キリストの時代にヘロデ王が建てたヘロデの神殿を模倣したもの
であるとここまで述べてきています。
しかし、それは「模倣」したものというよりも、精密に写し取
られたものだったのです。それは、添付ファイルの図を見ていた
だくと一目瞭然です。
ロスリン礼拝堂は未完成であるとする説はありますが、未完成
に見える西側の壁はソロモンの神殿も同じであり、主要な壁、柱
は、ぴったりと重なるのです。そして、ダビデの星――ソロモン
の紋章の中心部は、中世の時代においては世界の中心とされてい
た場所であり、「契約の聖櫃」が置かれていたエルサレム神殿の
至聖所の中心に当たるのです。
ロスリン礼拝堂付近の詳しい地図がないのではっきりとはわか
らないが、ナイト/ロマスによると、礼拝堂の東側の地形の傾斜
はエルサレム神殿のそれと酷似しているというのです。礼拝堂周
辺の地形は、東側にキドロンの谷、南にはヒノムの谷にそっくり
の地形になっているというのです。
つまり、ウイリアム・サン・クレアは、単に礼拝堂の内部だけ
でなく、外部までエルサレム神殿を忠実に写し取っていたことに
なります。だからこそ、2代にわたる45年もの年月がかかって
しまったのです。
ロスリン礼拝堂が完成した1490年代から、約230年後の
1717年6月24日――英国において、フリーメーソンリーの
グランド・ロッジが正式に開設されたのです。このときをもって
近代フリーメーソンリーの歴史がスタートしたとされるのです。
ロスリン礼拝堂の建設には多くの石工が関わっています。礼拝
堂の目的、設計の基本構造、秘密文書のありかなど、さまざまな
秘密がそこにあります。
当然そうした秘密を守らせるために、さまざまな工夫がこらさ
れたと考えられますが、それがメーソンリーのロッジで行われて
いる秘儀になっていったのではないかと考えられます。しかし、
ここまで調べ上げてきても、フリーメーソンに関してはなお多く
の謎が残るのです。
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1.フリーメーソンリーの起源は、本当にテンプル騎士団と考
えてよいのだろうか。
2.フリーメーソンリーとは宗教なのか。とくにキリスト教と
はどのような関係か。
3.メーソンリーのロッジで行われている奇妙な儀礼は何を目
的とするものなのか。
4.メーソンリーの儀礼の中に登場するヒラム・アビフの正体
はいったい何なのか。
5.『ダ・ヴィンチ・コード』の中に登場するシオン修道会と
はどう関係するのか。
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今回のテーマは今回を含めあと4回――56回で終了しますが
これらはその中で答えたいと考えています。
なお、EJの今回のテーマ「秘密結社の謎と真相」は、ここま
で調査を重ねた結果、次のような副題を付けるのがふさわしいと
考えております。
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秘密結社の謎と真相/フリーメーソンリーの起源をめぐって
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今回のテーマを追って調べてきた過程で、解けなかった謎が解
けたり、関連して得られた知識や情報がたくさんあります。そこ
で本テーマに引き続き、次の2つのテーマを取り上げて書いてい
きたいと考えています。
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1.映画『ダ・ヴィンチ・コード』の狙いとその謎の解明
2.モーツァルトの歌劇『魔笛』のフリーメーソン的解釈
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1に関しては、来週からスタートし、2に関しては別のテーマ
をはさんで取り上げる予定でおります。なお、上述の第5つの謎
については、来週からはじまるテーマで解明することにします。
さて、ここまで調べてきた限りでは、フリーメーソンリーの起
源は、やはりテンプル騎士団であると思います。テンプル騎士団
は、その「騎士団」という名称が軍隊を連想しますが、初代総長
のユーグ・ド・パヤンスをはじめとする9人の騎士団は、騎士団
というより考古学者に近いと思われます。
そして、彼らの発見した秘密の文書にしたがって、石工団が結
成され、ロスリン礼拝堂が完成したのです。この関係が次の2つ
のフリーメーソンを生んだのです。
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1.思索的フリーメーソン
2.実践的フリーメーソン
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まさにユーグ・ド・パヤンスをはじめとする9人は思索的メー
ソンであり、彼らの立てた計画により本物の石工――すなわち、
実践的メーソンが集められたと考えられるのです。
実務的メーソンの上に思索的メーソンが存在し、彼らは王族や
貴族など身分の高い人たちで占められ、上位のメーソンほど多く
の秘密を握っていたと考えられるのです。また、こうした位階制
度は、軍隊――すなわち、本当の騎士団においてもスムーズに生
かされたのです。
問題は、ユーグ・ド・パヤンスをはじめとする9人が、ソロモ
ンの神殿において、具体的には何を発見したかです。この謎は、
ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』の謎とも深い関連が
あるのです。それが極めて秘密性の高いものだったからこそ、秘
密結社フリーメーソンが誕生する重要な要因になったとも考えら
れるのです。 ・・・・・・・・ [秘密結社53]
≪画像および関連情報≫
・テンプル騎士団の本質とは何か
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テンプル騎士団の本質は、秘儀伝授と秘密に基づく位階制度
のもとで運用される秘儀宗派であり、秘密の内部組織が存在
した可能性は高い。一兵卒のテンプル騎士は、上位の騎士ほ
ど事情に通じていなかっただけではなく、実際の信仰も異な
っていた可能性が高い。ほとんどのテンプル騎士たちは、見
掛けどおりのキリスト教兵士にすぎなかったが、内部集団の
人びとはそうではなかったのである。――リン・ピクネット
&クライブ・プリンス著/林和彦訳/『マクダラとヨハネの
ミステリー/2つの顔を持ったイエス』より。三交社刊
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