2011年07月13日

●「海江田経産相は役人に使われている」(EJ第3097号)

 2011年7月10日の「サンデー・フロントライン」に古賀
茂明氏が出演しました。古賀氏は7月15日をめどに退職を迫ら
れていますが、先日松永事務次官から催促されたというのです。
 7月7日の国会では、自民党の塩崎恭久議員が海江田経産相に
古賀氏の問題を取り上げ、質問しています。そのやりとりを要約
すると次のようになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 塩 崎/古賀茂明さんは海江田大臣の下にいますが、6月21
     日に「君にふさわしい仕事はないから、7月15日ま
     でにやめてくれ」といわれたと聞いています。
 海江田/確かにそういう退職勧奨を次官を通じて行ったことが
     ございます。
 塩 崎/2月15日の記者会見であなたはこういっています。
     「大畠大臣と基本的に同じ。能力を発揮できる場所で
     仕事をしていただくというのが一番いい」。間違いな
     いですね。
 海江田/その通りです。この件についてぜひ大臣室にお越しく
     ださいと記者会見でも申し上げておりますが、お越し
     になっていません。
 塩 崎/そもそもね。仕事も与えない。ポストも与えない。そ
     れで待っていても来ないなんて、そんなこといっても
     だめですよ。職務違反があったのですか。
 海江田/そういうことではございません。
 塩 崎/古賀さんはいろいろな問題、公務員改革もそうだし、
     電力のこともそうだし、中小企業政策もそうですよ。
     経産省も参考にしたらよいことが、古賀さんの本には
     たくさん出ていますよ。
 海江田/だから、一度話を聞きたいので、私の部屋まで来てく
     ださいと申し上げているのです。
 塩 崎/女性問題を起こして経産省に恥をかかせた西山審議官
     が更迭されただけなのに、よいことを提言している古
     賀氏がクビというのは不釣り合いですよ。正式にここ
     で古賀氏の退職勧奨を撤回してください。
 海江田/繰り返しますが、私に直接、話にきてください、と申
     し上げておきます。
―――――――――――――――――――――――――――――
 このやりとりを見て、私が思うのは、海江田氏は結局役人に動
かされているだけの人物であって、原発問題にしても、電力問題
にしてもとても改革などできないと思います。
 経産省がなぜ古賀氏を嫌うかはよくわかります。古賀氏をなぜ
長い間意味のない出張に行かせたのかというと、何回も国会に呼
び出されると困るからです。小野氏のような強面の政治家には通
用しませんが、「出張中で出席できない」といって通る政治家も
いるからです。
 それではなぜ7月15日に退職を迫ったのかですが、それは経
産省のインサイダー疑惑が発覚し、その経緯について詳しい情報
を古賀氏が握っているからです。この事実はかなり前から幹部は
わかっていたのを隠蔽していたのです。もし、そんなことを現職
の経産省の役人が国会で話したら、大変なことになります。
 とにかく古賀氏を公務員の身分を外して民間人にさせたい──
経産省の幹部はそう考えているのです。そこでその役割を海江田
大臣に担わせようとしているのです。海江田大臣にしてみれば、
せっかく手に入れた重要閣僚の地位を失いたくない──そのため
には事務次官をはじめ役人のいうことに従うしかないというわけ
です。改革に真面目に取り組み、結局志し半ばで追われた長妻前
厚労相のようにはなりたくないからです。
 現在、海江田氏は菅首相にハシゴを外され、辞意を表明したこ
とで、同情が集まっています。しかし、「いずれ辞任する」は辞
任しないということです。本当に辞任する気があったら即座に辞
任すべきです。
 菅首相の指示を受け、佐賀の玄海原発の再稼働の折衝に古川康
・佐賀県知事と会い、ほとんどまとめてきているのに、菅首相が
ストレステストを持ち出して潰したということが世間一般の認識
ですが、古賀氏の意見は少し違うのです。
 ストレステストが出る前には、浜岡原発は止めたが、他の原発
については安全宣言が出れば再稼働するという点で菅首相と海江
田経産相の意見は一致していたのです。しかし、この件は最初に
海江田経産相がいい、それを菅首相が追認するかたちになってい
たのです。
 しかし、原発の停止にいちばん危機感を持ったのは、経産省自
身なのです。原発が続くことで出向先をはじめ、旨みのある仕掛
けをたくさん作っているからです。
 菅首相による浜岡原発停止によって不安を覚えた経産省幹部は
海江田大臣に話を持ちかけたのです。佐賀の玄海原発は町長が協
力的であり、再稼働の可能性がいちばん高いので、何とか再稼働
させて欲しいと大臣を動かしたのです。このさい、ひとつでも動
かしておけば、他も動かせると考えたのです。
 そこで海江田経産相は佐賀県知事に会い、玄海原発の再稼働の
約束を取り付けたのです。しかし、菅首相は迷っていたのです。
浜岡原発停止の評判がよく、脱原発の流れが出来つつあるところ
に玄海原発を再稼働させると脱原発で盛り上がりつつある代替エ
ネルギー開発ブームに水をさす──菅首相はこう考えてストレス
テストを持ち出し、玄海原発の再稼働を潰したのです。
 それに菅首相は海江田氏が経産省の幹部役人に動かされている
ことを知っていたのです。今回の原発のことで、経産省に首相は
不満を抱いていたのです。しかし、これが国会で取り上げられ、
閣内不一致と批判されたことと、自分が一層悪者になり、海江田
氏に同情が集まってしまったことが誤算だったのです。
              ── [日本の政治の現況/23]


≪画像および関連情報≫
 ●古賀氏退職勧奨関連ブログ
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  少し時間が経ってしまったが報道に依れば経産省次官が審議
  官の古賀茂明氏に退職勧奨したという事だ。表向きは仕事が
  ない、そういう事らしいが、古賀氏は官僚としてはいわゆる
  改革派と目される人物で、歯に衣着せぬ物言いなどで、一部
  守旧派からは煙たがられる存在である。私の生き方からすれ
  ば所詮、官僚、そういうものもあるが、しかし、現実に国民
  が納めた血税を食い物にして自分たちだけが太るような事を
  している官僚組織や官僚達の浪費を抑える事をやってくれる
  ならば頭の色がどうであれネズミを捕る猫はいい猫と、ぜひ
  力を発揮してもらいたい。
         http://u-san.blog.so-net.ne.jp/2011-07-01
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塩崎恭久自民党議員.jpg
塩崎 恭久自民党議員
posted by 平野 浩 at 04:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の政治の現況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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