ています。なかでも、この8月22日に大型CDショップHMV
渋谷店が閉店したのは大きな話題を呼んだものです。
HMV渋谷店は、日本の第1号店として、1990年に開店し
1998年に渋谷のセンター街に移転したのです。同店はHMV
中最大の店舗で、「渋谷系」と呼ばれる音楽などの情報発信で、
一世を風靡したものです。私は、N響の定期コンサートがあると
きは必ず行くことにしているCDショップだったのです。
しかし、国内の音楽ソフト市場は皮肉にもHMVが渋谷に店舗
を移した1998年をピークに減少に転じ、音楽ソフトの生産額
は、2009年に3165億円と11年連続で前年を下回ってい
るのです。
なぜ、このような事態になったのでしょうか。
それは音楽の聴き方が変化したからです。iPodに代表され
る携帯音楽プレーヤーが普及し、それに対するネット配信が急速
に発達して、主要顧客だった若年層のCD離れが止まらず、CD
ショップの経営環境が悪化し続けているのです。
同じことが書店でも起こりつつあります。書店も次々と姿を消
しているからです。しかし、日本ではまだ本の読み方はほとんど
変わっていないのです。ところが、iPadの普及やキンドルが
日本語対応をすると、日本人の本の読み方も一変するはずです。
そうなると、書店はもっと少なくなるでしょう。
今回のテーマの3回目に「ネットサービスの4つのレイヤー」
について説明しました。再現しておきます。
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1.コンテンツ/アプリケーション
2.プラットフォーム
3.インフラ
4.端末
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これは、ネット上のビジネスやサービスの構造をあらわしてい
るのです。われわれがネットに接続している間は、これら4つの
レイヤーが提供するサービスをすべて受けていることになるので
すが、一番世話になるのはプラットフォーム・レイヤーです。
なぜなら、プラットフォーム・レイヤーは、情報空間の入口に
当たるからです。そして、このレイヤーがほとんど利益を一人占
めにしているのです。
ところで、世界の先進国における日本車の割合は、どのくらい
かご存知でしょうか。2005年のデータでは、次のようになっ
ています。
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米国 ・・・・・・・・・・ 41.2%
英国 ・・・・・・・・・・ 17.8%
ドイツ ・・・・・・・・・・ 11.6%
フランス ・・・・・・・・・・ 8.7%
──日本自動車工業会/2005
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日本車の最大のお得意様である米国でも、そのシェアは41%
です。しかし、ネット上のプラットフォーム・レイヤーである米
国企業のシェアはどうかというと、とんでもないことになってい
るのです。それでは、日本の場合は次のようになっています。
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ヤフー ・・・・・ 51.3%
グーグル ・・・・・ 38.2%
マイクロソフト ・・・・・ 1.7%
アマゾン ・・・・・ 1.0%
エキサイト ・・・・・ 0.8%
──岸 博幸著/幻冬舎新書/156
『ネット帝国主義と日本の敗北/搾取されるカネと文化』より
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日本の場合、ヤフー・ジャパンは米国発のサービスですが、日
本企業が筆頭株主であるので、自国企業がトップを占める特異な
ケースですが、このたび検索エンジンをグーグルに一本化したの
で、他のプラットフォーム・レーヤー企業を加えると、92%の
シェアになるのです。完全に米国の企業に支配されています。
同様に、英国、ドイツ、フランスのこの分野の米国企業のシェ
アは次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
英国 ・・・・・ 93.7%
ドイツ ・・・・・ 90.4%
フランス ・・・・・ 90.5%
―――――――――――――――――――――――――――――
日本を含む先進国におけるプラットフォーム・レイヤーが米国
企業にほぼ完全に独占されていることは異常であるといえます。
問題なのは、これを異常と感じず、ごく当たり前のことと受け止
めてしまう姿勢です。
仮に米国のネット企業の検索サービスを使ってさまざまなサイ
トを訪れているとすると、その行動履歴はすべて把握され、記録
されているのです。したがって、それらの行動履歴がマーケティ
ングの有用なデータとして販売される可能性もあるのです。
さらに現在流行しているクラウド・コンピューティングを利用
する場合は、多くの情報をサーバーに丸ごと預けることになるの
で、一層リスクが高くなります。メールのやりとりをはじめ、す
べての情報が他に利用されない保証はないのです。
そのように考えると、中国における当局とグーグルの諍いは別
の意味をもってくると思います。最近では、個人情報をネットに
書き込む場合は、そのプライバシー・ポリシィがどのように保護
されるのか、単なる言葉だけの約束ではなく、そのシステムまで
含めてチェックする必要があります。少なくとも企業はそうすべ
きです。 ──[メディア覇権戦争/24]
≪画像および関連情報≫
●米ニュー・ヨーカー記者/ケン・オーレッタの意見
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検索の形態そのものが変わる可能性もある。「マハロ」のよ
うなエキスパート型検索が台頭してくるかもしれない。嵐の
ような数の検索結果に襲われるのではなく、数は少ないけれ
ども短く簡潔にまとめられた専門家の意見などが得られるほ
うが、使い勝手がいい場合があるからだ。もう一つが「ツイ
ッター」「フェイスブック」の台頭。自分たちの伸問、信頼
している人物に尋ねる方向に検索の軸足が移りつつある可能
性もある。こうしたSNSは、グーグルが苦手としている領
域である。 ──『週刊東洋経済』7/3より
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●図出典/ ──岸 博幸著/幻冬舎新書/156
『ネット帝国主義と日本の敗北/搾取されるカネと文化』より
ネットレイヤーの構造


