2011年07月26日

●「小沢グループの戦略を分析する」(EJ第3105号)

 民主党の小沢グループは現在体制を固めています。現在の小沢
グループは次の3つから成っています。
―――――――――――――――――――――――――――――
      ≪小沢グループ≫
       1.一新会 ・・・・ 約30人
       2.北辰会 ・・・・ 約50人
       3.参議院 ・・・・ 約30人
―――――――――――――――――――――――――――――
 一新会というのは、小沢氏のコアグループです。北辰会は20
09年の衆院選の1期生のグループです。これに参議院の人数を
加えると、ゆうに100人を超えるのです。
 現在、小沢グループがやろうとしていることは、上記3つのグ
ループを1つのグループにまとめ、大小沢グループづくりであり
会長には小沢氏自身が就任するとみられています。
 こんなことは小沢氏ならいつもやっていることだという人もい
るかもしれませんが、小沢氏自身が積極的にグループづくりに力
を入れるのは珍しいことなのです。少なくとも民主党に入ってか
らは小沢氏自身はグループ強化に取り組んでいないのです。
 一体小沢氏は何を考えているのでしょうか。石川知裕氏の本の
「あとがきにかえて」にその謎を解く次の一文があります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 小沢新党はできるのか。できた場合に、党本部として使える部
 屋を小沢は持っている。ホテルニューオータニの近くにある、
 かつて新生党本部があったビルのだだっ広い一室だ。小沢が自
 民党政治に反旗を翻して初めて「悪党」を集めた、思い入れの
 ある象徴的な場所でもある。そこに再び小沢一郎を筆頭とする
 造反した議員たちが集まり、「挙党一致内閣」を動かす夢を私
 は思い浮かべてみた。           ──石川知裕著
         『悪党/小沢一郎に仕えて』/朝日新聞出版
―――――――――――――――――――――――――――――
 この石川氏の記述を見ると、小沢氏が新党を考えていることが
読み取れます。それでは、どういうときに新党を立ち上げるのか
現在わかっている情報から予測してみます。なお、この予測は、
「サンデー毎日」7/31の記事を参照しています。次の3つの
可能性のそれぞれについて考えてみます。
―――――――――――――――――――――――――――――
       1.菅首相が8月末で退陣したとき
       2.菅首相が8月に辞任しないとき
       3.菅首相が解散総選挙に出たとき
―――――――――――――――――――――――――――――
 まず、菅首相が8月末で退陣したときです。このときは9月に
代表選が行われますが、小沢グループはしかるべき代表候補を選
び、支援する方針です。これが民主党を割らない最善の方法であ
るといえます。野田、馬淵、前原、海江田氏らがポスト菅に意欲
を見せています。このさい、小沢グループは代表選びに大きな影
響力を持つことになります。
 それでは、菅首相が8月末に辞任しない場合どうするかです。
このさい、次の2つの可能性があります。
―――――――――――――――――――――――――――――
     1.小沢グループがクーデターを敢行する
     2.自公両党が内閣不信任案を再提出する
―――――――――――――――――――――――――――――
 上記2から考えます。内閣不信任案の再提出は、今のところ公
明党が乗り気ではありませんが、可能性としてはあります。もし
内閣不信任案が提出されると、今度は問題なしに可決されます。
民主党の執行部としても首相に何回も辞任を迫りながら、内閣不
信任案を否決したのでは整合性がとれないからです。
 この場合、菅首相がどう出るかです。内閣を総辞職すれば代表
選になりますが、菅首相のことですから、解散し、脱原発総選挙
を仕掛けてくる可能性があります。党の大半を敵にまわしている
ので、彼なら破れかぶれ解散をやりかねません。この場合、民主
党は壊滅的敗北を喫するはずです。このとき、小沢グループはど
うするのでしょうか。
 上記1について考えます。小沢グループによるクーデターとは
何でしょうか。
 これはいろいろあります。両院議員総会における代表解任動議
や分党論の提案です。もともと小沢グループは、不信任案に小沢
グループ71人だけで賛成する場合、分党を考えていたといわれ
ます。実際には賛成する議員はさらに増えて、可決ラインまで行
ったのですが、71人だけでは不信任案は成立しないので、賛成
した小沢グループは全員離党し、そのさい分党を提案する予定だ
ったのです。すなわち、小沢グループは新党を作ったうえで、民
主党と連立政権を組むという構想です。かつて原口前総務相がい
っていた「民主党A」(新党)と「民主党B」(現在の民主党)
に分党するアイデアです。
 これには小沢グループだけでなく、現在の民主党から去る議員
も多く出ると思われます。なぜなら、現在の民主党では選挙は勝
てないからです。既に「新党自由」という名前も決まっていると
いわれます。
 もちろん小沢グループ以外の民主党が分党に応じないで、小沢
グループその他が民主党を離党する可能性もあります。そのさい
は残った民主党が過半数割れに追い込まれることは確実です。そ
うすると、民主党は自民党との連立をしようとするでしょうが、
小沢氏は既に自民党にも手をまわしており、民主党Bが自民党と
簡単には連立を組めるとは思えないのです。
 こうなると、どのみち総選挙になります。この場合、民主党の
残党にまず勝ち目はないと思われます。すべては菅首相が8月末
に素直に辞めるかどうかです。これによって日本の政治状況は大
きく変わることになります。 ── [日本の政治の現況/31]


≪画像および関連情報≫
 ●原口一博前総務大臣の「民主党分党論」
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  原口一博前総務大臣の「民主党分党論」が、日本の政治を大
  きく変える「一撃」になる可能性がある。原口氏の意見は、
  簡単に言えば、民主党は「2009年マニフェストを実現す
  る派」と「マニュフェストを修正する派」に分かれる必要が
  ある、というものだ。さらにシンプルに考えれば、二派の分
  かれ目は、「増税」を受け入れるか否か、になる。デフレ下
  にも関わらず、菅現政権はマニフェストを大きく修正して増
  税路線に転換しようとする。方や原口氏は、現政権の消費税
  を始めとする増税路線に反対である。
         http://www.janjanblog.com/archives/33056
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分党論を説く原口前総務相.jpg
分党論を説く原口前総務相
posted by 平野 浩 at 04:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の政治の現況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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