2006年06月22日

人生は「生命の樹」を上昇すること(EJ1862号)

 人間は受肉した瞬間から「生命の樹」を昇りはじめるといいま
す。人間の人生とは「生命の樹」を上昇することなのです。その
「生命の樹」を上昇するために通過しなければならないセフィロ
トの数は「ダアト」を含めて全部で11個です。
 そして、3つのセフィロトがひとつの世界を構成します。3つ
のセフィロトは、絶対3神をあらわす3つの柱からひとつずつ選
ばれるのです。したがって、世界を構成する基本数は「3」とい
うことになるのです。
 最高位の世界である「至高世界」――3本柱の頂点に位置する
セフィロト「ケテル」「コクマー」「ビナー」は、「ケテル」を
中心とした三角形の世界になっています。
 この世界は他の世界とは大きく異なるのです。それは、この至
高世界は、隠されたセフィロト「ダアト」によって隔離されてい
るという点です。つまり「ダアト」を顕現させないと、入れない
世界なのです。それは、神々の世界であり、直接絶対3神とまみ
える世界ということになります。
 これに対して最後のセフィロト「マルクト」1個で構成される
「滅びの世界」――これはどういう世界でしょうか。これについ
ては、イエスの「タラントンのたとえ話」があります。
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  主人から5タラントン、2タラントン、1タラントンをそれ
 ぞれ預かった3人の僕(しもべ)がいた。最初の僕は5タラン
 トンを使って商売し、10タラントンにした。次の僕も2タラ
 ントンで商売し、4タラントンにした。最後の僕は失うことが
 恐ろしくなり、1タラントンを土に埋めて隠しておいた。後日
 結果を見た主人は、何もしなかった僕を叱責し、すぐさま追い
 出してしまったという。
  人間は、みなマルクトから上昇するのが宿命である。最終的
 に真理を得たのにマルクトに留まっている人間は、何も成長し
 ていないことを意味する。人間として霊的に未熟な状態であり
 忌むべき世界である。だからこそ、「精神の地獄」といわれる
 のである。
                ――飛鳥昭雄/三神たける著
       『失われた堕天使/「ルシファー」の謎』 学研
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 「生命の樹」を昇るというのは要するに木登りです。高いとこ
ろに昇ると、下にいたときには見えなかったものが見えてくるの
です。ところで、大臣のことを「○○相」といいます。首相とか
財務相とか外相とかいうようにです。どうして「相」の字を使う
かご存知でしょうか。
 それは「相」の字を分解してみるとわかります。「相」の字は
「木+目」に分解できます。これは「木に登って見る」――少し
高い段階から世界を見る人」という意味なのです。
 もともと「見る」には次の3段階があるのです。
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    見 ・・・ 普通に立って見る 「人+目」
    看 ・・・ 手をかざして見る 「手+目」
    相 ・・・ 高いところで見る 「木+目」
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 霊的にレベルアップする――フリーメーソンにもそういう成長
段階があるということをEJ第1849号で述べています。「ス
コティッシュライト」という考え方で「徒弟」「職人」「親方」
の上に30位階を積み上げ、全部で33位階あることについて説
明しています。
 この「33」という数字は、キリストの生涯の数であり、ソロ
モンの神殿は建設されて33年経過して破壊されています。実は
この33という数字は「生命の樹」と深い関係があるのです。そ
れは、次の通りです。
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  『「ダアト」を含む11個のセフィロト』
           + 『22本のパス』= 33
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 さて、木登りにはつねに危険が伴います。「生命の樹」を昇る
過程においても霊的成長の途中で、いきなり「生命の樹」を滑り
落ちる可能性があるのです。それは、「生命の樹」には「ケリッ
ポト」という穴が口を開けているからなのです。
 「生命の樹」の最も高い位置から、滑り落ちた例として語り伝
えられているのが「堕天使/ルシファー」の話です。
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 「生命の樹」を最後まで登り詰めたのは、光の天使ルシフェル
 (ルシファーと同じ)である。ルシフェルは、もっとも神に近
 い存在だった。おそらく「生命の樹」における「太陽の栄光=
 「至高世界」にまで踏み込んでいたことは間違いない。まさに
 神の奥義に肉薄したからこそ、ルシフェルは神になろうとした
 のである。つまり、彼は、セフィロト「ケテル」に至った天使
 だったのである。しかし、ルシフェルは「生命の樹」を甘く見
 ていた。「生命の樹」は鏡である。いくらカッパーラの奥義を
 得たとしても最後の最後で本性があぶりだされる。傲慢となっ
 たルシフェルは「生命の樹」に邪悪な存在として映った。と、
 そのとき、セフィロト「ケテル」にぽっかりとケリッポトが口
 を開けた。まさに御父エロヒムの栄光を手にしようとした瞬間
 ルシフェルは落ちた。     ――飛鳥昭雄/三神たける著
       『失われた堕天使/「ルシファー」の謎』 学研
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 このようにして、ルシファーは「生命の樹」の最上階から真っ
逆さまに転落してしまったのです。どこに落ちたのでしょうか。
実は最下位のセフィロト「マルクト」ではなく、これを突き抜け
て別な世界に入ってしまったのです。かくして、天使の3分の1
を味方につけて神に挑んだルシファーの反乱はもろくも崩れてし
まったのです。           ・・・・[秘密結社36]


≪画像および関連情報≫
 ・「ルシファー」とは何か
  「ルシファー」とはキリストの伝統で、サタンの別名とされ
  る。「ルシファー」は英語からの音訳で、その他日本ではル
  キフェル(羅)、ルチーフェロ(伊)ルシフェル(西・葡)
  などとも表記される。「ルシファー」はもともと、ラテン語
  で「光を帯びたもの」(lux 光 + -fer 帯びている、生じて
  いる)を意味し、キリスト教以前から「明けの明星」を指す
  ものとして用いられ、オウィディウスやウェルギリウスなど
  の詩歌にも見られる語である。無論、ヘブライ語の旧約聖書
  にもギリシャ語の新約聖書にも使われてはおらず、元来は、
  サタンや堕天使といった伝統と一切無縁のものだった。
                    ――ウィキペディア

1862号.jpg
posted by 平野 浩 at 06:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 秘密結社の謎と真相 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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