2006年08月04日

異様な装飾のレンヌ・ル・シャトー教会(EJ1892号)

 ベランジェ・ソニエールはパリに3週間滞在しているのです。
そして、会った相手とは、サン・シュルピス神学校長官のビエイ
ユ神父とその甥のエミール・オッフェです。エミール・オッフェ
はまだ20代でしたが、言語学、暗号解読、古文書学の分野では
名声の高い学者であり、聖職者の道を目指していたのです。
 ソニエールが彼らに4枚の羊皮紙を見せたのは間違いないので
すが、そこでどのような会話がかわされたのかについては、何も
わかっていないのです。ただ、ソニエールが急に大金持ちになっ
たことはその後の彼の行動を見れば間違いないことです。
 ソニエールは、ルーヴル美術館に行き、絵画のレプリカを3点
購入しています。単に欲しいものを購入したのではなく、発見し
た羊皮紙に書かれていた次の文に関係のある作品を買い求めてい
るのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 誘惑ではない羊飼いの女、プッサンとテニールスが鍵を握る。
 681年の平和、十字架と神の馬にかけて、守護霊の悪霊を正
 午に完成させる(破壊する)。青りんご。
            ――マーティン・ラン著/秋宗れい訳
        「ダ・ヴィンチ・コード・デコーデッド」より
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 上記の文に該当する絵は、ニコラ・プッサンの「アルカディア
の牧童」です。アルカディアという単語は、ギリシアの守護神で
狩猟の神アルテミスの妹でカリストーの息子のアルカスからきて
います。伝説ではメロヴィング朝はトロイの血を引く者たちであ
るといわれています。
 王立美術学院のクリストファー・コーンフォート教授はこの絵
を分析し、その中に五芒星が隠されていることを発見したと述べ
ているのですが、「アルカディアの牧童」の絵と五芒星の関係に
ついては、添付ファイルをご覧ください。
 さて、ソニエールは、悠々としてパリで3週間を過ごした後、
レンヌ・ル・シャトーに戻ると、直ちに教会の改造に着手したの
です。そのとき教会に家政婦として住み込んでいたマリー・ドナ
ルノと一緒に野山を歩きまわり、岩石を拾い集めたのです。
 さらにソニエールは非常に多くの人に手紙を送っており、その
発信先は全世界に及んでいたため、その切手代として莫大な資金
を使っているのです。そして、それを機に非常に多くの人がレン
ヌ・ル・シャトー教会を訪れるようになったのです。その来訪者
の中には、大変高貴な人も含まれていたのです。
 来訪者の中には、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフの従兄
弟に当たるヨハン・サルヴァトール・フォン・ハプスブルグ大公
がおり、彼はソニエールに多額の資金を支払っていることが銀行
記録からわかっています。
 ソニエールは、教会の改装だけでなく、教会にいたる道路整備
にまで資金を投じています。とにかく資金はいくらでもあるよう
なのです。さらに山の峰の背にはマグダラ塔を建て、自分の住ま
いとしてではなく、ベタニヤ荘――ベタニアというのは、シオン
修道会がレンヌ・ル・シャトーの「アーチ門」に授けた名前――
という屋敷まで建造しています。
 さらに理解に苦しむのは、教会の装飾についてなのです。教会
の玄関には次の刻印の標識掲げられているのです。
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        TERRIBILIS EST LOCUSISTE
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 この言葉をそのまま訳すと「この場所は恐ろしい」となるので
すが、「これは畏れ多い場所」――すなわち「神の家」の意では
ないかという指摘もあります。
 教会の玄関を入ったところにソニエールは悪霊アスモデウスの
像を置いています。とても教会には似つかわしい像ではないので
すが、秘密を管理し、隠された宝を守るという意味があるものと
考えられます。
 教会の中には2つのキリスト像があり、一つは少し高い位置に
あって、上の壁にある薔薇十字付きの丸天井を指差し、もうひと
つの手は、低い位置にあるキリスト像を指しているように見える
のです。そして、低い位置のキリスト像は、教皇権を象徴するも
のを握っているのです。
 壁沿いには次の5人の聖者が描かれています。その頭文字は、
G.R.A.A.L――Holy Grail「聖杯」になるのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    G ・・・・・ 聖ジェルマン
    R ・・・・・ 聖ロック
    A ・・・・・ パトヴァの聖アントニウス
    A ・・・・・ 隠修士アントニウス
    L ・・・・・ 聖ルカ
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 これらの五聖人はMの形で並んでいるのです。このMは教会の
守護聖人を表しており、シオン修道会の聖杯一族の家母長である
「マグダラ」を象徴していると思われます。
 Mの形といえば、「ダ・ヴィンチ・コード」では、レオナルド
・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の絵に見られるMの形を想起さ
せます。「最後の晩餐」の中のイエスとマグダラのマリアとされ
る人物の輪郭をなぞると出てくるMの形です。明らかに、ダン・
ブラウンは、このレンヌ・ル・シャトー教会とソニエールの話を
ベースに小説を書いていることがわかります。
 教会のモチーフは薔薇十字、フランス王家のシンボルであった
百合のシンボル――これらは聖杯一族のシオン修道会とフランス
王家の結びつきを感じさせます。だからこそ、このような辺鄙な
場所の教会に王家の血を引く者が多くきているのです。
 ベランジェ・ソニエールの話はこれで終わりではなく、まだ続
きます。一体彼は、どのようにしてこのような巨額の資金を手に
入れたのでしょうか。    ・・・・・・ [D−コード10]


≪画像および関連情報≫
 ・「アルカディアの牧童」の中に隠された五芒星/古代ペンタ
  クロス文化のブログより
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  プッサンの絵に描かれた3人の羊飼い達の人体ポイント描写
  に「五角形」が隠されているのがおわかりでしょうか。この
  絵がもし財宝の秘匿場所を示す地図だとすれば、黄点にレン
  ヌ・ル・シャトー五角形を重ねて、中央右側の羊飼いが指し
  示す青十字星あたりに隠すでしょうか。
  http://blogs.dion.ne.jp/pentacross/archives/2667057.html
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1892号.jpg
posted by 平野 浩 at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ダ・ヴィンチ・コード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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