106人の合計
407人ですが、党員資格停止処分中の議員を除くと、398人
で過半数は200人になります。
 しかし、1回目の投票では、誰も過半数は取れないと考えられ
るので、上位2人による決選投票になるはずです。このさい、1
回目の投票で、第1位の候補が有利になると考えられます。支援
グループによって予測すると、常識的には前原氏と海江田氏です
が、果たしてどうなるかは現時点では見えない状況です。
 前原陣営の支持がどこまで拡がるかはわかりませんが、果たし
て海江田氏で小沢グループや鳩山グループがどこまで一本化でき
るかが読めないのです。
 小沢一郎氏にとって、海江田万里氏の支持はおそらく苦渋の決
断であったと思われます。なぜなら、海江田氏では明らかにイン
パクトが弱いからです。とくに国会で涙を見せたこともあり、こ
れは明らかに海江田氏にとってマイナスになっています。
 しかし、政治家として知識面、とくに経済面においては、経済
評論家としてマスコミで活躍していた時期もあり、他の候補者に
比べて強いといえます。また、野末陳平氏に師事したことが縁で
中国に強く、人脈も有しています。よく知られているように、漢
詩に造詣が深く、2006年には私撰の詩集まで出しています。
インパクトにはいささか欠けるが、常識人であり、誠実な人柄で
も知られています。
 小沢氏としては、民主党の党勢を回復するには最低でも2年は
必要であり、そのためには代表選が終了する直後から建て直しに
取り組む必要があると考えています。
 そのため、もし、意中の候補が代表に選ばれず、脱小沢側の首
相が誕生する事態になれば、情勢を見て鳩山兄弟とともに新党結
成に動く可能性があります。もちろん、民主党が近く解散に追い
込まれるという判断をしているからです。
 このことを裏付ける重要な情報があるのです。7月中旬に民主
党のある大物議員が大手銀行に億単位の融資を打診し、その総額
は10億円規模に達するというのです。7月中旬といえば、菅首
相が退陣を匂わせながら、「脱原発」を掲げた解散総選挙の可能
性を探っていた時期に当ります。
 この大物議員は、おそらく小沢一郎氏と考えられ、総選挙に備
えての資金確保ではないかと思われるのです。かねてから、総選
挙になれば鳩山兄弟とともに民主党を離党し、新党結成を計画し
ていたフシがあるからです。これについて、政治評論家の小林吉
弥氏は次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 融資打診が事実なら、時期的に見て総選挙資金の可能性が高い
 のではないか。当時、菅首相が「脱原発」解散に打って出る可
 能性があった。大物議員としては万一に備えて、若い議員を助
 けるためにも準備したのではないか。    ──小林吉弥氏
           ──「ZaKZaK/政治・社会」より
―――――――――――――――――――――――――――――
 27日の『田勢康弘の週刊ニュース新書』(テレビ東京)には
田原総一朗氏と平野貞夫氏の2人が出演しましたが、代表選以後
の今後の政局について、田勢、田原、平野の3氏ともに「民主党
と自民党その他による政界再編成」と答えています。
 このように、今回の代表選は代表に誰が選ばれるかによって、
民主党分裂の危機をはらんでいるのです。民主党の、とくに前回
の代表選で菅氏に投票した議員は、今度こそ日本のことをよく考
えて投票して欲しいと思います。
 27日、今回民主党の代表選に出馬する5人の候補者の記者会
見が行われましたが、記者団の一番前に陣取った朝日新聞の星浩
論説委員、読売の橋本五郎論説委員らの海江田氏に対する質問は
きわめて意地の悪いものであり、公平さに欠けるものであったと
思います。不偏不党のはずの大新聞の論説委員がこのようなこと
では大新聞の価値が下落する一方です。
 小沢グループが支援したからといって、海江田氏がまるで小沢
氏であるかのような質問をするのは常軌を逸しています。小沢氏
の処遇などを代表選のテーマにすべきではないでしょう。27日
の『田勢康弘の週刊ニュース新書』で平野貞夫氏がいっていまし
たが、小沢氏は裁判できちんと無罪が出るまで動くつもりはない
と明言しているそうです。
 小沢氏としては、今回の代表選で誰が選ばれても自らが幹事長
に就任したりはしないといっているのです。名実ともに裁判で無
罪を勝ち取ってから動いても遅くはないと考えているのです。そ
れにしても、あれほど日本中が大騒ぎをして、もし、小沢氏が無
罪になったら、メディアはどのようにして小沢氏に申し開きをす
るのでしょうか。名誉棄損に問われても仕方がないでしょう。
 27日午後7時の情勢では、前原氏の支持が広がっておらず、
海江田、野田、前原の順に支持を固めているようです。野田氏の
発言は、小沢氏寄りにかなり修正されており、もし「前原対海江
田」の決戦投票では野田氏の票の一部が海江田氏に流れる可能性
があります。もしかとすると、第1回投票では野田氏が2位につ
ける可能性すらあります。野田氏のバックに細川護煕氏が支援に
動いており、それが影響しています。前回の代表選でも細川氏は
小沢氏の支援に動いたのです。伏兵は鹿野道彦氏です。鹿野氏の
発言はしっかりしており、もしかすると、海江田氏の強敵になる
可能性があります。     ── [日本の政治の現況/55]


≪画像および関連情報≫
 ●民主党代表選/記者会見/2011.8.27
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  菅首相(民主党代表)の後継を決める民主党代表選の候補者
  5人は27日午後、日本記者クラブ主催の共同記者会見に出
  席した。5人とも東日本大震災と福島第一原発事故への対応
  を優先課題に挙げた。ねじれ国会への対応について、前原誠
  司前外相は「大連立を前提にすべき」と明言したが、馬淵澄
  夫前国土交通相は「大連立ありきではない」、海江田万里経
  済産業相は「国会が(立法府としての)機能を引き続き果た
  していくことが必要」と慎重な姿勢を示した。野田佳彦財務
  相は「与野党の信頼関係を築くべきだ」、鹿野道彦農相は、
  「野党に対して責任をもって話し合いが出来る体制作りが大
  切だ」と、それぞれ述べるにとどめた。東日本大震災の復興
  における財源について、前原氏は民間資金の活用や政府資産
  の洗い直し、復興債を挙げた。野田氏は、行革を進めながら
  足りない部分について「歳入増加の環境整備を進めたい」と
  した。鹿野氏は復興債を日銀が引き受けることを検討課題に
  挙げた。馬淵氏と海江田氏は「経済の成長を前提にすべき」
  と強調した。   ──2011年8月27日付、読売新聞
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民主党代表選/記者会見.jpg
民主党代表選/記者会見
posted by 平野 浩 at 04:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の政治の現況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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