2010年09月24日

●「ユーストリームという新技術がある」(EJ第2904号)

 9月14日、菅直人首相の民主党代表選勝利が決まったとき、
かねてから記者クラブの廃止を唱えてきたジャーナリストの上杉
隆氏は、アイフォーンで次のようなツィートを発信しています。
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        記者クラブ王国の勝利も確定
―――――――――――――――――――――――――――――
 もともと民主党の公約である記者クラブのオープン化は鳩山政
権発足後も各大臣にまかされ、遅々として進まなかったのです。
それでも民主党はこれまで首相の記者会見などのさい、ネットの
生中継を認めてきていたのです。ニコニコ動画やビデオジャーナ
リストの神保哲生氏によるビデオニュースなどによるネット生中
継がそれです。
 ですから、民主党代表選の生中継は当然あるものと考えていた
人は多かったと思います。かくいう私もそう思っていたのです。
私の事務所にはテレビがないので、ネット生中継で見ればよいと
考えていたのです。
 しかし、民主党はこうしたテレビ生中継を一方的に中止してき
たのです。上杉隆氏は投開票が行われる会場に向かう途中でそう
いう情報を聞いて、民主党関係者に片っ端から聞いたのですが、
誰も知らなかったというのです。中央選挙管理委員会のメンバー
ですら知らなかったといいます。
 それでは誰が決めたのでしょうか。上杉氏によると「党官僚」
といわれている広報の党職員たちが記者クラブと結託して決めた
らしいのです。上杉氏が党官僚にその理由を聞くと、民主党のホ
ームページで動画中継しているからそれでいいだろうという答え
が返ってきたそうです。
 最終的には、党職員が決定を覆して中継はできるようになった
のですが、この一事を見ても菅政権が記者クラブを廃止はもとよ
り、オープン化も無理ということが分かります。とにかく首相か
らしてあまりにも無関心なのです。仮に記者クラブは廃止をして
も記者クラブそのものの存在を隠しているメディアは新聞などに
書かないし、実績にはならないと考えているのでしょう。
 しかし、私は既にアカウントを持っている「ユーストリーム」
で、14日の午後2時から視聴することができたのです。しかし
奇怪なことは、このユーストリームでの生中継は、TBSから提
供されていたのです。なぜ、TBSだけ許されたのでしょうか。
何かコネがあったのでしょうか。納得がいかない話です。
 それはさておき、「ユーストリーム」とは何でしょうか。EJ
では、ユーストリームについて、前回テーマの「ジャーナリズム
論」の中で簡単に説明しています。
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 EJ第2843号/2010年6月28日
 「生中継されていた亀井大臣記者会見」
http://electronic-journal.seesaa.net/article/154688954.html
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 ユーストリームは「無料ネット生中継サイト」のことです。民
主党の事業仕分けがユーストリームで生中継されてから、一躍有
名になったのです。
 もともと普通の個人にとって生中継は非日常のことであり、ピ
ンとこない人が多いと思います。しかし、普通のノートPCとビ
デオカメラ、いや、アイフォーンやアンドロイド搭載のスマート
フォンでも生中継ができるのです。
 アイフォーンについては、ユーストリームのアカウントを持っ
ていることが前提ですが、アップストアから「ユーストリームラ
イブブロードキャスター」というソフトをインストールさえすれ
ば、生中継が可能になります。アイフォーンならつねに持ち歩い
ているので、誰でもいつでも生中継ができるのです。
 選挙のケースで考えてみましょう。ある候補者が街頭で演説を
行ったとします。それを事務所のスタッフが、ノートPCとビデ
オカメラを使って生中継する──それは可能です。ユーストリー
ムを使えば、世界中に演説の映像を発信できるからです。問題は
そこで演説の生中継をやっていることをどのようにして多くの人
に知らせるかです。
 ここがとても大切なところです。ユーストリームが他の生中継
サイトと違う点は、ツイッターとの連携にある点です。2009
年5月からユーストリームは、中継動画の横にツイッターのタイ
ムラインを表示できるようにしたのです。
 ユーストリームによる生中継が始まると、それを見ているツイ
ッターのユーザーは、中継を見ながら、コメントをツィートとし
て流すことができるのです。
 フォローしている人からユーストリームのツィートが流れてき
たとします。その場合、ツィートに付いているURLをクリック
すると、中継動画に飛ぶことができるので、その人は演説を視聴
できます。そして中継動画を見ながらツィートできるのです。視
聴している人が多ければ多いほど、たくさんの人に、中継の存在
が伝わって行くのです。こういう仕組みは今までになかったので
す。そのため、ツイッターの普及とともにユーストリームのユー
ザーはどんどん増えていったのです。
 しかもユーストリームの生中継では、次の2つの数値がつねに
画面に表示され、視聴者数を確認できるのです。
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          1.現在の視聴者数
          2.累計の視聴者数
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 要するに演説を現在何人の人が見ていて、累計では何人の人が
見たかがわかるのです。さらにツイッターによるツィートで、意
見や質問が寄せられることもあります。しかも、それらの演説の
動画はユーストリームに残っていて、ユーチューブのように後か
ら多くの人が見ることができます。これがユーストリームの生中
継です。         ──── [メディア覇権戦争/43]


≪画像および関連情報≫
 ●アクティブユーザーの割合はどのくらいか
  ―――――――――――――――――――――――――――
  ツイッターのアクティブユーザーは私の体感値でフォロワー
  数の10分の1くらいです。フォロワー数が100人の人は
  10人、1千人の人は100 人、1万人の人は千人程度の
  ユーザーの行動に影響を与えます。しかし、ツイッタ一に常
  時アクセスしている人は少ないので、ツイートしたことにリ
  アルタイムで反応してくれるアクティブユーザーは、さらに
  10分の1くらいと考えるのが妥当です。
     ──川井拓也著『USTREAM世界を変えるネット
            生中継』/ソフトバンク新書/135
  ―――――――――――――――――――――――――――

川井拓也著の本.jpg
川井拓也著の本
posted by 平野 浩 at 04:10| Comment(0) | TrackBack(0) | メディア覇権戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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