2006年07月28日

ローズラインとは何か(EJ1887号)

 新しいテーマになって5回目ですが、フィクションに過ぎない
映画のプロットをなぜここまで詳しく追っているのか不思議に思
う人もいるかも知れません。
 確かに『ダ・ヴィンチ・コード』は、ダン・ブラウンの創作に
よるフィクションですが、その中には多くの事実が入っており、
どこまでがフィクションで、どこが真実かその境界が微妙なので
す。なかには本当は事実なのだが、それを前面に出すと関係各方
面に問題が起こるので、あえてフィクションにしているところも
あるのです。
 ダン・ブラウン自身も原作の冒頭部分で、次のように断ってい
るです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する
 記述は、すべて事実に基づいている。  ――ダン・ブラウン
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 重要なことは、この原作や映画の訴えようとしていることを本
当に理解すると、キリスト教の本質というか真実の姿が見えてく
ることです。そういう意味で、この映画は今までに誰も取り上げ
なかった角度から描いたキリスト映画であるともいえるのではな
いかと私は思うのです。
 なお、映画に関しては、この映画の脚本を担当したアキヴァ・
ゴールズマンの著書を手に入れ、それを参照して記述しており、
多くの『ダ・ヴィンチ・コード』の謎解き本とは一線を画す解説
になると考えております。
 さて、シオン修道会の総長ジャック・ソニエールをはじめ3人
の参事が命をかけて守り通した秘密とは一体何でしょうか。とく
にソニエールが孫娘のソフィー・ヌヴーに対して訴えたかったこ
ととは何でしょうか。また、4人を殺害してまで、シオン修道会
の秘密を奪おうとしたオプス・デイのシラスという男は何を狙っ
ているのでしょうか。それにその黒幕であるオプス・デイという
のは、どういう組織なのでしょうか。多くの疑問があります。
 暗殺者シラスがルーヴル美術館を出て向かった先はサン・シュ
ルピス教会でした。シオン修道会の4人の幹部が死ぬ間際に口を
揃えていったことば――「サン・シュルピス教会のローズライン
にある」を確かめるためです。
 シラスはオプス・デイの司教アリンガローサに電話して事情を
話し、夜分でもサン・シュルピス教会に入れてもらえるよう手配
をしてもらったのです。シラスを出迎えたのは、サン・シュルピ
ス教会のシスター、サンドリーヌです。中に入れてもらったシラ
スは、早速サンドリーヌに「ローズラインについて教えてくれ」
と頼むのです。
 ローズライン――北極と南極を結ぶ想像上の線のことで、子午
線あるいは経線のことです。これは無数に引くことができるので
すが、昔の航海者はそれらの線のどれを真のローズライン、つま
り、経度ゼロの線とするかを決める必要があったのです。
 現在、その線は英国のグリニッジにあり、世界共通になってい
ます。しかし、それまでは、フランスの子午線が世界初であり、
多くの国がそれを使っていたのです。
 しかし、数百年の年月を経て英国が地図製作や航海技術で世界
の頂点に立ったことから、英国の本初子午線――経度ゼロの子午
線を世界標準に決めざるを得なかったのです。
 1884年当時、本初子午線は次の11あったのです。これで
は、航法士は困ってしまいます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  グリニッジ  コペンハーゲン  サンクトペテルブルグ
  パリ     リスボン     ストックホルム
  ベルリン   リオ       東京
  カディス   ローマ      
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 しかし、商業用商船の72%がグリニッジの本初子午線を利用
していて、パリのそれを使っていたのはわずか8%でした。そこ
で、1884年にワシントンで開かれた国際会議において、25
ヶ国が投票した結果、22対1でグリニッジへの統一が決まった
のです。フランスとブラジルは棄権しています。
 フランスはグリニッジへの統一が決まった後もフランスの本初
子午線を使い続け、標準時間としては1911年まで、地図上の
基準としては1914年までがんばっていたのです。
 パリの街路などには135個の青銅のメタルが埋め込まれてお
り、これを結ぶと世界初の子午線――フランスの本初子午線にな
るのですが、それはサン・シュルピス教会を通っているのです。
 シラスは、サンドリーヌに1人で神に祈りたいので、引き取っ
て寝て欲しいといい、サンドリーヌを引き取らせます。しかし、
サンドリーヌはソニエールから、そういう事態になったときは連
絡するよう依頼されていたのです。そこで、引き取るフリをして
密かにシラスの行動を監視することにしたのです。
 シラスは、ローズラインの端にある巨大なオベリスクの下の床
の部分を鉄棒で壊します。そうすると、下は空洞になっていて、
そこには古い石板があり、その石板の表面には次の文字が刻まれ
ていたのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
           ヨブ 38 11
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 サンドリーヌは急いで部屋に戻ると、ソニエールに教えられて
いた4つの電話番号に電話します。しかし、電話に出る者は誰も
いなかったのです。全員が殺されていたからです。
 ふとサンドリーヌが振り向くと、そこには石板を手にしたシラ
スが立っていたのです。そしてシラスはこういったのです。「シ
スター、ヨブ記38章11節を知っているか」と。
 シスターの返事を聞くやいなや、シラスは石板をシスターの頭
に叩きつけたのです。   ・・・・・・・ [D−コード05]


≪画像および関連情報≫
 ・「ヨブ記38章11節」とは何か
  『ここまで来てもよい、越えてはならぬ、/おまえの高波は
  ここにとどまるのだ』。シラスには、敵の組織が神の言葉を
  借りて「これ以上の詮索はやめなさい。必要以上に知りたい
  と思う心を自制しなさい」と自分を諭したように思えたので
  屈辱と絶望と怒りから、突発的にシスターを殺してしまった
  のである。
 ・「ダ・ヴィンチ・コード」に対する教会の抗議
  サン・シュルピス教会は、異教徒の名残があるといわれたこ
  とに対して抗議文を配布し、ダ・ヴィンチ・コードに対して
  否定的な姿勢を示している。その否定的な姿勢のもう一つの
  原因は、神の家である教会が、神に仕える者同士が殺し殺さ
  れるという衝撃的な内容の舞台とされたことにも深く関係し
  ている。
     http://salut.at.webry.info/200601/article_46.html

1887号.jpg
posted by 平野 浩 at 04:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ダ・ヴィンチ・コード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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