2010年10月04日

●「榊原英資氏の坂本龍馬論」(EJ第2910号)

 NHKの大河ドラマ『龍馬伝』を見ておられるでしょうか。私
は内容のいかんに関わらず、習慣としてNHKの大河ドラマは必
ず見ることにしています。もちろん今回も一度も欠かさず、見て
いますが、見れば見るほど坂本龍馬という人間がよくわからなく
なるのです。今回の『龍馬伝』はいささかおかしいのではないで
しょうか。
 別に歴史を忠実に描けというつもりはないのです。ドラマなの
ですから、いろいろな脚色があってよいし、何よりも面白いこと
が一番ですが、それほど面白いわけでもないのです。何よりも問
題なのは、坂本龍馬という人間を意図的にある特定のイメージに
変質させて伝えようとしている──そんな気がするのです。
 私が今回EJのテーマとして、「坂本龍馬」を取り上げる気に
なったのは、まだ猛暑が続く8月のある日に、浜松町のdan文
教堂で次の本を発見して購入してからです。
―――――――――――――――――――――――――――――
    榊原英資著
    『龍馬伝説の虚実/勝者が書いた維新の歴史』
                  朝日新聞出版刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 著者を見て一瞬間違えではないかと思ったのです。しかし、著
者は紛れもなく、経済学者で「ミスター円」の異名を持つ榊原英
資氏に間違いないのです。榊原氏は本の「はじめに」で次のよう
に述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 現在の国際経済、そのなかの日本経済を理解する上でも、歴史
 特に世界のなかの日本の歴史を理解することはきわめて重要で
 す。なかでも明治維新から第二次世界大戦に至る時代がどのよ
 うな時期だったかについては、かなりの誤解があるようです。
 そしてその誤解には龍馬伝説が深く絡んでいると思われます。
 筆者は、龍馬をめぐる誤解を正すことによって明治という時代
 を再評価し、それを「戦後」を考える一つのよすがにしてみた
 いと考えています。    ──榊原英資著/朝日新聞出版刊
        『龍馬伝説の虚実/勝者が書いた維新の歴史』
―――――――――――――――――――――――――――――
 歴史は勝者が書くのが通常ですが、榊原氏は坂本龍馬を司馬遼
太郎のように勝者である薩長の側から見るのではなく、幕府の側
つまり、横井小楠や勝海舟の側から見ると、かなり違った光景が
見えてくるといっています。
 司馬遼太郎は、そのベストセラー『竜馬がゆく』において龍馬
を薩長同盟を成立させ、幕藩体制を倒して、素晴らしい明治をつ
くった革命児として描いています。しかし、本当に、そうなので
しょうか。
 『竜馬がゆく』は、司馬遼太郎が昭和37年(1962年)〜
41年(1966年)に産経新聞に連載され、その連載完結の2
年後にはNHKの大河ドラマ『竜馬がゆく』が、演出・和田勉、
主演・北大路欣也で放映されています。
 それから約半世紀にわたり、龍馬に関しては、学術的なものか
ら小説のたぐいまで、膨大な書籍で取り上げられ、映画、演劇、
TVドラマ、マンガ、ゲームなど、とても数え切れない大変な数
に達していると思います。
 司馬遼太郎が『竜馬がゆく』を書く以前、というより戦前の日
本では、坂本龍馬の人気は大したことではなかったのです。ちな
みに戦前においては、東京帝国大学の学生新聞が毎年行っていた
「尊敬する人物」のベスト4は次のようになっているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
           1.楠木正成
           2.吉田松陰
           3.西郷隆盛
           4.乃木希典
―――――――――――――――――――――――――――――
 もし、現在であれば、おそらく坂本龍馬はダントツで第1位に
輝くはずです。しかし、現在幅広く伝えられている龍馬像は実際
の龍馬とはかなり違うものではないかと思うのです。
 EJでは、そこを追求したいと思います。しかし、とくに今回
に限らず、今まで何回にもわたるNHKの大河ドラマの伝える龍
馬像は相当インパクトが強いですから、そのイメージを崩すのは
容易ではありませんが、あえて挑戦したいと考えています。ポイ
ントは次の2点です。
―――――――――――――――――――――――――――――
    1.今までとは異なる視点から坂本龍馬を探る
    2.フリーメーソンと龍馬の接点を探ってみる
―――――――――――――――――――――――――――――
 1はともかくとして、なぜここにフリーメーソンが出てくるの
でしょうか。
 それは、世の中を一変させるような大革命の裏では、フリーメ
ーソンは、必ず活躍しているからです。代表的なものを上げると
アメリカの独立戦争、そしてフランス革命があります。これらは
いずれもフリーメーソンと密接な関係があるのです。
 そうであるとすると、日本における最大の政変である明治維新
においても何らかのかたちでフリーメーソンがからんでいると考
えるのは、それほど不思議なことではないのです。
 今までの坂本龍馬に関するドラマなどでは、それがフリーメー
ソンとの関係で演出されることはないでしょう。しかし、明治維
新でもフリーメーソンは裏でからんでいるのです。EJではその
観点からも坂本龍馬にスポットを当てていくつもりです。
―――――――――――――――――――――――――――――
     『新しい視点から読み解く坂本龍馬論』
      ─ 龍馬は真の姿を明らかにする ─
―――――――――――――――――――――――――――――
             ─── [新視点からの龍馬論/01]


≪画像および関連情報≫
 ●山田雅稔のブログより/榊原英資氏の龍馬論
  ―――――――――――――――――――――――――――
  『龍馬伝説の虚実』(榊原英資著 朝日新聞出版刊)を読み
  ました。『第一章 龍馬伝説は明治一六年に始まった』の中
  の「忘れられていた竜馬」の項から抜粋し、番号を付けて紹
  介します。『@明治維新の直前、1867年11月15日に
  坂本龍馬は暗殺されますが、維新後しばらく龍馬は忘れられ
  た存在でした。龍馬がはじめて注目されるのは、1883年
  (明治16年)。土佐の自由民権運動の新聞、土陽新聞にお
  いてです。A歴史家・加来耕三はその経緯を次のように記し
  ています。「作者は自由民権運動家で文筆家の坂崎紫瀾(し
  らん)であった。(中略)幾度か単行本としても刊行された
  が、人気の高かったことから、後世の人々は、この物語をす
  べて、事実であるかのごとく記憶してしまった。
http://masatoshiyamada.blog108.fc2.com/blog-entry-687.html
  ―――――――――――――――――――――――――――

榊原英資著『龍馬伝説の虚実』.jpg
榊原 英資著『龍馬伝説の虚実』
posted by 平野 浩 at 04:10| Comment(0) | TrackBack(1) | 新視点からの龍馬論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 皆さん結構ブログやってんですね。話題も豊富でみんないろいろのことが気になってるんだなぁって感じます。そんなことで私も坂本龍馬について調べてみました。「083 うみ やま たいよう」 ≪ 坂本龍馬なう..
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